話す時の体の動き、ゼスチャー、身振り手振りの見せ方のコツ


体の動きを「意図的に」使えると、表現力がアップする

鈴木一朗(コンサルタント)
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人前で話すとき、どの程度、体を動かしたらいいのか、とても気になっていました。
まずはその動きが、聞き手にどういう印象、影響を与えるか?を知ることが大切ですよ。
くまちゃんアナウンサー
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人前で話すときの「自分の見た目」について、

まずは、
体全体の見え方に絞って、まとめています。

ポイントは
大きく分けて、5つ。

1、良い姿勢であること

2、力が入りすぎていないこと、抜けすぎていないこと

3、できるだけ相手に正対していること

4、動きを見せることを意識すること

5、「印象の良い動き」を心がけること

これまで
1~3について、お話ししてきました。

今回は、4、
「動きを見せることを意識すること」について、です。

鈴木一朗(コンサルタント)
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基本姿勢ができたうえで、意図的に動きを見せることを考えるわけですね。

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聞き手は、話し手の体の動きをどう見ているか?

知らず知らずに悪い印象を与える動きをしている場合もありますよね。そこからチェックしてみましょう。
くまちゃんアナウンサー
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人前で話す時に、
体はどうしていたらよいか?

おそらく、
気にせず成り行きに任せている人が
ほとんどなのではないでしょうか。

話の内容こそが大事な時に、
体の動きまで注意できる人も少ないでしょうし、

そのことで気が散ってしまっては、
元も子もありません。

ただ、

聞き手が、
話し手の体の動きをどう見ているか、は、

知っておくといいと思います。

まず、

聞き手は
話し手の体の動きを、

全体像として
雰囲気で捉えています。

速いか、遅いか

大きいか、小さいか

どの方向に向かっているか

軽いか、重いか

力が入っているか、力が抜けているか

どういう感情がこもっているか

など・・

それによって、

その話し手、その話の性質とその時の状態を
なんとなく把握できるものです。

鈴木一朗(コンサルタント)
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なるほど、緊張感や本音などがバレバレになっているかもしれないですね・・

自分がなりがちな体の動きを知ろう

では、その動きが聞き手にどういう印象を持たれる可能性があるのか?具体的に考えてみましょう。
くまちゃんアナウンサー
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こうした体の動きは、
表裏一体の意味を持っていて、

プラスにもマイナスにも作用します。

・動きが速い

キビキビ、迅速、活動的⇔落ち着きが無い、思慮に欠ける、軽はずみ

・動きが遅い

落ち着き、思慮深い、安心感⇔反応が鈍い、行動力に欠ける、

・動きが大きい

雄大、器が大きい⇔誇大、大雑把

・動きが小さい

繊細⇔神経質

など。

体全体の動きを、こうしよう、と意図するよりは、

自分がなりがちな動きを知り、
そうならないように気をつける性質のことだろうと思います。

鈴木一朗(コンサルタント)
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表裏一体ということは、同じような動きでも、どちらの印象を持たれるかわからないわけですね。

言語と同じ働きをするゼスチャー

そうですね、同じような動きでも他の要素や総合的な判断が働いて、好き嫌いが分かれる場合もあるでしょうね。
くまちゃんアナウンサー
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いっぽう、

話の内容に合わせるように、
意図的に動く、

という性質のものもあります。

身振り手振り、とか
ゼスチャー、などと呼べるものです。

身振り手振りの中には、

「言語としての意味を持つもの」と、
「雰囲気だけを伝えるもの」が存在します。

例えば、

両手のひらを上にして、
肩をすくめれば、

どうして?
意味がわからない、という抗議の意として、

最近では
日本人の間でも使うようになっています。

両手を上に挙げれば、
バンザイ、なのか、
お手上げ!なのか、

これはその時々、
話の流れにもよるでしょう。

手を横に何回か振れば、
ノーノーノー。

人差し指を口に当てれば、
しゃべらないで!と、静寂を求めるポーズ、

ガッツポーズは、
がんばる、闘う、歓喜、などの意味を込めるものですね。

まさに、
ボディーランゲージ。

このような
ほぼ言語に近い働きをするゼスチャーは無数に存在します。

鈴木一朗(コンサルタント)
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ほとんど意味が固定されている動き、ということですね。

話を効果的に伝えるためのゼスチャー

そのゼスチャーの意味が、国や文化によって違ったりするので注意が必要ですね・・
くまちゃんアナウンサー
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また、その動き自体には意味はないものの、

その動きをすることで、
聞き手に注意を促す性質のゼスチャーもあります。

例えば、
流行語にもなった、

東京オリンピック決定の時の
アピールタイムのスピーチ。

「お・も・て・な・し、おもてなし!」

このシーンでは、

そのスピーチで印象づけたい単語、
覚えて帰ってもらいたい言葉を

一音一音丁寧に発音し、
それに合わせて、

左から右へ、
手をゆっくり動かしては止める動作を繰り返し、

最後にそれらがひとつの単語であることを示すように、
左から右へ、
今度はサラッとなぞる動作をしましたよね。

聞き手の注意を促すゼスチャーとは、
こういうものです。

こういうゼスチャーに、
決まりはありませんが、

やるのであれば、
是非、留意したいポイントがあります。

それは、

ゼスチャーにメリハリをつけ、
「動き始めと終点を必ず見せること」

です。

鈴木一朗(コンサルタント)
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始めと終わりですか・・どういうことでしょう?

動きの見せ方の最大のポイント

ゼスチャーは、始めと終わりを見せるべし。その意味を解説しますね。
くまちゃんアナウンサー
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体の動きを見せる、
というと、

動いている状態を、
聞き手はいつも見ていてくれるかのような

誤解をしてしまいがちなのですが、

聞き手にとって、
話し手の通常の動きは、

全体の雰囲気をざっくり判断するためのもの。

ですから、

一連の動きの中に、
せっかくのゼスチャーを流してしまっては、

聞き手の注意を集めることはできません。

聞き手にとっては、

どう動いているかではなく、
どう動きが変わったか、

「動きの変化」が最大の情報なのです。

そして、

人は相手の動きを見るときは、
その動き始めから終点までを目で追うものですが、

動き始めを見られないと、

残りの動きは、
単なる雰囲気の動きと捉えてしまいます。

聞き手の注意を集める動きをするのであれば、
特に、
動き始めを見せること。

そのためには、
動き始める時に、

「ちゃんと聴衆の目が集まってきているかを
感じてから動く」のが、

なにより大事なことです。

これも読んでみて!  「話を深めるのが上手い人」がやっていること

聴衆の意識が集まってきているかを
感じてから、

動く、話す。

このことは、
ゼスチャーを見せる場面だけに限らず、

人前で話す状況において、
なにかと効果的な心構えであり、

この気持ちの違いだけで、
話し手としてワンランク、格が上がると考えてもよいものです。

是非、
そういう癖をつけておくことを、
お薦めいたします。

鈴木一朗(コンサルタント)
鈴木一朗(コンサルタント)
相手がこの動きを見ているかどうかを意識するって、話し手に相当な余裕が必要ですね!

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くまちゃんアナウンサー
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