「インタビューが人間社会を築いている」インタビューの意義と基本的心得
「丸腰でインタビューに臨むな」
私は営業職なのですが、インタビューのスキルは必要でしょうか・・
人から話を聞き出す、ということは
社会的にも重要な仕事のひとつになっています。
話を聞き出す、というと、
トーク番組とか、記者であるとか、
メディアの専門家を思い浮かべがちですが、
職場での会議や、
取引先での打ち合わせ、
現場担当者から意見を聞くことなども、
まったく同様です。
お医者さんの問診も、
インタビューですよね。
子供に、
今日の学校はどうだったか尋ねるのも、
話を引き出す行為そのもの。
私たちは、
あまりそれをインタビューとは意識していませんが、
日常的には
多くの場面で必要とされるものです。
これから数回にわたって、
・うまく人から話を聞き出すこと
・うまく受け答えること
つまり
する側とされる側の両面から、
インタビューについて考えていきたいと思います。
なるほど、子供から話を聞くのも、確かにインタビューですね。これが上手い人って、いい親だな。
人間が他人のことを知る、ほぼ唯一の手段
では、インタビューすることの意味を改めて考えてみましょう。
さて、
私達が社会生活を営むなかで、
他人から話を引き出すという行為は、
インタビューの一種と言える、
と前述しましたが、
決まった質問をして、
ただ予想通りの言葉を引き出すだけでも、
インタビューと言えるのでしょうか?
実は、
そういうケースもあるんです。
「インタビューをしたという事実」だけが
欲しい場合です。
例えば、
テレビや雑誌などの取材で、
相手が大物、という時。
質問する項目を事前に提出しておくことが多いですから、
当然、相手も、
あらかじめ考えておいた言葉を言うだけ、という、
形ばかりの問答になってしまうかも知れません。
でも、その大物の姿を撮影できて、
なにか話している映像を作ることができれば、OK、
というようなインタビューも、
現実にはあります。
でも、
本当は、それでは物足りなさを感じますよね。
インタビューとは、
インタビュアーが知らない事実を聞いて、
その中に何かを発見すること。
人間が他人のことを知る、ほぼ唯一の手段。
それが、
インタビューの本来の意味だと思います。
そうやって人間は社会を築いてきたんだね。なんだかとても重要なことに思えてきました。
インタビューに臨む心構え、わきまえるべきポイント2点
では、どういう気持ちでインタビューに臨めばいいのか、考えていきますね。
そのような、
インタビューをする意味を理解した上で、
インタビューに臨む心構えについて考えていきます。
まず、インタビューする側は、
「相手から話を聞くメリットがある」ゆえに
インタビューを行なっています。
例えば、
そのインタビューを基に面白い記事を書きたい、とか
相手の特性を見極めて、
より良い人材を採用したい、
より良い条件で取引したい、
あるいはもっと単純に、
その対象を知りたいという欲求を満たすため、
なのかも知れません。
いずれにしても、
相手には、自分の良いところを余さず表現してほしい、
存分に力を発揮してもらいたい、
という願いを伴っていますし、
同時に、
こちらにメリットをもたらして欲しいという、
見返りを求める気持ちも含んでいるでしょう。
よって
インタビュアーがわきまえるべきポイントは、
・その相手に話を聞く目的を明確に持つことと
・より良い条件下で充分な力を発揮してもらうこと
であり、
そのためには
ある程度の戦略が必要となります。
「丸腰でインタビューに臨むな」
ということです。
インタビュアーの側には、
「こんな話が聞きたいな」という青写真が、まず必要です。
インタビュー全体の構成図のようなものです。
「なんのためにその人に話を聞くのか」を
強く明確に意識すること。
すると、
その話を導くためには
どんな質問をすればよいかが見えてきます。
話を聞く目的が無いのであれば、
それはインタビューではなく、雑談です。
それはそれで意味はあると思いますが、
この記事の対象からは除外しておきます。
インタビューの戦術という観点で見れば、インタビューってすごく高度なコミュニケーションですね・・
欲しい言葉を引き出すために、手を尽くす
インタビューは知略の結晶ですね。でもあんまり戦略的になりすぎるのにもデメリットがありますから要注意ですね。
最後に、
上記の、
相手が大物でインタビューに制約があるようなケースについて、
打開策も付け加えておきます。
たとえ質問の項目が決まっていたとしても、
熱意あるインタビュアーなら、
なんとか、
自分たちにしか話してくれない本音などを、
引き出したいと思うものです。
そんなときには、
・リアクションを得られるようなサプライズ
・「それはどういうことですか?」のような、質問の深掘り
が有効です。
相手にリアクションをさせるようなサプライズ、
例えば、
挨拶の仕方で笑わせたり、
プレゼントを用意したりすることは、
質問には含まれませんし、
先程の質問に対する答えの真意がわからない、
ということで、
それはどういうこと?と尋ねるのは、
ひとつの質問の範囲内ですからね。
このように、
規模の大小の違いはあれ、
相手から自分のためだけの言葉、話を聞き出すために、
手を尽くすこと、
まずはそれが、
インタビュアーにあるべき基本姿勢だと思います。
インタビューのシリーズはまだ続くんですよね。ちょっとワクワクしてきました!
欲しい言葉を引き出すって言いましたけど、逆に欲しい言葉じゃない結果でも、インタビューとしては成功なんですよね。相手がいることですから、思い通りにはならないのが前提ですよ。

