「話が効果的に伝わらない人」に足りないもの
聞き手をいかに話の世界に引き込んで、追体験させるか
作品として有名なお話や、
自分自身の体験談など、
「人に話せる話として、熟成保存しているストーリー」を、
自分が持っている「話の引き出し」から
取り出して、披露する時。
考えるべきは、
聞き手を
「いかに、同じ世界に引き込んで、追体験させるか」
そのためにはまず、
それらしい「声」を使い分けること。
お話には、
それぞれに世界観、雰囲気のようなものがあるはずですから、
それを表現できるような声で、
「日常から非日常へ、
会話から物語へ、
聞き手を引きずり込むように」
語ってみよう、
という話を、
今回はさらに発展させていきます。
お話を語るうえで、語り手がまずすべきこと
さて、
そのようなお話を語るうえで、
語り手がまずべきことは、
「話の前提として知っておいて欲しいことを、
まず聞き手にわかってもらう」
ことだと思います。
これからどんなに有名なお話をするにしても、
話し手と聞き手の間に、認識の乖離があることもありますから、
あくまで、今これから、自分が語るお話の、
設定や雰囲気は、共有し直さなければなりません。
そうしないと、
話の途中で、
「あれ、そうだっけ?」
「私の知ってる話と違う~」
などと、
水を差されてしまう恐れがありますからね。
ましてや、
自分しか知らない自分の体験談の場合は、
より綿密に、
話の前提、設定を知ってもらう必要があると思います。
また、
同じ体験をした人ふたりが、
ふたりがかりで
他の人に話をするような会話も、よくありますよね。
こういう時は、
同じ体験をしたこのふたりが、
前提となる状況を、話しながらすり合わせていく必要もあったりします。
いずれにしても、
このような、
「話し始めの状況説明の時間の大切さ」
は、
認識したほうが良いと思います。
状況説明を上手く語るためには
そしてその状況説明を、
いかに上手く語るか、です。
お話を語る時に、
目標とするのは、
聞き手を
「同じ世界に引き込んで、追体験させる」
でしたよね。
そう考えると、
語る時に必要なのは、
「体験者の目線」
だと思います。
実際に体験した人の目線で感じたことを、
言葉にすることで、
聞き手が
同じ経験をしたような気分になるわけですね。
語り手自身が体験したことを語るなら、
すでに体験者の目線は持っていることになりますので、
その目で見たこと、
体で感じたことを、
思い出しながら話す、という作業になります。
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