「滑らない話」の話し方


「面白くするために、我慢できているか?」

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
プレゼン、報告の機会、多いです!面白くプレゼンできる人って、出世するんですよね~
プレゼン上手が出世する・・おそらくそれは、話して納得させて喜んでもらうということが、総合的な能力に通じるからだと思いますね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

とある、プレゼンテーション。

写真をモニターに映しながら、
過去の仕事を報告するものです。

いつ、どこで、誰が、何を、どのように、どうした。

そういった客観情報の羅列で
報告は進んでいくのですが、

そのプレゼンが聴衆を惹きつけたのは、

そのような客観情報に、
絶妙のタイミングで、

報告者の主観的な見解が、短く付け加えられていたからでした。

時として、それはユーモアであったり、
皮肉であったり、
提言であったり、
示唆であったり。

聴衆はそれを楽しみに、
客観情報を「前振り」として聞くわけですね。

客観情報に付け加える主観的な見解というのは、

いつ、どこで・・などといった、いわゆる5w1hのそれぞれの要素を
もう一段階、掘り下げたところに存在しています。

「なぜ」
その時、その場所、その人、そのように、そうした、のか?

あるいは、

それらについて、
「その時どう感じたか?」「それを今、どう思うか?」

という、
話し手の意志が反映された要素です。

もっとも、
客観情報だけを並べて、面白い、というケースもあるのですが、
それは「並べ方」のなかに、話し手の意図が込められているところが面白いから、
なのだと思います。

いずれにしても、

話の面白み、というのは、
そういうところにあるわけで、

あとはそれを、
どこまで面白くできるかという度合い、深みの問題になってきます。

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
客観情報を前振りにして、主観的な話で一歩踏み込んでいるから、面白いんですね。

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話が面白くならないのは、なぜか?

主観を織り込むと、そこで個性が出ますよね。それが存在感になっていくんです。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

話が面白くない人、とは、
大きくふたつに大別されると思います。

それは、

自分の話なんか・・と卑下しているのかどうなのかはわかりませんが、
何らかの自分の意志を表すのが苦手な人。

もう一方はその反対に、

私は私は、と
自分のことを押し出しすぎるタイプ。

やはりそこも、
バランスとメリハリが大事なのですね。

その人の意志が反映されていない話が面白くないのはともかく、

私は、と
自分のことをきちんと打ち出しているのに、
話が面白くならないのは、なぜなのでしょうか。

それは、

主観的な発言には、
「説得力」が必要だからだと思います。

主観的な発言をきちんと面白い話にすることができる人は、

その主観を語るに至るまでに、
こつこつと客観情報を積み上げて、説得力を備えるのが、上手いのです。

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
主観を撒き散らすだけでは、ただの嫌味になってしまいますからね。これは要注意です。

「滑らない話」は、なぜ滑らないのか?

ひとつ、わかりやすい事例をご紹介しますね。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

「すべらない話」というテレビ番組があります。

お笑い芸人さん達が、
どこで話しても必ずウケるという、いわゆる鉄板ネタを披露しあう番組なのですが、

彼らの話の共通点は、

笑いに至るまでの時間を、
こつこつこつこつと、客観情報を語ることに費やしている、ということです。

最終的に笑ってもらうための、土台、伏線を張るためのトークが
その話の大部分を占めているのです。

その土台、ロケットの発射台が高ければ高いほど、
最後の笑いが、大きく、
ロケットは遠くまで飛びますから、

できるだけ、高い発射台を築くために、
我慢しながら話すのです。

そして、
話の「オチ」というロケットが発射されるや、

なぜ?
そして、どう思った?
という主観的な発言を繰り出します。

これが、
話を面白くするための、話し手の演出です。

逆に言うと、私は私は、
と、普段から押し出しが強い人の話が、面白がられないのは、

客観情報の積み上げが少なく、
説得力がないから、なのですね。

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
滑らない話、最初のほうの淡々とした説明からワクワクするんですよね。後にオチが待っている期待感もありますから。

重要な聞かせどころのために、我慢する

滑らないことが前提ですから、聞く側も我慢できるんですよね。会社のプレゼンに置き換えると、発表者のキャラクターが鉄板だから、この説明の後にオモシロコメントがあるに違いない、というワクワク感と同じだと思います。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

伝えたいことを思い通りに伝えるために、

内容の重要度によってメリハリをつける、ということは、
前回説明しました。

その、重要な話、というところに、
今回の、主観性と客観性、という考え方を加えてみましょう。

上記のすべらない話における「オチ」は、
別に、笑うためのものでなくてもいいのです。

重要な聞かせどころ、ということです。

これも読んでみて!  話し方の個性と表現力を磨くには

その重要な聞かせどころを
効果的に伝えるために、

客観情報をこつこつと積み上げる。

これは、
ある意味、我慢なのですが、

話の面白い人は、
我慢しながら、話を面白くする演出をしているのだ、と考えると、

我慢していない自分の話が、面白くないのも当然か、と
その姿勢を改めることができるかもしれません・・

服部大輔(入社3年目)
服部大輔(入社3年目)
コツコツ積み上げて、発射台を高く!ですね。話を面白くするための我慢、肝に銘じたいと思います。

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くまちゃんアナウンサー
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