より多くの人に効果的に伝わって、できれば好きになってもらう話し方
聴衆を増やす、人が足を止める話し方

さてここからが本題です。
目的意識がなく、
たまたまそこにいる人々、
あるいは、
歩いて通りかかっている人が足を止めて、
こちらの話を
「聴いてみようかな」と思ってもらうには、
どう話せばいいのか?
それは、
その人にとって、
「足を止めてでも、聴く価値がある、
と認識されること」
だと思います。
聴く価値というのは、
なんらかの発見・気づきがある、
知識が増える、
気持ちがいい、
楽しい・・
などの理由で、得をする、
ということです。
ですから話し手はまず、
不特定多数の人々の得になることを言おうと、
常に意識していることが必要です。

聞いた人が「特別感」「得」を感じるように話す

そして、
得になる、というのは、
自分にとって特別である、ということです。
例えば、
ステージで不特定多数を前にした時に、
話し手は、ついつい、
「みなさ~ん」
なんて呼びかけてしまいますよね。
確かに話し手にとっては皆さんなのですが、
お客さん一人ひとりは、
「自分は皆さんじゃない」と思うでしょう。
もちろん、
こういう場になんとなく居る人間は、
自分も皆さんなんだろうな、と漠然と認識はしているのでしょうが、
そのお客さんにとって
その呼びかけは特別じゃないんです。
だから響かないんですよね。
不特定多数に「皆さん!」と呼びかけても、
人は振り向かないのです。
では
なんと呼びかければ、不特定多数は振り向くのか。
それは、
「あ、それ、自分」
と思える言葉を使うことです。
「皆さん」では振り向かなかった人も、
「今、半袖シャツを着ていらっしゃる方」
と言われたら、
「あ、自分」
って思いますよね。
このような呼びかけに限らず、
話の内容においても、
言い方をちょっとだけ絞り込むことで、
聴衆ひとりひとりにとって、
ちょっと特別な気分を与えることが出来るようになります。
これが、
不特定多数の観衆、聴衆に対する話し方のコツなのです。

