コツを知るとグッと洗練された話し方になる3つのチェックポイントその1「語頭の母音」
母音の出し方次第で、ハキハキとした印象になる
今回から
3回にわたって、
話し方が
プロ並みに綺麗に聞こえるためのコツを3点、
ご紹介します。
実は私は
アナウンサーになってすぐ、
自分の話し方のなかで
不明瞭な音があることに気付き、苦労しました。
幸運にもアナウンサーとして
就職することはできたものの、
そこから先は、
自分でプロになっていくしかないのですね。
なぜアナウンサーになってからしか
それがわからなかったのかというと、
自分のしゃべりを自分で聞く機会が
ほとんどなかったからです。
自分で聞いてみて、
しかもプロの立場として聞いてみてようやく
どこが悪かったのかに気付き、
それを克服するには
何を変えれば良いか、自分なりのコツをつかみました。
コツというのは、
自分が何かをするときに、
うまくやるための、工夫や心構え、チェックポイントだと思うのですが、
自分しか使えないコツもあれば、
より一般的で汎用性のあるコツもあります。
当メルマガでは、
より汎用性の高い話し方のコツを
記事にしていきたいと思っています。
コツを知り、簡単にできるようになることで、その先の世界に時間を使えるようになる
珍しくちょっと話を脱線させますが、
コツって大事なことだと思うんですよ。
「鉄棒の逆上がり」が
できない小学生が増えているそうなんですが、
ある民間の講師がコツを教えると
瞬く間にほとんどの子供ができるようになるそうなんです。
そのコツとは、
ただ単に、鉄棒から腰が離れないように
タオルでくくること。
鉄棒と腰の距離感が分かれば、
逆上がりなんて簡単なんですね。
ところが
学校では、こういうコツを教えてくれないことが多い。
だから、できるようになる前に、
嫌いになってしまうのです。
コツを伝えること、
コツを知ることって、
なんだか努力なしでできるようにするみたいで
抵抗を感じるかもしれませんが、
コツをつかんだその向こう側の
世界の広さを垣間みて、
もっと深くて高いレベルでの
苦労と努力に時間を費やすことのほうが、
どれほど人の為になるか、と思うのです。
「語頭」の母音をしっかり発音する
コツを知るとグッと洗練される発音の仕方、
それは、
- 助詞
- ア段
- 語頭の母音をしっかり発音する
の3点です。
言葉が不明瞭になる、
話し方がだらしない、
ということは、
出るべき音がちゃんと出ていない、ということです。
そのなかで、
注意が行き届きにくいために
音がしっかり出ない傾向が強いのが、
この「助詞とア段、語頭の母音」なのです。
逆に言うと、
チェックポイントをこの3点に絞るだけで、
そこそこ綺麗に聞こえるようになる、
というわけですね。
まず今回の記事では、
「語頭の母音」について、ご説明します。
例としては、
「アメリカ」の「ア」
「選ばれる」の「え」
「今まで」の「い」
「新しい」の「あ」
「美しい」の「う」
「・・ことが、ありました」の「あ」・・・・などなど。
母音は、
子音が付かずに 「あ、い、う、え、お」と単体で発音するときに、
中途半端になりやすい音なのです。
母音単体の発音が中途半端になるのは、
口の形があいまいなまま発音してしまいやすいこと、
一拍分の音がしっかり出しにくいこと、
などが考えられます。
普通は、子音が付いて一拍ですからね。
特に語頭は
口の形が無防備になっています。
そのままなんとなく発音を始めてしまうと
なんだか、もの足らない話し方になってしまうのですね。
「語頭」の母音を発音する時の注意点
語頭の母音の発音をする時は、
・「音を出す前から」その音の口の形を作り、
・母音の響きを感じ、やや長いかなと思うほど、しっかりと、
発音することを
心掛けるとよいでしょう。
この音がしっかり出るだけで、
ハキハキとした印象、
自信や余裕のある話し方に聞こえてくるから不思議です。
もちろん、
このコツだけで、
しゃべりの専門家として、
仕事が取れるほどになる、というわけではありません。
ひとつの弱点を乗り越えると、
次の課題が見えてくる。
私にとっても、
その探求は今でも続いています。
世の中には、
生まれつき、発音が綺麗で、
中学生ぐらいから、
放送部で賞をとったりする人もいます。
私の場合、
発音という点においては、
悩みと克服の連続なのですが、
そのぶん、
それを改善するコツみたいなものを、
会得できたわけですから、
人生経験としては、
むしろそれで良かったのかもしれませんね・・
次回は、
助詞の発音について、掘り下げます。