テキスト、資料を配布した時の話し方(前編)


「どこを見てほしいか、明確に指示する」

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
これからプレゼンを任されることが多くなってきそうですので、うまく話せるようにしておきたいです。
まず今回は演壇ではなく、平場で話す時のことを考えていきましょう。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

「場所と相手(聞き手)の特性」
という視点で、

話し方はどうあるべきか、考えています。

今回は、
閉じた空間で、限定された聴衆ではあるが、

話し手自身の立ち位置が決まっていない場合について、
まとめます。

想定されるのは、

外部から閉ざされているものの、

会議室やフリースペースのように、
演壇、教壇などがなく、

あなたの話を聞く聴衆は、

そこで何が話されるのかを、ある程度認識している、
限られた人たちであり、

その聞き手と同じ高さで話をする環境です。

では、改めて、
その環境で話すメリット・デメリットを挙げてみます。

閉じた空間で話をする主なメリットは、

・声がよく届き、意味内容が正確に伝わること
・聞き手の聞く集中力が高いこと
・話し手のコンディションも良好に保てること

閉じた空間で話す主なデメリットは、

・話を聞かせる対象者がそれ以上拡大しないこと
・聞き手が限定されることで、話し手との相性の影響が大きくなること

話し手の立ち位置が決まっていることのメリットは、

・注目を集め、集中して話を聞いてもらえやすいこと
・話し手自身が、コンディションを良好に保て、話すことに集中しやすいこと
・全体を見渡すことができること
・聞き手にとっても、気が散らず快適な状態で話を聞くことができること

立ち位置が決まっていることのデメリットは、

・聞き手の視線を集めることが、話し手のプレッシャーになる可能性があること
・動きが少なくなること
・話し手を良く思わない聞き手から見ると、不快感が高くなること

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
なるほど、メリットデメリットは表裏一体ですね。

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閉じた空間で、立ち位置が決まっていない状態で話す

メリット

メリットを活かしてデメリットを減らせばいいわけですが、まずは自分の環境を認識することが大切ですね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

今回のテーマをこれらのメリットデメリットに当てはめてみますと、

閉じた空間で、
立ち位置が決まっていない状態で話す、ということは、

話し手自身も、聞き手も、
コンディションを良好に保つことができ、

話し手にとっては、
注目度が低めで、体も動きやすいため、

舞台や演壇で話すより、
人前で話すプレッシャーは、少なめです。

自由に動くことができるため、
聞き手の視覚に刺激を与えることができたり、

話し手と聞き手との、
好き嫌いなどの感情からは、やや開放される可能性がありますし、

それどころか、
聞き手の中に身を投じることで、
より親密な人間関係を構築できる可能性も考えられます。

ポイントは、
動きと、関係性の近さです。

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
体を動かすと、余計な力が抜けますしね。

デメリット

そしてメリットと同じだけ、デメリットもあるわけです。
くまちゃんアナウンサー
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デメリットは、

聴衆が話し手を見る時間と習慣が少なくなるため、
内容が正確に伝わる確率は減りますし、

また、
聴衆が話し手を見る角度も、ほぼ自分と同水準になりますから、
畏敬の念、リスペクトが欠ける傾向が現れます。

例えば演壇で話す時には、
敬語で質問される人でも、

こういう環境では、
相手がタメ口で話してくる可能性はありますよね。

もちろん、
ざっくばらんに話したい人にとっては、
そのほうが好ましい場合もありますから、

どちらが良くてどちらが悪い、
という問題ではありませんが。

聞き手の集中力は、
演壇で話すよりも、やや低下するでしょうし、

話し手の立ち位置が決まっていないということは、
聞き手の視線も定まらない、ということですから、

音声だけで伝える覚悟と、
同時に、視覚を上手に使うことを考える必要もあるでしょう。

さらに、
聞き手と同じ高さで話すということは、

聞き手にとっては、
その話がまるで、会話のように聞こえてしまうこともあり、

ともすると、
聞き手同士で勝手に話してしまう、

つまり、私語が多くなる恐れも考えられます。

これらは、
そっくりそのまま、

メリットの裏返し、ですね。

服部大輔(入社3年目)
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うまくいかない時は、デメリット側のことが起こりそうですね。

この環境での話し方のポイント

では、デメリット側のことが起こらないようにするためのポイントを挙げますね。
くまちゃんアナウンサー
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このような環境での話し方のポイントは、

・今、何を見せながら話しているかを、よく意識し、
さらにそれを応用すること。

・聞き手へのダイレクトな働きかけ

この2点です。

まず、視覚の問題。

演壇などがなく、
話し手が聞き手と同じ床に立って話すということは、

聞き手が話し手のほうを見る重要度が、
低い、ということです。

そのぶん、
聞き手の視覚が散漫になり、聞く集中力を欠く結果につながります。

そのような傾向を防ぐためには、

・話し手の動きを工夫する
・見せ方にメリハリをつける

必要があります。

では、
立ち位置から考えてみましょう。

演壇がないとはいえ、

このような環境でも、
話し手は、

聞き手全員から一番見やすい位置に立つのが、
普通だと思います。

ですから、
聴衆から見て、前方の中央に立つのが、基本です。

おそらく、
この場所で話して、と言われたら、
指示されなくても、誰でもそこに立ちますよね。

背後には黒板、ホワイトボード、スクリーンなどが
あることが多いですしね。

この環境で話すメリットは、自由に動けることですから、

話し手が動いて、
聞き手の視覚を刺激すると、

話に躍動感が生まれます。

左右はもちろん、
前後にも動くことができます。

話し手が、
聴衆のほうに向かって近づく前後の動きは、

話に迫力を与えますし、
聞き手はそれに合わせて、身を乗り出して聞いてくれます。

このとき気を付けるのは、
聴衆全員が前を向いて見られる範囲で、ということ。

これも読んでみて!  「相手に誤解される」姿勢、外見、体の動き方

聞き手が横を向くのは、
気が散る原因になり、
私語を誘発したりするんですね。

ですから安易に、
話しながら聴衆の真ん中まで歩いていかないことです。

(後編へ続く)

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
まずは話し手自身の動きで、聞き手の視覚を刺激、ですね。

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くまちゃんアナウンサー
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