標準語を話す


人と話して、自分に気付く

伊藤朱美(事務職)
伊藤朱美(事務職)
鼻歌のように、アクセントの高低の音を出す練習がクセになってきました。
そうですそうです!習慣で染みついた方言は、習慣で直すしかないんですよね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

染み付いた訛りを一旦体から抜き、
正しいアクセントを身につける方法は、

・母音の発音をシンプル化すること
・アクセントの高低を明瞭化すること
・独特の単語や接尾語、言い回しがあることに気付くこと

以上の3点。

うまく発音することだけではなく、
違いを聞き分けるための

「耳を作ること」が、
極めて重要です。

また、
自分が思った発音を、
自分の身体が再現できていない可能性も高いですから、

自分の発音を録音して聞き、
おかしかったら直す、

という作業が、
予想以上の効果をあげるはずだと思います。

伊藤朱美(事務職)
伊藤朱美(事務職)
でも自分の発音を聞くのは、ちょっとハードルが高いかもなぁ。
◆この記事の著者がビデオ通話で個別指導、ご相談は1回から承ります。
◆すぐに変化が実感できた。受講体験者の感想はこちら

標準語ではない方言の語彙や言い回しを知る

今日はちょっと、私の経験談も交えてお話ししていきますね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

さて今回は、
標準語にはない語彙や言い回しについてのお話です。

聞いてもわからない方言といえば、
まずイメージするのは、沖縄だと思います。

慣れない人が、
いきなり沖縄の人と話したら、

全然聞き取れないんじゃないか・・
と不安に思いますよね。

ところが、

以前、沖縄でのロケで、
地元の人たちにインタビューしてみると、

驚くほど、
みなさん普通に標準語で答えてくれました。

たぶん、
こちらが「地元のテレビ」で、沖縄の言葉で話しかければ、
そうではなかったでしょう。

東京の番組です、という前提でしたから、
受け答えもそれなりに改まったものになりましたし、

そもそも、
テレビのインタビューに積極的に応えてくれるタイプの人は、

ある程度、
標準語に自信があるのかもしれません。

つまり沖縄の人々の多くは、
使い分けられるんです、

標準語と方言を。

おそらく沖縄の人の多くは
言葉に対する意識が高いため、

自分たちが使っている言葉が全国的には通じないところがあることも
よく知っているんですね。

逆に言うと、
方言矯正の一番の大敵は、

今の自分の言葉が
全国でも通じるという思い込みなのですね。

伊藤朱美(事務職)
伊藤朱美(事務職)
私はどちらかというと、自分の使う言葉が方言かどうか、疑うのは得意です。

分かりやすい、語尾に付く方言

次に、私自身が方言を抜いてきた経緯についてです。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

私はアナウンサーという職業柄、
意図して方言を話す時以外は、

常に標準語アクセントであることを
目指しているのですが、

もともとローカル出身ですので、
方言を抜く、という経験を経てきました。

私は愛知県三河地方の生まれで、
尾張地方の名古屋市の大学に入り、

愛知県の放送局で
アナウンサーになりました。

三河地方と尾張地方は隣同士ですが
方言がかなり異なり、
大学入学時に恥ずかしい思いをしたこともあります。

三河地方には東海道の海沿いに分布する
「じゃん」「だらあ」などを語尾に付ける方言があります。

横浜の言葉などとして知られる「じゃん」は
実は東海道沿いの人々が昔から使っているものです。

カッコつけて言っているわけではないのですね。

「だらあ」は「・・でしょ?」という意味で、
三河の東隣の遠州や、信州などでは
「づらあ」と言ったりします。

この手の「語尾」につく方言
その地方の言葉の特色が色濃く出ますよね。

とても表面的でわかりやすい方言ですから
言葉に敏感になればすぐに直せるものでした。

伊藤朱美(事務職)
伊藤朱美(事務職)
どこかの地方の方言を真似たりするときはだいたい、語尾ですよね。

いかにも標準語っぽい方言もある

語尾の方言は、お国言葉の代表格ですよね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

続いて
地元でしか使わない単語があることも気がつきます。

例えば、皆さんなら、
沼などに足がズブズブとめり込んでしまうことを
なんと言いますか?

私は子供の頃「ふんごむ」
と言っていたのですが、

これは三河弁であることがわかりました。

「ふんごむ」というのは
おそらく踏み込むからできた言葉でしょうから、

かなりもっともらしいのですが
実は方言だと分かり、驚いたものです。

大学では放送サークルに入りましたので、

その後は
共通語と方言の違いについて
かなり神経質に取り組みました。

その地域にしかない単語を
共通語に直すためには、

人と話して、
自分でそれと気付くしかありません。

私はサークルに入っていましたから
先輩などの仲間から教えられることが多く、助かりました。

さきほどの「ふんごむ」も、
他の地域出身の人と話していて初めて、気づいたことです。

慣れてくると
これは方言ではないかと
なんとなく嗅ぎ分けられるようになるものですが、

まるで標準語のように、
もっともらしい方言もありますよね。

学校で、
掃除の時間に、
仲間同士で机を持ち上げて、移動させる時。

友達に対して、

「机(の、そっち側を)つって!」
と言ったりしていたんですが、

他の地域では、
さげる、とか、運ぶ、でしょうか。

吊り下げる、
という言葉はありますから、

「机をつる」は、
いかにも標準語っぽい語感だったんでしょうね。

今に思えば、
ほのぼのとしたエピソードとして思い出されます。

また、同じものの呼び方が、地域によって違う、
モノの名前の方言は、多いですよね。

例えば食べ物なら、そちらのほうが美味しそうに聞こえたり・・

これも読んでみて!  「話す場所」の特性を活かした話し方

標準語だけで生きるより、
方言経験があったほうが、

言葉に対する思い入れも違うはずですし、

人間としての
深みや温かみのようなものも、

そこはかとなく感じさせてくれます。

標準語を話すために、
一旦は身体から抜いた方言も、

たまに思い出してみるのも、
悪くないかもしれませんね・・

伊藤朱美(事務職)
伊藤朱美(事務職)
いかにも標準語っぽい方言、私はまだ知らないままのものもあるかも・・
そういう方言をすべてやめる必要もないとは思うのですが、肝心な時に「なにそれ?」という事態は避けたいですよね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー
【当サイトの記事内容を参考に二次利用される方は、必ず出典元としてサイト名とURL「話し方のコツ、心技体 https://kumagaiakihiro.com」とご明記くださいますようお願いいたします。】
 
◆面接、説明、スピーチ、会話で堂々と話すために、どこをどう変えればいいか?コツをお伝えします。
◆うまく話せるようになりたいのに、話す時間・機会が少ない方。ビデオ通話から始めませんか?