話の構成を、シンプルな設計図にまとめるコツ
「話の設計図を映像化できているか?」


話の上手な人は、
話す時に、自分を制御できています。
そして話す内容も、
「意図的に」展開させることができるものです。
なぜそれができるかというと、
頭の中に
ごちゃ混ぜに思い浮かんでいる話のイメージを、
音声にする前に、
一番面白く相手に伝わるように、
瞬時に構成し、
その「話の設計図」を意識しながら、
話しているからです。
前回までの繰り返しになりますが、
そのように、話す前に構成できるようになるためには、
まず、
説明などのディテールを考え過ぎないこと。
そして、
「話の柱」を、
簡単で効果的な一言で言い表し、
その話の柱を、
「性質別に」並べ替える、
というイメージ。
例えば、
自分の感情が最も高ぶる性質の
「大変だった話」は、
一番最後にとっておこう、
というような具合。
それが、
話の設計図というわけですね。

「話の設計図を作る」頭の整理法

今回は、
そういった「話の柱=小テーマ」を、
並べ替えて話の設計図を作る時に便利な、
頭の整理法についてです。
冒頭の話にもありましたが、
話す前に構成できない人は、
むしろ色々考えすぎてしまう人です。
それに対して、
話の設計図が瞬時に描ける人は、
話をよりシンプルにイメージできる人です。
今回ご紹介する頭の整理法は、
話を極限までシンプルにイメージする方法、
といってもいいかもしれません。
それは、
話の柱=小テーマを
接続詞などで、
性格付けしてしまう、
ということです。
例えば、
並列する事実・エピソードのことを、
「それと」の話、とか
「あと・・」の話、とか。
特筆すべきトピックスのことを、
「ところが!」の話、
告白を伴う話を
「実は・・」の話、
のように、
展開を表す接続詞などの一言で、
イメージしてしまうわけですね。
接続詞などには、
「話の流れを決定づけ、
つなぎの働きをする」性質があり、
この接続詞的な言葉を上手に使うことで、
話の構成を
思い描くことが、ごく簡単になるのです。
文章を書く前、
話の構成を練る際に、
よくポストイットなどを使って、
話の要素を並べ替えたりするものですが、
これはまさに、
頭の中で、
接続詞というポストイットを並べ替える作業をしているのと、
同じことと言えるでしょう。
「まず・・・。」
「例えば・・・。」
「結論から言いますと・・・。」
「ところが・・・。」
「それはなぜかというと・・・。」
「ポイントは3点あります。ひとつは・・。」
余計なディテールまで考えすぎず、
このような簡潔な、接続詞的なワードでイメージできるようになると、
長くなりそうな話も、
頭の中で一瞬にして構成できるようになってくるはずですよ。

話の設計図を映像化して記憶する

そして、
「話の構成のイメージ」を、
さらにもっと簡単にする方法があります。
それは、
接続詞などで構成した話の展開を、
映像化することです。
上記の例で言えば、
「まず・・・。」
「例えば・・・。」
「結論から言いますと・・・。」
「ところが・・・。」
「それはなぜかというと・・・。」
「ポイントは3点あります。ひとつは・・。」
という構成にしたとしたら、
このような接続詞的な言葉の並びを、
それごと映像として
覚えてしまう、
ということです。
そうすることのメリットは、
計り知れません。
まず、
言葉には意味がくっついているものですから、
言葉を言葉として覚えていると、
それだけ脳に負荷がかかります。
それを映像一枚で覚えておくと、
「メモリを食わない」「読み込みが速い」
わけですね。
しかも、
忘れにくい、
という利点もあります。
例えば、
エピソードなどを語っていて、
話が脱線し、しかもだいぶ盛り上がってしまった、とします。
さて、
話を元に戻したいのですが、
どこまで話しましたっけ?
ということ、
ありませんか?
「話の設計図」を
言葉で覚えていると、
復帰までの反応も
時間がかかります。
しかし、
頭の中で「話の設計図を映像化」していると、
自分が話したのはここまでで、
ここから先はまだ話していない、
なんていう状態が、
それこそ「ひと目で」わかるんですね。
例えば、
既に話したところは色が変わっていたり、
これから話すべきところが光って見えたり・・
これは各自の話の設計図の描き方次第なんですが、
そうする習慣ができることで、
頭の中の話の設計図も、
どんどん
自分にとって使い勝手の良い物になっていくはずです。

むしろシンプル化することが大事

話し上手は、
話すべき事項を、
あらかじめ細部まで、
考えたりはしないものです。
むしろその逆で、
極力、簡略化したうえで、
話し始めます。
そして、
いざ話すときになって、
緻密で的確な表現のために、
言葉を選ぶのです。
簡略化された「話の設計図のイメージ」を持ちつつ、
今、その時に集中して、
言葉をひねり出そうとするからこそ、
活き活きとした自分の言葉で、
熱量の高い話ができるわけですね。
このような、
話す時の力の加減、エネルギー配分を、
感覚的に掴んでおくと、
いいと思いますよ。

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