「音声化する前に、構成を思い描く」

頭の中のイメージを
言葉にするのは、

とてもまどろっこしいことです。

イメージは一瞬ですが、
それを音で表すには、時間がかかるからです。

それによって、
早く言い切ってしまいたいというストレスが生まれ、

早口になったり、
言い間違えたり、
最適な言葉の選択を誤ったり、
より効果的な話し方ができなくなったり、

するのですね。

そういった傾向を改善するためには、
まず、

大事なことは、
注意深く言う習慣をつけることが大事、

という話を、
前回お伝えしました。

よく伝わる話し手になる一番の近道

今回は、
そういった心構えに基づいて、

具体的に、
どういう話し方を取り入れるのが効果的なのか、

考えていきましょう。

 

イメージを順番に言葉にしてしまうから、話がわかりにくくなる

早口で困る人、
話が長い人、
何を言っているのか自分でもわからなくなってしまう人、

にありがちな事例として、
話を次々とつなげ過ぎるという一面があります。

「・・でありまして・・・ということもありまして
・・なんですけれども・・・だったんですが・・で、こう思ったんです。」

このように、
例示であろうと、結論だろうと、

並列的につなげてしまったり。

これは、
脳内のイメージを、

思いつくまま順次、
言葉にしてしまっている状態です。

「頭の中のイメージ」と、その「音声化」の間に、

「構成をイメージする」という、
もうひとつの段階が欠如しているのですね。

早口とか、
話をつなげ過ぎる、という症状は、

実は表面的な欠点で、

この「構成のイメージ」という段階を経ていないことが、

話がまとまらず、
要点が伝わりにくい、

つまり、
面白くない話の原因になっているのです。

このような、
脳内のイメージを順番に言葉にするような話し方は、

聞き手にどう思われているのでしょうか?

いまどきの漫才風に表現すれば、

「・・でありまして・・・ということもありまして
・・なんですけれども・・・」

と言っているうちに、

「長いわ!」
と言われます。

あるいは、
「で、こう思ったんです」と締めたところで、

「結局それだけかよ!」
というツッコミが入ります。

面白くない話の典型ですよね。

 

まず構成をイメージするにはどうすればいいか

では、その「構成をイメージする」
という段階を、

どのように設ければいいのでしょうか。

スピーチのように、
あらかじめ構成を考えていける場面では、

紙に書いていけばいいわけですが、

日常会話などの生のトークにおいては、
話題はその時々で移り変わるものです。

そんななかで、
自分の脳内にあるイメージを、

いかに構成しながら、
話していくか?

ポイントは、

目先の言葉の連なりを意識するのではなく、

話を、
ざっくりした「小さなテーマの塊(かたまり)」の連なったもの、
と認識することと、

一番効果的な言葉を、
先に言うこと、

の2点です。

 

一番効果的な言葉を探す

例えば、
勤務先のビルから外へ出ようとしている時に、

来客と思われる人から、

受付窓口はどこですか?
と尋ねられた場合。

「あそこの突き当りを左に行きまして、
そこにエレベータがありますので、それで3階へ上がりまして・・・」

これは、
頭に浮かんだイメージを、

そのまま順次口に出してしまい、
目先の言葉に追われている状態です。

これでは、
まだまだこの後も、

話さなければならない言葉が湧いて出てきそうですね。

これに対して
一番効果的な言葉は、

「(受付窓口は)3階ですよ。」

このひとことで、
用は足りると思いませんか?

そして、
ここで相手の反応を見ながら息を吸います。

お客さんはもうこの言葉ひとつで、
納得してさっさとその場を後にするかもしれませんし、

まだ情報が足りなそうであれば、
説明は後から、状況に応じてすればよいのです。

「向かって左手奥にエレベータがありますからね。」

と、
このような話し方になるはずです。

ちなみに、前回の主題である、
大事なことを注意深く言う、という点においては、

この「3階ですよ」を、
しっかり確実に言う意識、ということになります。

 

説明は後から自動的に付いてくるもの

このような、
一番効果的な言葉を探す瞬間こそ、

「話の構成をイメージする」段階なのです。

そして、
「効果的な言葉+その後の説明」をワンセットとして捉えること。

つまり、この例で言うと、

受付窓口は3階にある、
そこに行くためには左のエレベーターを使ってね、

というのが、小テーマの塊です。

ここではこれで
事足りてしまいましたが、

日常会話を始めとする、
生のトークでは、

こういった小テーマが連続していくわけです。

別の言い方をすれば、

「説明は自然に後から付いてくるもの」
ということ。

一番効果的な言葉は、
修飾語や説明を自然に誘発させるものですので、

始めから緻密に説明しなくちゃ、
と躍起になる必要はないのです。

「説明は後からでいい」ので、

効果的な言葉を見つけて、
それを一撃で伝えることに集中することが、

なにより肝要であると心得ましょう。

そして、
こうした一番効果的な言葉を探す習慣が身につくと、

それら「小さなテーマの塊」を
どういう順番に話すのが効果的なのか?

話全体の構成を思い浮かべる余裕が生まれてきます。

話の面白い人は、
話を行き当たりばったりでしているのではなく、

ある程度、
面白くなりそうな演出としての構成、話の順番を、

「話しながらイメージ」しているものです。

話す前に構成を考える、というテーマは、
こちらの過去記事も参考にしてみてください

話す直前に構成を考えるコツ