予想以上に盛り上がる司会は、ここが違う
司会が盛り上がるための「がんばりポイント」2点



決められた式次第を粛々と進め、
可もなく不可もなく、任された司会を終えることが大事な時もありますが、
暗黙のうちに、
プラスαの結果、
つまり主催者等の予想を上回る盛り上がりが求められている場合があると思います。
司会者はそのために
苦心、工夫し、汗を流すものなのですが、
闇雲に一生懸命しゃべっても、効果が上がるとは限りません。
頑張り方にも、ポイントがあるのです。
それは、
・同じ舞台に立つ他の出演者と同じ方向を向いて
・観客と心を通わせる
ということです。

観客と心が通っているか、感じること

順番が前後しますが、
まず、観客と心を通わせる、という点について。
イベントの成功とは、
その会場、舞台で行なわれていることが
どれだけのパワー、エネルギーを持っていて、
そのチカラで何人の客を深く惹き付けていられるか、
ということでもあります。
イベントが行われているのは、
ある程度「開かれた空間」に何人もの人が集まっている状態のなかですので、
雰囲気が散漫になり、
観客の、舞台への集中力が持続しにくいものです。
司会者は、
「いまこの観客たちは、
自分の言葉を聞き逃さず理解しているのだろうか」
と、注意深く、メリハリをつけて言葉を繰り出すという気持ちを持たなければなりません。
そのうえで、
積極的に観客に働きかけること。
会場の人々との対話です。
実際に会話するかどうかはともかく、
心が通っているかどうか、きちんと意識することです。

観客に働きかけるために、司会者ができること

観客と心を通わせるために司会者ができることは、
・目を合わせる
・問いかけ
・一緒に考えてみる
・気持ちを共有する
・実際に会話してみる
・行動を促す
という姿勢、
つまり同じ目線に立つことが大切です。
行動を促す、というのは、
例えば、
「今、撮影するのにはいいですよ」というようなコメントを入れることで、
観客が体を動かすよう、誘導すること。
司会者の側から見て、
観客に体を動かさせるのは、とてもハードルが高いことであり、
逆に言うと、
客がこちらの要望通りに体を動かす、というのは、
それだけ参加意識を高く持って、集中していてくれている、ということでもあります。
前回のメルマガで明らかにしたように、
それこそが、「盛り上がりの正体」であると言えるわけですね。
そういうレベルまで、
舞台の側と観客の側の関係性を高める、というのが、
「観客と心を通わせる」
の、真意です。

共演者が同じ意識を持てる雰囲気を、司会者が作る
そしてそれは、
「同じ舞台に立つ他の出演者と同じ方向を」見て
進行しなくては、実現できません。
出演者全員が、内向きではなく、観客本位になるよう、
司会者が「仕向ける」のです。
イベントの進行の中で、
司会者が発するコメント自体が、
そのメッセージになるべきだと思います。
具体的には、
出演者と観客を結ぶような「振り」をしてみること。
例えば、会場からの質問に答えさせたり、
挙手で賛成反対を聞いてみたり・・
司会者と観客の心の繋がりのなかに、
出演者も絡めることで、
イベント全体の方向性が定まり、
舞台上の催しの「渦」のなかに人々を巻き込み
大きなウネリを作っていくわけですね。
そこが、本当の腕の見せ所。
演出家が台本には書けない、
主催者の予想を上回る結果をもたらす、
司会者だけができる仕事です。
なぜかいつも盛り上がる司会者と、
そうでない司会者の違いは、
この点にあると言い切ってもいいと思います。


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