「質問を受けつつ、私語は完全に封殺する」話し方の具体策


質問を受けると、ざわざわが始まってしまう

佐伯和子(中学校教諭)
佐伯和子(中学校教諭)
私語はさせたくないですが、発言はしてほしいんですよね・・
どの程度、私語を許容するかによって、使う言葉、対応も違ってきますね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

聞き手から質問を受けながら話す、
という話し方にも、

メリットもあれば、デメリットもありますから、

メリットは活かしつつ、
デメリットに陥らないよう注意する必要があります。

話しながら質問を受けることのメリットは、

  • 疑問点、問題点、課題を浮き彫りにする
  • 話の内容の理解を深める
  • 聞き手の参加意識を高める
  • その話・講演・講義・会を盛り上げ、充実させる

などが挙げられます。
想像できますよね。

いっぽうデメリットは、

  • 私語が多くなり、雰囲気が散漫になる
  • 予期しない質問をされる可能性がある
  • その場にそぐわない質問をされる可能性がある
  • 主旨に合わない質問をされて、話の焦点がぼやける

などが考えられます。

このようにデメリットを挙げてみると、
ポイントが見えてきますね。

デメリットは全て、

聞き手に質問させる、

つまり、
話の主導権を、聞き手に委ねることによって、
引き起こされるものであることがわかります。

当然といえば当然ですね。

一貫して、聞き手を黙らせて、
自分ひとりでしゃべり続ければ、

そんなに混乱することもなく、
その場、その話は終わっていくわけですから。

すなわち、
聞き手に質問させながら話すときの注意点は、

まさにここ。

話の主導権を聞き手に委ねた時に、
いかにそれをコントロールするか?

ということに尽きるのではないかと思います。

佐伯和子(中学校教諭)
佐伯和子(中学校教諭)
話の主導権を手放すのが怖くて、つい自分ばかり話してしまうんですよね。

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聞き手の私語をどの程度、許容するか?

話の充実という点においては、聞き手が積極的にこちらの話題に参加してくれたほうが良いんですがね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

まず、
聞き手たちの私語をどうするか、について。

話し手のこちらが、
聴衆に向かって、

「質問はありますか?」と尋ねると、
ざわざわっとなるのは、

近くにいる仲間と相談という状態だと思います。

この相談をどうするかは、
レベルに応じて、違うでしょう。

ひとたび相談が始まったら、
ざわつきの歯止めがかからない状況であれば、

相談する時間は、
設けないほうが良いかもしれませんし、

聞き手同士が、
話す時間と黙って聞く時間をきっちり区別できるようであれば、

上記のような、
質問を受けながら話すメリットを充分活かせる環境が整っていると言えますから、

ぜひ試してみたいところですよね。

やっぱり、
相談や話し合いをすることによって、

ただ話を聞くだけでは得られない、
理解の増進や、充実感がありますからね。

佐伯和子(中学校教諭)
佐伯和子(中学校教諭)
生徒同士の話し合いの時間を、他の先生に見られて、ざわついていると思われるのも嫌なところで・・

質問を受けつつ、私語は完全に封殺する方法

発言できる条件を設定、周知させる

キッチリ聞かせる環境と習慣を、話し手が随時いつでも自分で作れることが、まずは必要ですね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

このように、
聴衆への質問は、

状況次第で使い分けたり、
程度を変えたりする必要はあると思いますが、

ここでは、

「質問を受けつつ、私語は完全に封殺する方法」について、

考えてみましょう。

これまでの記事でも書いてきましたが、

聞き手に私語をさせない話し方のコツは、

ルールを明確にし、
聞き手側が話し始めるハードルを上げること。

これは、
質問を受け付ける時も同じです。

例えばここで課題としている、

ひとりずつ質問してもらい、
それ以外の発言は「一切」許したくない、という時。

こういう時に徹底したいのは、

例えば、

「質問は、おひとりずつお願いします」
「ご質問の方は、手を挙げてお願いします」など、

この場で話してもいい人の条件・ルールを、
前もって周知させておくことです。

特にこの課題のように、
質問者ひとりだけしか、声を出してはいけない環境を作りたいのであれば、

質問者を、ひとりずつにして、
他の聴衆と分断する工夫が必要です。

相手が生徒など、完全に目下の場合は
質問の際に「起立させる」という手もあるでしょうし、

社会人ではそれはできないでしょうから、

挙手をさせて、
指名されてからでないと発言できない、という条件を設定したり、

マイクなどの用意がある会場では、

「ご質問の方は、そちらのマイクで・・」など、

マイクのせいにして
ひとりずつ話をさせるよう仕向けるのも、ひとつの方法です。

佐伯和子(中学校教諭)
佐伯和子(中学校教諭)
なるほど、発言が許される条件が具体的で明確ですね。

設定した条件を厳格に運用する

一見、とても厳しいようですけど、最初に条件を提示しておけば大丈夫。後から怒ったり怒鳴ったりするよりは、格段にスマートですよ。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

そして、

バラバラとあちこちからでる「会話のような質問」を
例外なく、受け付けないこと。

受け付けない、とは、
会話のような質問の「内容に応じない」ということです。

ざわざわっとした状況で、
そこで話されている会話の内容が聞こえてしまう時、

聞こえてしまった話の内容に、
反応しない、ということです。

質問で声を出すことができる人は、ひとりだけ。

こういうルールを提示したわけですから、
話し手自身が、そのルールは守らなくては意味がありません。

そう言ってもまだ
一度に何人かが質問に絡んできた場合は

「質問がわかりにくくなりますので
どなたかが代表でお願いできますか?」と切り込みましょう。

ひとりでしゃべらなければならなくなると、
集団は途端に静かになるものです。

また、話し手が想定している次のテーマに関係する質問であれば、
その場では答えず、

「それは次のテーマに含まれるので
その時にご説明します」とし、

中途半端に次のテーマを語ってしまうことは避けましょう。

そして、
質問の受付を終える時には、

「この時点での質問はありませんか?
ないようですので、次のテーマに移ります」

というようなやり方で
「質問がない」という状況を確認しましょう。

質問がないという状況を、
聞き手たちに認識させることは、

「口を開くことが許される時間が終了した」
という、ひとつのルールが形成されますし、

「シーンとした空気を演出する」のも
雑談を減らす工夫のひとつです。

佐伯和子(中学校教諭)
佐伯和子(中学校教諭)
ナアナア、グダグダにしないように、自分の発言も大事ですね。

攻めの姿勢で、勝手に話しにくい雰囲気を作る

このあたりを勘でやってしまうと、時によって言うことにブレが生じますから、自分の中でもきっちり言語化しておきましょう。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

もっと攻めの姿勢を見せるのであれば、

「誰々さん、質問はありますか?」と
指名で質問を促し、

その人の口から「ありません」という言葉を引き出しましょう。

指名というのは
やや高圧的な行為ですから考えるべき点もありますが、

しゃべりたがりの人が指名されるという状況を作り上げておけば、

雑談した人が指名されるわけですから
自然と雑談が減る結果をもたらしますし、

ひいては、

質問と雑談の境界がくっきり線引きされ
勝手に話しにくい空気が形成されます。

あるいは
考えられる最高の結果としては、

この雑談したがりの聞き手が、
むしろ、こちらの話を熱心に聞き、勉強して、向上したがる、

話し手が求める「優良生徒」になってくれる、
可能性を秘めています。

そういう優良生徒を、
その場にいる聴衆の中から、何人も輩出するために、

話し手は、
話す環境を整える。

聞き手に私語をさせない、
というのは、そういうことなのですね。

これも読んでみて!  相手の「話したい気持ち=テンション」を高めるコツ、具体策

そして、それによって、

本当はちゃんと話を聞いて勉強したかった人のほうが、
離れていくという残念な結果だけは、

絶対に防ぎたいものですね。

佐伯和子(中学校教諭)
佐伯和子(中学校教諭)
自分では決まりを作っている気になっていましたが、ここまできっちり言葉にできていませんでした。あらかじめ言語化しておくって必要なことなんですね!

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くまちゃんアナウンサー
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