聴衆・視聴者を減らさない話し方
「人に伝わる言葉を、状況に応じて使い分けられるか?」


話し手にとって、
「聞き手がどのぐらい興味を持って聞いてくれているか?」は、
最大の関心事ではないでしょうか。
例えば、
テレビ番組の視聴率調査では、
「毎分」と呼ばれる調査結果で、
いつ、どういう状態の画面を、多くの人が見たかがわかってしまいますし、
また動画アプリなどでの生放送では、
視聴者の増減が克明に表示されます。
もちろん、人の関心をひく、魅力的な話し方も大事ですが、
話題や着眼点のセンス、人柄など、一朝一夕に実現できないことも多いものです。
でも、
せっかく聞いてくれている人の「心が離れていくきっかけを作らない」という
守りを固めることは、すぐにでも取り組むことが可能です。
例えば、自分でネットの生中継をやってみるとわかりますが、
視聴者数がどんどん増える放送というのは、
「視聴者が減らない時」であって、
単純に「新規参加者数が多い時」ではないんですよね・・

聞き手の心が離れていく話し方とは

では前回の記事に続いて、
聞き手の心が離れていく話し方の、典型的な例を挙げることにします。
「専門用語や外来語が多い」
専門用語や外来語を多用する=賢い、
と思ったら大間違い!
自分がその言葉を知っているからといって、
相手が知っているとは限りません。
わからない言葉が出ると
聞く側はだんだん理解することを放棄するようになります。
そうならないために、話し手としては
「相手を知る」ことが重要になります。
たとえば学会のような専門家がそろう会合で
初歩的な専門用語にいちいち解説を入れてばかりでは
バカにしていると受け取られかねません 。
かといって同じようなケースでも
各分野から人が参加してきているような場面では
専門用語にも注釈をつけなければならないでしょう。
相手の理解レベルを敏感に察知するのも
上手な話し手の力量の内なのです。
「人に伝わる言葉を使い分けられる」人こそが、
賢者であると心得ましょう。

聞き手の「聞くストレス」を意識しよう

前回記事も含めてこのような、人の心が話から離れていくきっかけを考えてみると
ある共通点が存在することがわかります。
それは、
「聞いても理解できない時間が続くこと」
ではないでしょうか。
聞き手が、始めから聞くことを放棄してしまうことなど
そうあることではありません。
人は徐々に
あなたの話から遠ざかっていくのです。
それは「聞くストレスが続く」ことであり
その大半は「わからない」ことが原因です。
それ以外の残りの要因の多くは、
聞き続けるのが不快な諸問題(音声、見た目、言い回しなどの極端な特徴など)だと思います。
そういう意味において、話し手がすべきなのは、
自分の話を、わかりやすく、届きやすくするための、あらゆる努力なのですね・・

