話す直前に構成を考えるコツ
話の聞かせどころが無ければ、構成なんてできるわけがない


有能な話し手は、
プランを持って話し始めることができるものです。
逆に、
話に聞き応えのない人は、
ノープランのまま、話し進めてしまいます。
プランとは、
その話をどんなふうに聞かせるのか?という作戦のようなもので、
それは、
話の構成として反映されます。
では、
話をするときの作戦とは、
どのように発案すればよいのでしょうか。
人前で話をする時、
もちろん事前の準備ができる時もあるかもしれませんが、
話すという行為はライブであり、
変化し、移り変わるほうが、当たり前です。
そんななか、
話の面白い人は、
話を面白くする構成を考えながら話をしています。
どんな雑談だろうと、
「この話は面白く聞かせてやろう」
と思った瞬間に、話のプランを思い浮かべるものです。
ポイントは、
「その話の聞かせどころ」を中心に据え、
それを聞かせるために必要な要素を付け足す構成を、
絵画や図のように、一瞬で思い描くこと、
だと思います。

聞かせどころを上手に聞かせるための演出が、構成である

「この話は面白く聞かせてやろう」
と思うことそれ自体が、話の中心です。
でも、その話を効果的に伝えるためには、
そこに至るまでに、事前に聞かせておきたい情報があるはずです。
つまり、
聞き手に対し、ある程度の予備知識を与えておく必要がある、ということです。
それが話の理解を深めたり、
オチへの伏線になったりします。
面白い話ほど、
周到なのですね。
しかし、
それらを一瞬で思い描くのは、難しいと思うかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、
「なぜでしょうか?」
「ところが・・」
「例えば・・」
「実は」
「結局」など
接続的な意味合いを持つ言葉だけで話を構成し、
それを「表のように思い浮かべてみる」というやり方です。
例えば、
「なぜでしょうか?」の答えは「その理由」
「ところが」の後には「否定的な事柄」
「例えば」の後には「具体例」が、必ず続くものですから、
その言葉を思い描くだけで、
その後の話がすんなりと続くようになるわけですね。

話の構成を「図表のように」イメージする方法

「Aさんが、こんなことを言った」という話をしよう、
と思い立ったとしましょう。
Aさんという人が、
意外にも、なのか、
またしても、なのか、
あるいは、
こんなことを言ったけど、○○!
なのか、
それによって、
話のプランは変わってくるはずです。
例えば、意外にもこんなことを言ったのであれば、
「あのAさんが!」
という点が主題になり、
「Aさんと言えば・・」
という予備知識を与えておき、
「例えば・・」
と、その普段の言動の具体例、エピソードを挙げ、
「ところが!」
と展開することで、その意外さを効果的に表現することになるわけですね。
そのためには、
「こんなことを言った」という種明かしを、
後々までとっておくという構成にしなければいけないのですが、
ノープランで話し進めてしまうと、
肝心な部分を、先にバラしてしまったりするわけです。
だからこそ、
・Aさんといえば
・例えば・・
・ところが!
と、図表のように思い描いておくのです。
その差は歴然ですね。

構成を図表のようにイメージできると、話し方が戦略的になる

また、このように、
話す前に構成を思い浮かべることで、
話がスイスイ進められるようになるという
メリットもあります。
例えば、
友人との会話の中で
「言いたい!」と思いついた体験談が二つあったとしましょう。
それを話す前から構成できていれば、
「実は経験が2回あるんですよ・・
1回目は・・・」
と話し始めることができるわけです。
これを
ノープランで話し進めてしまうと、
会話の流れの中で、2つの話が埋没したり、
結局言えずじまいだったりするものですが、
冒頭で、2回あるんですよ、と言っておけば、
聞き手のお友達は間違いなく
「・・で、2回目は・・?」
と尋ねてくれるはずですよね。
話をする瞬時に構成ができれば、
話すチャンスも逃さなくなるのです。
この感覚を持って話すことに慣れると
聞く側の人達は、
「次はどんな話なのだろう?」
「オチはどんなだろう?」
と、
前のめりに関心を示してくれるようになると思います。
このように、
魅力的な話し手になるためには、
瞬時に構成する力、
話の構成を図表のように思い描く力、は不可欠です。
日常的な会話から、
この点を意識してみてはいかがでしょうか。

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