コツを知るとグッと洗練された話し方になる3つのチェックポイントその2「助詞をはっきり言う」
発音の癖も、積み重ねで改善するしかない
自分の話し方が、
キリッと美しく、相手に聞こえるために、
普段の会話から
取り入れると良いコツ3つ、
という話をしています。
私達の「話し方の癖」の多くは、
発音によるものです。
発音以外に考えられるのは、
例えば、
綺麗な発音をしていても、
「あれ、なんか変?」
と感じられてしまうような、
抑揚の癖や、
言葉の選び方の癖などだと思います。
そういった、
自分の話し方の癖のうち、
自分には必要ない、
自分の理想とは違う、というものは、
出来る限り排除していくのが、
話し方を磨くうえでの、
普段からやるべき積み重ねになります。
みなさんお気付きの通り、
「今の自分の話し方」というのは、
過去から現在までの
普段の癖が積もりに積もった結果ですから、
それを変えるためには、
どうすればいいのか・・・?
それは、
・変えるべきポイントを意識すること
・意識的に変えた話し方をやり続けて癖にすること
この2点しか、
あり得ないと思うのですが、いかがですか?
助詞が不明瞭だと、話し方全体がだらしなく聞こえてしまう理由
では、
キリッと美しく聞こえる発音について、です。
独特の発音によってクセのある話し方になってしまう、
言葉が不明瞭になる、
ということは、
出るべき音が、きちんと出ていないということです。
そのなかで、
注意が行き届きにくいために
音がしっかり出ない傾向が強いのが、
「助詞とア段、語頭の母音」なのです。
(前回は「語頭の母音」についてお話ししました。
詳しくは過去記事を御覧ください。)
今回は、
助詞の発音についてです。
まず、
助詞に対する注意力の欠如は、
ある意味、しかたのないことなのかもしれません。
その名のとおりさまざまな言葉に付いて
補助的な役割を果たす言葉ですから、
それ自体が明瞭に聴こえなくても
大勢に影響を与えるわけではありません。
それゆえに私たちは
助詞の発音をおろそかにしがちで、
その結果、きちんと発音されず、
話全体が「だらしない」印象になってしまうのです。
特に注意すべきは、
「か」「が」「で」「と」「の」「に」「は」「へ」「も」「や」「よ」「を」
など名詞に付く助詞の発音で、
これらが、
「前の名詞の語尾と混ざってしまう現象」を起こします。
フランス語でいうところのリエゾンなのですが、
日本語では、
粒だっているほうが美しいものです。
例えば、
「私は」「私を」と言っているつもりが
「わたしゃー」「わたしょー」となっていませんか?
この具体例で、
ピンと来た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
話し言葉をより美しく洗練させるためには、
これらの助詞を粒だてることが
かなり手っ取り早い方法なのですね。
助詞の発音の気を付け方
気をつけ方としては、
・前の名詞の発音の終わりをしっかり確認した上で
・助詞それぞれの音を出す「口の形」を作り
・しっかり一拍分の音の響きを感じながら発音する
ように心掛けましょう
最初のうちは、
助詞にこんなに時間をとっていいの?
と思ってしまうぐらい
助詞の音の時間が長く感じるかもしれません。
しかし、
実際はそれぐらいでちょうど良く、
ウラを返せば、
これまでの発音では
一拍分の音がしっかり出ていなかった、
ということなのです。
ただし!!
よく言っているとおり、
助詞には
基本的にアクセントを付けませんので、
粒だてようとして、助詞が強くなりすぎるのは
ちょっとかっこ悪いですから注意して下さいね。
助詞をはっきりさせることの意味「助詞には意思が宿る」
さらに、
助詞を粒だてて話すことのメリットは、
話し方の美しさのためだけではないんです。
ひとことで言うと、
「助詞には、意思が宿る」
私「が」やる、のか、
私「は」やる、のか、
私「も」やる、のか?
日本語の話し言葉では、
ニュアンスを込めることが重要になりますが、
それは、
助詞の使い分けによるところが大きいのですね。
そしてその助詞を、
明瞭に発音する、ということは、
すなわち、
話し手が考えていることが、
細部までよく伝わる、
ということ。
その結果、
その話し手自身が、
自分の意志を明確に持っている、
自信に満ちた、
余裕のある話し方をする人、
という印象になるわけですね。
なんだか
凛とした雰囲気がある、
聡明な感じ、
というのは、
意外に、こういう話し方からきていることも、
多いと思いますよ。