発音を練習するための文章
俳優やアナウンサーの養成所で、
発音を磨くための練習文としてよく使われるのが、
「あめんぼあかいな」
「外郎売」 です。
名前をお聞きになったことがある方も、
多いと思います。
あめんぼあかいな、とは
俗に「あめんぼあかいな」と呼ばれている文章は、
北原白秋(1885~1942)の
「五十音」という口語自由詩のことです。
日本語の音の美しさを、
日本の情緒あふれる風景や、
小さな生き物、人の生活を見つめる優しい視点ともに描いた、
温かみのある作品です。
あめんぼあかいなを発音練習として使うときの留意点
早口言葉の要素はなく、
母音の移り変わりを感じながら、正しい口の形を意識し、
一音一音を大事に読むことにこだわると良いと思います。
外郎売とは
「外郎売」は、
享保3年(1718)、
二代目市川團十郎によって初演された、歌舞伎十八番のひとつです。
ここで言う「ういろう」とは、
名古屋名物などとして知られる菓子のことではなく、
口中をすっきりさせる丸薬のことです。
「外郎売」は
その丸薬を売るための口上で、
由緒正しい薬であることを述べた上で、
実際に口に入れてみると、ペラペラと滑舌までよくなっちゃう、
そんな効果の証明として、
早口言葉を立て続けに披露するというもの。
それを長台詞で一気にまくし立てるのが、
歌舞伎としての外郎売の見どころになっています。
外郎売を発音練習に使うときの留意点
あめんぼあかいなと同じく、発音練習で大事なのは、
一音一音を、正しい口の形と調音点で、
音が混ざったり、一音の長さが短くなったりしないように、粒立てて発音すること。
それに加えて外郎売には早口言葉の要素もありますから、
大きく速く歯切れよく、発音できるよう挑戦してみるのもいいでしょう。
「あめんぼあかいな」や「外郎売」を覚えるのがいい理由
発音の練習をする時、正しい音を出す意識さえあれば、
その題材はどんな文章でもいいのです。
ただ、いつでもどこでも、練習をしたくなった時にすぐに口ずさむなら、
何らかの文章を暗誦したいですよね。
また、複数人が一緒に練習するときには、
ひとつの共通した題材が必要になります。
そんな時に最適なのが、このふたつ。
だからこそ、長く親しまれているのですね。
上記のリンクからどうぞ。