路面販売などの「売上を伸ばす」話し方


「どこで買ってもいいものが、ここで売れるには、どう話せばいいのか?」

環境の特性を活かした話し方のシリーズも、今回から最終章になりますよ。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

4つの分類のうちの4番目、

「外部に開かれていて、
なおかつ、話し手の立ち位置が定まっていない環境」

での話し方についてです。

渡辺友樹(入社2年目)
渡辺友樹(入社2年目)
外部に開かれていて・・例えば、呼び込みしながらの商品販売とか、僕も可能性がありますね。

外部に開かれていて、かつ、話し手の立ち位置が定まっていない環境で話すこと

メリット・デメリット

まずはこれまでのように、

このような環境で話すことの、
メリット・デメリットから考えます。

メリットは、

・話を聞かせる対象者が、無限大に広がる可能性があること
・プレッシャーが少なく、自由に話せること
・たくさん動けること、
・聞き手とダイレクトに接触でき、
・聞き手と同じ目線で、親しい関係を築くことができること

デメリットは、

・注目が集まりにくいこと
・声が届きにくく、意味内容が正確に伝わらないおそれがあること
・聞き手の「聞く集中力」、話への参加意識が低いこと
・話し手が、コンディションを良好に保つのが難しいこと

具体的には、

ナレーターコンパニオンや売り子さんなどが
想定されます。

また、
ステージのないストリートパフォーマンス等の場合も同様だと思います。

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その状況で、やるべきこと2点

状況が決まっていますから、その枠内でやれることを考えます。何ごとにおいても、効率の良い考え方ですね。
くまちゃんアナウンサー
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このような状況で、
やるべきことを集約すると、

2点に絞られます。

それは、

・注目を集めること
・言葉を個別に届ける意識を持つこと

です。

渡辺友樹(入社2年目)
渡辺友樹(入社2年目)
なるほど、まず決まっている状況を分析すれば、自分がやるべきことが見えてきますね!

注目を集めるために、やれること

まずは
「注目を集めること」について。

これまで、
話す環境の特性を活かす話し方の記事シリーズのなかで、

「ステージや立ち位置が持つ意味合い」について、
何度も言及してきましたが、

ステージというのは、
その出し物に注目を集めるための、

最も基本的な演出なのですね。

そのステージが無いのは、
かなり大きなハンデとも言える状況です。

そんな時に
どうすればいいのか?

それは、
自分なりのステージを整備することです。

地面より一段高い場所を勝手に作るのは、
なかなか難しいと思いますが、

人の注目を集める「拠点を整備する」と考えれば、
それは誰にでもできることです。

その拠点は何かというと、

「自分の話の中心になるべきもの」
だと思います。

そういう環境で話す人には、
話す目的があるはずです。

その目的の対象こそが、
自分の話の中心になるべきものです。

角度を変えた言い方をするなら、
「売り物」ということです。

つまり、
自分にとって何が売り物なのかを把握したら、

それを「ステージとみなして」、
自分の出来る限りの力で、その拠点を整備することです。

例えば、
その売り物が、本当に何らかの「物」である場合は、

わかりやすいですよね。

その商品が置かれたワゴンなどを中心にして、
目立ちやすいステージを自分なりに作ることです。

ストリートパフォーマンスなどにも、
同じことがいえます。

歩道に座ってギターを弾く場合、

ただ座って弾いているだけよりも、
誰々の、どんなギター演奏かを描いた「看板」の前で演奏するほうが、

断然注目が集まるはず。

自分なりのステージを作る、というのは、
そういうことです。

渡辺友樹(入社2年目)
渡辺友樹(入社2年目)
舞台が無くても、どこをステージと認識するかは、戦略の出発点なのですね。

行く人々に訴えかける話し方

こういった環境を整えたうえで、
声を上げて呼びかけるわけですが、

まず、
声は大きいに越したことはありません。

その声で
その「ステージ」の存在に気付く人は確実に増えるからです。

と、
そんなこと、言われなくても、

漠然とした街、世界に向かって、
呼びかけるのが使命なら、

おのずと声は大きくなりますよね。

大事なのはそこからです。

オープンスペースでの話し方の時にも触れましたが、

流動性の高い聴衆に対する話し方では、
「あ、それ、自分!」と思えるような、

ちょっと絞り込んだ言い方が、
人の足を止めるんですね。

例えば、
携帯電話の販売で、

よく
「月額○円から?」とか、
「いまならキャンペーン価格?」などと、

その商品について
漠然と連呼しているのを、よく見かけますよね。

もちろん、
それに関心のある客にとっては、それだけで充分なのですが、

売上を伸ばすなら、
もう少し、その情報で気持ちを揺さぶられる対象者を増やしたいところですよね。

そのために、
「あ、それ、自分!」と思えるような表現をするべきなのです。

「ご通行中の皆様」
と呼びかけるよりは、

「今、A社のスマホをご利用の方!」
と言ったほうが、断然、

自分にとって、
何かいいことがありそうな話だと、思いますよね。

もちろん、
A社と言ってしまう以上、

例えば
A社と比較して、こちらのほうがどう良いのか?

同時に
一言でまとめて呼びかける必要もありますから、

話し手は、
そこまで準備しておかなければなりません。

渡辺友樹(入社2年目)
渡辺友樹(入社2年目)
あ~これは!つい「皆さん!」みたいに、漠然と呼びかけちゃいがちです。

言葉を「相手の気分に同調させる」

聞いた人が、あ、自分!と感じてもらえるには、どういう気持ちでいればいいか?という問題です。
くまちゃんアナウンサー
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また、
時間の経過によっても、

呼びかける言葉を絞り込むことができますよね。

こういった、
漠然とした呼びかけでは、

つい、
商品のスペックだけを連呼しがちです。

「旬のフルーツをふんだんに使った、焼きたてデニッシュ、いかがですか~」
でも、充分にそそられるのですが、

これも、
修飾語を多用しているとはいえ、

スペック連呼に過ぎません。

時間の経過状態によって絞り込むなら、

例えば、
「ランチに、デザートに、いかがでしょうか~」
と付け加えたらどうでしょうか。

「あ、そうしようかな」
と思う人が増えますよね。

言葉を絞り込む、というのは、
このように、

言葉を、
聞き手の気分に同調させることでもあるわけです。

渡辺友樹(入社2年目)
渡辺友樹(入社2年目)
聞かせる相手の気持ちになって話すと、言葉の絞り方も変わってくる、ということですね。

「情を通わせる」工夫

そしてさらに、
聞き手と同じ目の高さで話せて、

自由に動けるというメリットも、
大いに活用したいところです。

自分なりのステージを作って、
大きな声で呼びかけることは、

むしろ、

個別に話をするためのきっかけ、
ぐらいの理解のほうがいいかもしれません。

こういった環境では、

個別に接触できる聴衆こそが、
最大の顧客になるからです。

もちろん、
詳しく説明して、
いいポイントをアピールできるということもありますが、

なにより、
個別に接触することで、

「情が通う」からこそ、

他所で買っても構わないものが、
ここで売れるわけですね。

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その後は、
一対一による、説明と商品アピール次第で、

聞き手が、買う人になる、という高い壁を、
突破できるかどうか、

ということになります。

その話はまた、
次回に。

渡辺友樹(入社2年目)
渡辺友樹(入社2年目)
話してすぐに情を通わせるのがうまい人、いるよなぁ~きっとこういうことを、自然とやっちゃうんでしょうね~

相手にとって、その場だけでも特別な存在になる必要があるわけですから、少しでも何か特別なやり方、言い方をしないといけないのは、当たり前のことですね。
くまちゃんアナウンサー
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