「うまく話せる体質」になる練習法
「言いたいことを頭で考えただけで、言った気になっていないか?」


話す内容は、最後の「~です。」「~ます。」まで
きっちりと台詞として考えているくせに、
一度も声に出さず、本番を迎えてしまうことはありませんか?
おしゃべりなぞ、誰でもできることだからと
あなどってかかったり、
逆におしゃべりに苦手意識があり、
「声を出して話した気」で済ませて、
実際は頭で考えただけ、ということが多くありませんか?

考えを声にするには、そういう思考回路を働かせる必要がある

頭で思い描いている話を音に出してあらわすという脳内の作業の流れは、
文字を書くのとはまた別の思考回路を使っています。
つまり実際に体を動かさないとスポーツにならないのと同様に
声を出すという最後の過程まで全うしないと
「うまく話せる体」にはなれないのです。
声を使って人に伝えることというのは
スポーツと同じ、肉体を使った表現行動。
言いたいことを頭で考えただけでは、
頭の中のイメージでは華麗にダンスしていても
手足はピクリとも動いていないも同然です。
例えばダンサーが、指の先まで繊細な表現をしようと
日々研鑽を積んでいるのと同じように、
実際に声を出してみる、という
最後の過程をあなどらないで下さい。

ただ読むのではなく、会話するように読んでみよう

効果的な練習法は、
まず、新聞などの文字で表された文章を、
音読すること。
しかし、
そのまま読むのではなく、
要点やキーワードだけを抽出しながら、
まるで会話しているかのように読んでみる。
そういう読み方に慣れることです。
文字をそのまま音にしてはいけません。
一旦、頭に取り込んで理解した後、
改めて言葉にする回路を作るのです。
そしてその感覚を、
話をする前、原稿、台本を書くときに、応用すること。
すると、
「~です。」「~ます。」までセリフにしてしまっていた、かつての自分の台本が、
キーワードの箇条書きや「→」などのマークで済むようになる。
それが、
人前で、自分の言葉で話すための、準備のコツであり、
「文章脳」から「会話脳」への思考回路の変換作業なのです。

【関連記事】
どうすれば「自分の言葉」で話せるのか?
原稿を読むと途端に話がつまらなくなる人の共通点
