「聞き手の心が離れる」話し方の欠点と対処法
典型的な「相手の心が離れていくような話し方」3つ


聞きにくいな、つまらないな、
と思った瞬間を契機にして、
聞き手の心はみるみる離れていくものです。
ですから話し手は
人の心が離れるきっかけを
極力作らないようにしなければなりません。
では、どういうきっかけで
人の心は離れていくのでしょうか?
ケース別に考えていきましょう。
・「声が小さく聞き取りにくい」
声を張って喋る、という習慣が
そもそも無いという方もいらっしゃいます。
聞き手も、初めはなんとか聞き逃さないようがんばるのですが
声の小さい話が長くなるにつれ
そのがんばりも限界に達します。
言葉が聞き取れないと、内容がわからなくなるからです。
つまり平易な内容の話でも
声が小さいというだけで
理解しにくい話に変わってしまうのです。
ですから、
もちろん大きな声を心がけるのは大事なのですが、
同じ小さな声でも、話し方に留意するだけで、
言葉の届き方も変わってきますので、
ぜひご参考になさってほしいポイントがあります。
それは、
ゆっくり、前を向いて話すこと。
話し手の表情と口の動きが見られるだけで、
聞き手の理解度が格段に違いますよ。

・「早口」
ペラペラしゃべるのが上手な話だと思ったら、
大間違いです。
早口は「聞き逃し」に直結します。
話の重要な構成要素を聞き逃すことが多くなるほど
人の心は離れていきます。
早口は、
声が小さいのと同じ欠点があると心得ましょう。
また、
明瞭な発音を伴った話し方によって、
伝わる情報量も、あるレベルまでは上げることが可能ですが、
いくら明瞭だからといって、
音の洪水を浴びせては、聞き手心理を参らせてしまいます。
簡単に言うと、
早口は「鬱陶しい」のです。
やはり早口は程々にしたほうがいいと思います。
急には直らないとは思いますが、
要点をゆっくり伝える意識を持つことが大事でしょう。

・「単調」
ずっと同じ調子で話されると聞く側も飽きてきます。
飽きてくると、徐々に聞き飛ばしをするようになるのですが、
口調にメリハリがないと
どこを重点的に聞くべきかがわからず
大切なポイントまで聞き飛ばしてしまうことが多くなります。
大切なポイントの聞き飛ばしは
話全体の理解不能を招き
聞き手の心は離れていきます。
ですから
少しだけ表現力を駆使して
聞き所を明らかにしてあげることが大切です。

「聞き所」を言ってしまう、という手もある

聞き所の伝え方は、
◎声を大きくする
◎声の高低や声色の変化を付ける
◎テンポを変える、間をとる、
◎身振り手振りなどで視覚に訴える
◎「ここ重要です」など、直接的な言葉にしてしまう
などがありますので、
自分に出来る方法を取り入れてみてください。
いかがでしたか?
思い当たる節はあったでしょうか?
話す、ということは、
自分の脳に浮かんだ言葉を、自分の声で表現する、
極めて自己本位な行為です。
伝わる話か否かは、
そんな自己本位な行為のなかに、
いかに、聞き手の好む要素を意識できるかに、かかっているのだと思います。

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