聞かせどころを意識すると話し方が進化する。「聞き手の五感を刺激する話し方」
「仕組み」として言語化したオリジナルコンテンツです。
応用すれば、あなたの話し方も変わります。
「どう見せよう、どう感じてもらおう」


前回の記事では、
聴衆に何かを見せながら話すときのコツについてお話ししました。
ポイントは、
・見せる前に想像力をかきたて、見て驚き、発見、問題解決
・聞き手の視線を動かす
せっかく何かを見せながら話ができるわけですから、
聞き手がそれを見たときに、
心の動きが最高潮に達するよう、
効果的に表現すべきですよね。
そのためには、
あえて、あいまいな指示語を使ったり、
話をQ&A方式にしたり。
見たときに初めてわかるような話にするために、
見せる前になんでもかんでも言ってしまわないこと、
そして、
見せてからクドクド長い説明や文字を読んだりしないことです。
詳しくは前回記事をご覧ください。

聴衆が自分の体を使う機会を設ける

以下の話も、聞かせどころというキーワードを意識してお読みください。
さて今回は2番目のポイント、
聞き手の視線を動かすことです。
付け加えるなら、
動かすのは視線だけではなく、あらゆる感覚、
聴覚、嗅覚、触覚など、
五感に訴える、ということです。
人間は、瞬きや視線移動が少なくなると、
眠くなると言われています。
また、見る意志が減退してくると、
焦点が合わなくなって、意識がぼんやりしてきますよね。
つまり、聞き手が、
話し手やその出し物の映像を、
強い意志を持って、
くっきりピントを合わせて見ている状態を、
話し手が意識的に演出しながら話さなくてはいけないのです。
例えば前回記事のプレゼンの例で言えば、
モノに触るとか、VTRや手元の資料、実物、出し物など
演出方法の変化によって、
聴衆が自分の体を使う機会を設ける、ということです。
さらにその見せ方としては、
学校の授業のように
「ハイ、こっち見てー!」
「ちょっとここを見てください」と直接的な言葉で言ってしまう。
あるいは、そういう言葉が、
大人に対してはあまりスマートない、と思われる場合には、
人の注目を集める言葉遣いで、
「ほら、ここ」とか
「例えばこれなんか面白いですねー」とか
人が見たくなるような「漠然とした指示語」などを使えばよいわけですね。
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話の最後に「それ」が出てくるような話し方

そして、何か実物を用意できるようであれば、
まず実際に触らせることで、
疑問を感じたり、
問題が提起されたりするようなとっかかりにするのもいいですね。
理科などの実験、実習はもちろんですが、
座学などで聴衆に動きが少なくなるようなケースで、とても有効です。
あるいは、
実物や映像が「答」「結論」になるような構成もアリでしょう。
つまり、
話の最後に「それ」が出てくるような話し方。
「それ」が何かは言わないようにしながら、
「それ」が出てくるまでの「前振り」をしていくわけです。
こういう形にすると、
普通に話してしまえばちょっと退屈な説明や解説が、
とてもワクワクしながら、
高い関心を持って聞いてくれるようになります。
同じ内容の話でも、
印象は全く違いますよね。
前回記事でも指摘しましたが、
このように話を「見せるものを軸に構成しようとする気持ち」が大事なのですね。
また、モノが仕込めない場合も多いでしょうが、
そういうときでも方法はいろいろ考えられます。
まず、自分が動く。
教壇やステージを右左に歩くだけでも違います。
もちろん、
身振り手振り顔まね・・
「こーんなに大きい!」とか
「こんな顔をした・・」とか。
これも、
話し手に注目して初めてわかる、見せ方ですよね。
このようにステージを大きく使って
自分なりの表現をしてくれる人の話には、
引き込まれますよね~!
人間の目は活動中は絶えず細かく動いているものです。
この目の動きが止まるということは、
思考回路も停止に陥いることを意味しています。
前回記事のプレゼンの例でいうと、
聴衆の視線は、
話し手の顔から始まって→正面のVTRモニタ→手元の資料
→出し物登場→実物配布→触ってみる→話し手自身が動く・・・など、
短い時間で聞き手の視線をかなり移動させていることが
おわかりいただけるでしょう。
さらには、
たまには机や黒板を叩いたり、拍手、手拍子など、
さまざまな音で聴衆の耳に刺激を与えるというメリハリも有効でしょうし、
たまには挙手をしてもらったりと、
聞き手の体を動かすという意味合いだけでも、
やってみる価値はあると思います。

声を出してもらう機会を設ける

また、
少し声を出してもらう機会を設けると、
質問や議論などが活性化されます。
講義や発表会など、
話し手が決まっている場においては、
聴衆は基本的には話さないものですが、
話し手として、
質問や議論を活性化させたい場合もありますよね。
ところが、
それまで何も声を出していなかった人々に、
いきなり質問を求めても、
なかなか積極的な発言はできないものです。
そこで、
あらかじめ、何か声を出す機会を作っておくと、
あとで質問や議論を求めたときに、
自然と発言ができるようになります。
ただこれにはリスクがあって、
聴衆が声を出せるような環境を作ってしまうと、
私語が増える恐れもありますから、
状況に応じて、
慎重に試してみる必要があるでしょう。
このように、
聞き手の五感を刺激して、
こちらの話を集中して聞いてもらうために、
やれることはたくさんありますよね。
繰り返しになりますが、
話す内容に縛られすぎて、話すことそれ自体に汲汲としてしまうと、
つい、
このような聴衆の目を動かすことなどを忘れてしまいがちです。
でもむしろ、
話の内容の伝わり方は、見せ方次第。
まずは、聞かせどころをを意識して
どう見せよう、
どう感じてもらおう、
から考え始めることが、
人前で話すときの最優先事項なのですね。


© 話し方のコツ|心技体
著者:くまちゃんアナウンサー
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