人気者の話し方は、感情表現が吹っ切れている


魅力的な話し手は感情表現が上手い

平井裕一郎(銀行員)
平井裕一郎(銀行員)
感情表現と言いましょうか、そもそも話したいことがあまりないんですよね・・
そういう方、結構いらっしゃるんです。経験や知識が感情と紐づけられていないと、話したいことにならないんですよね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

話し方が魅力的な人に共通する要素として、

「感情を織り込むのが上手」

というポイントがあると思います。

ごく簡単な例として、
ある日の出来事を、聞き手に伝える場面で、

こういうことがあって、
ああいうことがあって・・

と、
事実を羅列するだけの話より、

こういうことがあって「びっくり」、
ああいうことがあって「嬉しかった」

と、
その出来事について、
自分はどう感じたかを付け加えたほうが、

話の面白みが格段に違うと思いませんか?

事実の羅列だけの話が、
無味乾燥に聞こえるのに対し、

感情を織り込んだ方は、
話に彩りが加わったのを感じられるはずです。

もっとも、事実の羅列だけの言葉でも、
声色を使って、

「こういうことが、あったんだよ~ッ!」
と彩りを付け足すこともできますが、

それは声色で感情を込めているわけですから、

その言葉を付け加えたのと
ほとんど同じ意味がありますし、

さらに、

声色だけを使って感情を表現できれば、
直接的な感情表現の言葉を発しなくて済むというという側面もあります。

「こんなことがあったんですよ~↓」
と、嫌そうに言えば、

嫌だった、というネガティブな発言をしなくても、
あぁ、嫌だったんだな、と

聞き手に「示唆」することができますよね。

これは、
前回ご紹介した、音声による表現力の一例です。

平井裕一郎(銀行員)
平井裕一郎(銀行員)
事実などを把握するのは得意なんですが、それが話にならないのは、感情との紐づけがないから、だったんですね。

◆この記事の著者がビデオ通話で個別指導、ご相談は1回から承ります。
◆すぐに変化が実感できた。受講体験者の感想はこちら

感情を表すことのメリット・デメリット

話したいことがいっぱいある人は、普段から見聞き経験することを、感情と一緒に記憶しているから、話しネタにすることができるんです。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

一方で、

度が過ぎた感情表現は、
聞き手をうんざりさせる恐れもあり、

その織り込み方の「さじ加減」が難しいですよね。

感情的な発言をし過ぎて、
後で後悔した経験は、

誰しもあるのではないでしょうか。

では、

感情を表現することのメリットと、
それが上手くいかなかった場合のデメリットを

考えてみましょう。

まず、
感情表現を「することのメリット」は、

・共感を得やすい
・自分の人間性、人柄をいち早く理解してもらえる
・話の面白みが伝わる
・相手と自分との距離を縮める
・相手の緊張やその場の雰囲気などを和らげる

など、

また
感情表現「しないことが招く事態」としては、

・何を考えていてどう思っているのか伝わりにくい
・論点や結論が不明瞭になる
・話がつまらない

などが挙げられます。

逆に、
感情表現「することのリスク」としては、

・誤解を招きやすい
・公平、中立性、客観性を欠く可能性がある
・相手やその関係者を傷つけることがある
・自分との考え方や価値観の相違が明確になり過ぎ、
逆に相手との距離を作ってしまう恐れもある
・感情の表し方や程度によっては不快感を与える

などの事態も考えられます。

平井裕一郎(銀行員)
平井裕一郎(銀行員)
しないことが招く事態、私に当てはまるなぁ~

感情表現は、話し手の「存在感」を強くする

もちろん、感情表現するリスクを回避できている人は、それがその人の人柄として、長所にもなり得るのですが・・
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

このように、

感情をあらわにするということは
諸刃の剣であることも認識しておく必要があるのですが、

かといって、

誤解や不快感を与えないだろうか、
と気にしすぎて、

感情を表に出せず、

せっかくの個性を台無しにしてしまうのも、
もったいない話です。

急に人気が出たタレントさんが
こんなふうに発言することがあります。

ブレイクしたきっかけは、
「吹っ切れた」こと。

この「吹っ切れ」こそ、

感情を上手く表に出せるようになった、
ということに他なりません。

感情表現は、
個性、存在感を強くするのですね。

平井裕一郎(銀行員)
平井裕一郎(銀行員)
そういえば、自分自身でリミッターというか、歯止めをかけているようなところもありますね。

角が立たないよう感情表現するには

安易に感情表現しない慎重さも、大事ですけどね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

ただし、
タレントさんのテレビなどでの発言はともかく、

日常生活での人間関係も
うまく維持していきたい私たちとしては、

あまり角が立つような物言いは、
避けたいのも事実です。

そんななかで、

「吹っ切れた」感情の表現ができるようになるために、
大切なことは、ふたつ。

基本は、
誰に対しても、どんなときでも有効な、
質の良い感情表現を心がけること。

まずは、

自分の口からポーンと、

喜びや感謝や感動など、
ポジティブな感情表現がすんなり飛び出す体質になりましょう。

そのうえで、

どうしても、
辛口、ネガティブ発言をしたいときは、
状況をきちんと把握すること。

そしてその状況に応じて、
自分できちんと、
「程度」をわきまえる線を引くこと、

だと思います。

つまり、

誰に対して話すのか?
話す前にきちんと自覚せよ、ということです。

腹がたったことや、
批判はもちろんのこと、

何か、誰かの価値をおとしめることによって、
笑いを取りたい時など、

今、話しているこの相手には、
どのぐらいの強さの言葉を投げかけても大丈夫なのか?

その一線を
明確に意識する必要があると思います。

これも読んでみて!  「滑らない話」の話し方

これに失敗すると、
上記の、感情表現によるリスクが現実化してしまうわけですね。

それができないなら、
基本は、ポジティブに。

ポジティブな言葉の選択だけでも、
人間は個性的な発言をすることができますから、

まずはそれを極めてみては
いかがでしょうか。

平井裕一郎(銀行員)
平井裕一郎(銀行員)
う~む、感情が湧かないのは、ネガティブ感情に支配されるのを避けていたからのかもしれません。どんな自分でありたいのか?自分と向き合ってみる必要もありそうです・・

【関連記事】

自分の話し方の「壁を越えて上達していく」方法
話し方の個性と表現力を磨くには

感情自体を湧かないようにするよりは、湧いた感情を制御したり整えたり、コミュニケーションに適した形にすることのほうが、やりがいのあるテーマだと思いますよ。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー
【当サイトの記事内容を参考に二次利用される方は、必ず出典元としてサイト名とURL「話し方のコツ、心技体 https://kumagaiakihiro.com」とご明記くださいますようお願いいたします。】
 
◆面接、説明、スピーチ、会話で堂々と話すために、どこをどう変えればいいか?コツをお伝えします。
◆うまく話せるようになりたいのに、話す時間・機会が少ない方。ビデオ通話から始めませんか?