テキスト、資料を配布した時の話し方(後編)


何を見せながら話しているかをきちんと意識しよう

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
前編は、まず話し手自身の動きで、聞き手の視覚を刺激する話でしたね。
話し手の動きは、話自体にも迫力、躍動感を与えますから、人前で話す時に取り入れない手はないですよね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

この記事は前編からの続きです。前編はこちら

でも、
せっかく、自由に動ける環境ですから、

もっと聞き手の近くへ行きたいですよね。

そのためにも、
「今、何を見せながら話しているか」を考える必要があるのです。

ホワイトボードを見てもらったり、
持参した実物などの参考資料を見てもらったりするのは、

全員に、前方にいる話し手を見てもらえばいいのですが、

こういう環境で話すからこそ、
活用したいのが、

手元の資料です。

テキスト、参考書など、
聞き手全員に同じものが配布された資料は、

話の内容が
すべて詰め込まれているものが多く、

聞き手が見るべきものとしては、
最も近い場所にあるものですから、

手元の資料ばかりを見る話は、
時として、つまらないものになってしまいがちです。

話を聞かなくても、
資料を読めば成立してしまいますからね。

しかし、
メリハリをつけて、資料を見てもらう時間を作ると、

聞き手にとっては、
いい場面転換になり、

より、書いてあるものに集中できるんですね。

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
私も、手元の資料を読むのが中心で、話半分で聞いてしまうことがあるのですが。

どこを見てほしいか「2段階の指示」をする

でも理想は、手元の資料をうまく利用して、話をもっと面白く聞かせること、ですよね!
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

このように、
見せるものを変えて、場面転換するとき。

言い方としては、
その都度、きちんと、

「ホワイトボードを見てください」
「手元のテキストをご覧ください」

のように、
具体的に、どこを見て欲しいか、

言葉にしたほうがいいと思います。

こういう環境で話を聞く聴衆は、
無意識的に、
話し手の言葉に従う傾向がありますから、

具体的な指示が、
とても有効なのですね。

そして、
その手元の資料を見てもらう時に、

より集中力を高める言い方は、

大から小へ、
マクロからミクロへ、

2回に分けて指示すると良いものです。

例えば、
「テキストを開いてください」

だけではなく、

「テキスト18ページ。中段辺りを見てください。」
と言うことで、

聞き手の意識は、
18ページのなかでも、中段、というように、

もう一階層、
深いところへ入っていきます。

中段辺り、などと言わなくても、
18ページと言うだけで、

大体どのへんに書いてある文章かは、
探せばわかるものなので、

それほど意味のない、
無駄な言葉のようにも感じますが、

こういった過程が、
話を聞く、文章を読む、集中力につながっていくわけですね。

「大から小、
マクロからミクロへの2段階の指示は、

聞き手の意識を、
一階層深いところへ導き、集中力を高める。」

応用してみると
面白いと思いますよ。

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
これは使えるテクニックですね。そう言われれば確かに、2段階で指示されると、クローズアップされたように感じますね。

自由に動いて、聞き手と触れ合うチャンスを作る

そうやって、聞き手がこちらの話に引き込まれてくれば、勝利確定ですね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

さて、
こんな風にして、手元の資料を見てもらっている間は、

話し手は
自分を見てもらう必要がなくなりますから、

もっと自由に動くことが
できるようになります。

この時間が、

聞き手とダイレクトに触れ合い、
より緊密な関係を築くチャンスとなるわけですね。

これも読んでみて!  標準語を話す

また、

このような環境で行われることが多いのが、
ディスカッション、

つまり、
聞き手が自由に発言しあう、話し合いです。

ディスカッションは、

聞き手の理解を深め、
話を発展させ、

参加者の積極性が引き出され
充実感を高めるものです。

そんなときに、
話し手はどうすればいいのか?

次回の記事で考えます。

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
聞き手の集中力が高まってきたところで、親近感を出していくんですね。

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そう。聞き手を話に引き込む前から親近感を出そうとすると、散漫になる恐れがありますからね。
くまちゃんアナウンサー
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