議論、ディスカッションの仕切り方、結果を出せる「攻めの司会」


ディスカッションとディベートとの違い

ディスカッションの進行役について考える前に、

ディスカッションに近い話し合いの形、
ディベートとの違いを通して、

ディスカッションの意義と方法について考えてみます。

ディベートというのは、

始めから、
大きな対立軸が設定されていて、

議論をする本人たちが、
その点について、本心からどう思っているかではなく、

賛成側・反対側の役割を演じながら、
議論を深めていくものです。

これは、
もちろん本人たちの理解を深める学習という意義もありつつ、
その議論を見てもらう、ショーという意味あいも含んでいます。

ですから、
ディベートには、どちらの側にも「一理」あり、

ディベートで
何かが解決することは、ほとんどありませんが、

議論を戦わせることで、
何らかの妥協点やアイデアが生まれることはあるでしょう。

またそれを見る側の人たちは、

どちら側の意見のどのあたりに、
自分は賛同できるのか、

自分の立ち位置を認識する、
きっかけを与えてくれることもあると思います。

いっぽう、
ディスカッションでは、

立ち向かう議論の的となるのは、
「疑問や課題」です。

そこにいる参加者全員が、
疑問や課題の解決という、一方向に向かって話し合うのが、

ディスカッションの本質だと思います。

ごく簡単な例でいえば、

小学校の学級会で、
文化祭のクラスの出し物を決める、という課題や、

算数の方程式の解き方がわからない、という疑問を、

「では、全員で意見を出し合いましょう」

と提案し、
より有効なアイデアを出させて、

解決に導くのが、
ディスカッションの進行役です。

大石貴博(企画推進部)
大石貴博(企画推進部)
なるほど、立ち向かう議論の的がないと、成果が出るはずありませんよね。

ディスカッションの進行役のコツ

では成果を出す司会のコツを挙げますね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

コツは、この3点。

・話の方向性を明確にすること
・意見が出やすい環境にすること
・意見を徐々に絞っていくこと

まず、
話の方向性について。

そもそもディスカッションは、
問題や課題の解決のためのものですから、

話の方向性は、
一方向に定まっているのですが、

それをわかりやすく、
聴衆に提示する、ということです。

○○するには、どうしたらいいでしょう?
○と○では、どちらがいいでしょう?

など、
「課題→解決という図式」がわかりやすい言い方で、
ディスカッションのテーマを提示することが大事です。

悪い例としては、

「○○について、意見はありますか?」
など。

話の方向性がわからないなかで、
積極的に発言をしてくれる参加者は、少ないものです。

特に日本人は、
話の方向性がわかったなかで同調するのが得意な人が多く、

漠然とした質問をされると、シーンとしてしまいます。

ですからディスカッションの進行役は、
話の展開に応じて、

課題、問題点を提示し続ける役割を担っているのですね。

大石貴博(企画推進部)
大石貴博(企画推進部)
ちょっとした言い方次第で、ずいぶん違うんですね。