「人が関心を持って聞いてくれる話」をするためのヒント
「聞き手が興味を持てる話をしていないのではないか?」


聞き手が、自分の話に関心を持ってくれないことほど、
話し手として悲しいことはないと思います。
例えば、興味のある人しか聞かない話の代表として、
ニュース原稿について考えてみます。
(知らない)誰かが、
どこかで、
何かした、こんな状態だった・・
これに関心を持って、
積極的に聞こうとしてくる人は、数少ないでしょう。
でも、
逆に言うと、
「人が関心を持って聞こうとしてくれる話」をするためのヒント
が、
ここに隠れています。
どこかで、誰かが、こんな状態だった・・
という内容の話にも、
「あらー、可哀想に・・」などと、共感することはあるかもしれません。
それは、
どこの誰かは知らなくても、(可哀想という)感情は共有できるからです。

関心が持てる=自分との共有ポイントがある、ということ

ましてや、
これが、自分の知っている場所が現場になっていたとしたら、
どうでしょう?
「あの場所で、そんなことが?」
「そんなことが起こりそうな場所ではないのに・・」
「自分の知り合いは大丈夫かしら?」
などなど、
そのニュースがグッと身近に感じられるようになりますよね。
つまり、
その話に、人が関心を持つかどうかは、
聞き手自身との「共有ポイントが多いかどうか」で決まるものなのです。

話の中に聞き手との共有ポイントを入れる方法

この普遍的な原理を上手に取り入れると、
聞き手の食いつきが、格段に変わります。
どこかの誰かが何をして、どうなった。
この話の登場人物は、
どこかの誰か。
その誰かがどうなろうと、
多くの人は関心を持てません。
しかし、
この話の登場人物に、「自分=聞き手本人」が加わると、
それは他人の話から、自分の話に変化するのです。
では、
聞き手とは全く関係ない話を、
どうやって、「聞き手自身が参加する話」に変えるのか?
それは
「話の中に、聞き手を意識した言葉を入れること」です。
例えばさきほどのニュース原稿では、
その地名が全く無名だったとします。
しかし、その話のなかに、
「みなさんご存知の、
東京スカイツリーのすぐ下あたりなんですが・・」
などと付け加えるだけで、
「あー、知ってる知ってる。」
「へー、あんなところで・・」
と、途端に、
知らない他人の話だったものが、
自分に関わりのある話、
「あなたや私の話」に変化したのです。
このように、
「聞き手を、話に参加させる」言葉を使うことで、
聞き手のモチベーション、参加意識がぐんと高まります。
話し上手な人の話には、
実はこういう秘密が含まれているのですね・・

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