「話はよく聞きつつ、聞き過ぎるな」

トークを仕切る役目を担っている時、
どういう姿勢で何に気をつけていればよいのか。

たったひとつだけ挙げるとすれば

「今、何について話しているのかを、
聴衆あるいはトーク参加者に明示すること」

だと思います。

これさえ気をつけていれば、
何はともあれ、トークをうまく回すことができるはずです。

そのために必要なことは、
ふたつあります。

ひとつは、
発言者たちの話の理解、

つまり、
人の話は良く聞こう、ということなのですが、

ただ聞くだけでは、
よく聞いたことにはなりません。

ここでのポイントは、

相手の話を、自分はこう理解した、
今のお話の主旨はこういうことですね、などと、

相手の話を受けて述べることです。

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やってはいけない最悪の司会

この点において、よくやってしまいがちな最悪の司会は、

相手の発言をかえり見ることなく、
事前に考えておいた質問を次々に浴びせてしまうような仕切り方。

やっちゃダメ

これでは話の流れを切ってしまうだけでなく、
人の話を聞かない、という失礼な印象を与えてしまいます。

ですから、
今の話の主旨の復唱や質問をするようにすれば、

相手の発言に対する理解を示すことができて、
話はよりいっそう深まりますし、

聴衆に対しても
「今、何について話し合われているのか」
理解してもらうこともできるわけですね。

司会者、話の仕切り手が、そういうコメントが言えるのは、
相手の話をよく聞いているから。

そして、
その発言は今のトークの中で、どういう意味があるのかを
考え理解しているという証でもあるのですね。

 

「欲しい話」を抽出し、話の範囲を限定する

いっぽうで、もうひとつの大事なことは、
話を聞き過ぎないこと。

参加している発言者から
活き活きしたコメントを引き出したいと思うのは、
司会者の常ですから、

できるかぎり、自由に話してもらうよう心がけることが
多いと思います。

もちろんそれは正しいのですが、
忘れてはならないのは、

このトークにおいて「必要な話を切り取り」、
話を核心へと導くのが、

自分の役割であるということです。

必要な話を切り取るために、

司会者は、

今の話の中で、
どの点について異論はなく
逆に対立するのはどういう点なのかを明らかにし、

それについて発言できそうな人から
発言を求めていきます。

考え方としては、

今、このトークで、
「欲しい話は何なのか?」を明確に意識すること。

そしてそれを引き出すために、

「この点についてどう思うか?」
「こういう話をしてください。」

と、
ある程度、話の範囲を絞り込むような言葉で、
発言を求めることです。

このように、

トークの仕切り役にとって大事なのは、
人の話をよく聞くことであるのはもちろんなのですが、

聞き過ぎて論旨がズレていかないよう、

欲しい話を抽出しながら、
話の範囲を限定していくことも、

聞くことと同じぐらい大事。

司会者にとって発言者の話は、
このトークの材料、部品であるぐらいの意識と冷静さ、客観性が必要です。

 

コントロールされたトークと野放図なトークは違う

このように、
トークの仕切り手が、
目的をイメージして、意図的に発言を誘導することは、

ともすると、
話し合いが形式的、画一的になってしまうのではないか?

という疑問も生ずると思います。

でもそれは間違っています。

なぜなら、
例えば、

「自由な発言で、意外性のあるトークに発展する」
という結果を思い描いていれば、

発言者のトークを泳がせる、
話の脱線をあえて修正しない、などの手段をとることができるからです。

このような「コントロールされたトーク」と
野放図なトークでは、

その話し合いの洗練、深まり方、到達できる高み、
つまり完成度がまったく違ってくるのです。

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