「言葉の量」を意図的に減らすことが出来る人は、極めて少ない
同じ内容なら、少ない言葉の方が印象的である


私たちは人前で話をしなくてはならない、となると、
どうしても、
ペラペラと立板に水でしゃべらなくてはいけないという
強迫観念
に捕われがちです。
これはしかたのないことで、
「話をしなくてはいけない」=「たくさんしゃべったほうがいい」
という相関関係は、表面上は成立しています。
ところが実際のところ、
聞き手の側からいうと、そうとも限らないのです。
もちろん内容の薄い話を途切れ途切れに話されても
聞き応えがなく、退屈です。
しかし
内容さえしっかりしていれば、
むしろ言葉数が少ない方が効果的なことのほうが多いのです。
つまり
同じ内容ならば
少ない言葉の方が印象的である、
ということです。

しゃべり過ぎは話を軽くし、聞き逃しのきっかけになる

意味の希薄な言葉を羅列し時間を埋めるということは
内容を薄めてしまう、ということです。
いっぱいしゃべろうとする本人の意図に反して、
残念なことに、
その話自体を軽くしてしまうと同時に
聞き手に、聞き逃しのきっかけを与えてしまう
と
心得た方がいいでしょう。
とはいえ、
話の量を意図的に少なくすることが出来る人は、
そう多くはいないと思います。
話しベタだと思われたくない。
相手を白けさせたくない。
話し手の心理は
そういうものです。

深い理解を得て、強く心に残る話をしようとする意識

では、どのような心構えが必要なのでしょうか。
それは、
「いかに効果的に伝えるかに、こだわる」
ということです。
深い理解を得て、
強く心に残る話をする、
ということです。
そのために考えるべきは、
言いたいことが最もよく伝わる
「話の構成」「言葉の選択」「言い方」
ということになるでしょう。
逆に言うと、
これらを慎重に考えたら、
そうそうペラペラとしゃべることが出来る人は、少ないと思います。
考えながらしゃべる人のイメージは、
聞き手に対する思いやりがあって、
慎重で、思慮深い人。
いっぽう、ペラペラしゃべる人が
なんとなく「信用ならない」人に見えてしまうのは、
思慮と配慮に欠ける印象を与えてしまうからですね。
これは気をつけたいところです・・

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