「聞いた話」でも面白く話せるようになるコツ
伝聞形の話は、必要だが、つまらない。



前回の記事では、自分の体験談を上手に話すことについて、
解説しました。
それと同様に、
語り手自身の体験でない話でも、
体験者目線を持つことができるものです。
日本昔話のアニメを思い浮かべて下さい。
あのアニメでは、
語りはほとんど、伝聞形です。
「~だったそうな・・」
と、
状況の説明は、このように語られているのですが、
肝心な出来事は、
「再現ドラマ化」されていますよね。
そして
再現ドラマになっている部分では、
語りが、
セリフに変わっています。
語り方が、伝聞からセリフ変わることで、
聞き手は一気に、その世界に引き込まれるわけです。
逆に、
「だったそうなんですよ」ばかりで、
人づてに聞いた話を、
最初から最後まで、伝聞の形で語っても、
聞き手は
感情移入しにくいため、
語り手と同じ世界を追体験させることは
難しいと思います。

語りとセリフのスイッチを入れ替えながら話す

そして、そういう語り方をするときは、
ある程度、
語り手は、
体験者の役柄に入り込んで話すことになるわけですが、
あまりに芝居がかり過ぎると、
少し滑稽に感じられますし、
聞くほうも疲れてしまいます。
大事なのは、
語りとセリフのバランスです。
語りの部分では、
体験者目線でありながら、
状況を客観的に捉え、
やや広い視野で、その時の状況を言葉に変えること。
そして、
体験者として心が動いたポイントで、
セリフの形で表現してみること。
例えば、
「・・・その時、びっくりしたんです。」
と話す人と、
「その時・・・『うわ~ッ!!何だこりゃッ!!』」
と語る人の話、
どちらが引きこまれるでしょうか?
とても感覚的な表現で恐縮なのですが、
語りからセリフになった途端に、
モノクロがカラーになって、
カメラがズームして、
その「何だこりゃ!!」がアップで映し出されたような、
気がしませんか?

聞き手と話し手の「心がつながる」話し方でもある

また、聞き手に感情移入してもらうこと、
それは、
話を面白く聞かせるのはもちろんなんですが、
「聞き手が、話し手と一体化するということ」
つまり、
心がつながる、
仲良しになる、ということです。
人間関係を近くするのにも、
有効な話し方になるのではないかと思います。
今回の記事は、
読んでみれば、
な~んだ、そんなことか、
と思うかもしれませんが、
世の「語り上手」と言われる人は、
間違いなく、
日常的に、こういう話し方をしています。
また、
そんな芝居がかった話し方は、
性に合わないから、とか、
恥ずかしいから、と、
大胆にセリフで語れなかったりするかもしれません。
やってみると、
意外に難しく、奥が深い話し方です。
自分の話し方の
幅を広げるという意味でも、うまく活用してくださいね。


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