「全体を見渡しながら」話す効果
『「どこかの誰か」に向かって話すより、「あなた」に向かって話す意識』
「全体を見渡すこと」の効果も、
計り知れないものがあります。
どういう状況で、どれだけの人々に向けて
話をしているかを認識することで、
それに適した話ができるからです。
簡単な例では、
聴衆がふたりの時と、
人数が増えて20人になった時では、
「おふたり」あるいは「みなさん」と、
聞き手の呼び方から変わるべきですよね。
状況の変化に臨機応変に対応した、
良い話ができるかどうかは、
全体を見渡す広い視野があるか、
に、かかっています。
また、視野の広い人は、
堂々として見える、というメリットもあります。
全体を見渡しながら、個々に目を合わせる
そのうえで、
個々に目線を合わせること。
時間は短くても、
「あなたに話していますよ」
という気持ちを伝えるため、
そして、
相手が能動的に話を聞いていることを
確認するため、
どのぐらい話が伝わっているか、
どのぐらい満足してもらえているかを感じるため、
目を合わせましょう。
また、その副産物として、
話すターゲットを具体化することで、
話し方自体が変わってきます。
原稿丸読みだった話し方が、
いつしか、
活き活きした、力強い言葉や表現が、
できるようになります。
「どこかの誰か」に向かって話すより、
「あなた」に向かって話す言葉のエネルギーが強いのは、
当然のことです。
ですから、
より伝わる話をするために、
話すターゲットを定める、
そのために、目線を合わせる、
という考え方もできるわけですね。
聴衆が多い場合は「お得意様」を作るのも一手
また、
多くの聴衆と目線を合わせるのと同時に、
目線を合わせる「お得意様」を作る、という手法もあります。
ターゲットにすると話が弾みそうな人物に狙いを定めることで、
自身のテンションが上がり、
話をより魅力的にできる、というメリットがあります。
いっぽうで、
「ひいき」をし過ぎると、他の聴衆が白ける、というデメリットもあります。
このターゲットの定め方として、
その場の雰囲気を高める人物、
是非取り込みたい人物、
あるいは、ちょっと引き気味の人物を狙う、
という手もあります。
聴衆のなかにもキーパーソンがいますからね。
そういう人を話に引き込むことで、
全体の「聞くモチベーション」が
高まっていくわけですね。
そう考えますと、
聴衆と目線を合わせるというのは、
自分の話が盛り上がって、相手に良く伝わる、
という環境を、
自分で整備することでもあります。
なぜかいつも、話が盛り上がる人と、
良い話をするのに、盛り上がらない人。
その違いは、
こういうことからも、生まれているものなのですね。
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