特別感があって「一目置かれる出演者」になるために
自分の雰囲気を特別に見せる方法

大勢の観衆ひとりひとりに言葉を届けるには、
話し手にはそれに相当する大きなエネルギーとパワーが必要です。
そのためには、
小さくならないこと。
声、動作、表情、口の動きなど。
舞台役者さんとテレビドラマの俳優さんとでは、
演技の仕方が違う、という例をよくお話しするのですが、
例えば舞台役者さんでは、
わっはっは、と笑う演技なら、
顔だけではなく、
体の動きで笑っていることを表現するんですよね。
だからそういう演技をいつもしている舞台役者さんが、
テレビに映ると、
やや大げさに見えたりするものです。
あれは、
ちょっと離れた大勢の観衆に見せるための演技だからです。

ステージ上での話し方
話し方も同じで、
どの要素においても、こじんまりしないように。
オペラ歌手ほどではないにしても、
口を大きく開けて、
音をひとつひとつはっきりと粒だてて発音すること。
早口はセーブしつつ、
言葉の数を減らしながらも「強い言葉」を選ぶように。
また
聞き逃されないように、要点はゆっくり話したり、
間を大きくとったり、
あるいは、
大事なことなら、
同じことを何回か繰り返しても、問題なし。
ぺらぺらとしゃべって流れてしまった言葉を、
もっと短い言葉にして言い直したりするのも、良いと思います。

ステージ上での動作
そして、
動作はしっかり「止まること」を意識して。
不特定多数を前にして、
一目置かれる出演者と、そうでない出演者の動作の違いは、
きちっと止まることができているかにかかっている、
といっても過言ではないほどです。
例えば、
「○○さん、どうぞ!」と言って、
右手を顔ぐらいの高さまで挙げて、呼びこみのポーズをしたとします。
一目置かれる出演者は、
ポーズを決めたまま、止まるんですよね。
目線も、
一方向に定めたら、そこでしっかり止めること。
動きっぱなしは素人の証拠です。
このようにして、
不特定多数の人が「見るに足る」特別感を演出するんですね。

自分でハードルを上げ過ぎないための抑制法

そして出演前に、
そんな課題、やるべきことをたくさん設定したとして、
自分がああなろう、こうしよう、という課題を持ちすぎると、
プレッシャーになってしまう、という人は、
なりたい自分、やるべきテーマのイメージを「一つに集約」し、
それを「画像化」して頭に焼き付けておくといいと思います。
例えば、
大勢の観衆ひとりひとりに言葉を届けるためには、
話し手にもエネルギーとパワーが必要である、というイメージを、
グリーンモンスターが草一本一本に水をやっている感じ、
とか、
決めのポーズでしっかり動作を止めることを意識するなら、
隈取の歌舞伎役者が見得を切るところ、
とかを画像化して、なんとなく覚えておくと、
自分でハードルを設けすぎて緊張する失敗を
しなくて済むようになります。

強いエネルギーを含んだ言葉を選択する

もうひとつ、
上記の文中に登場した「強い言葉」を選ぶことについて。
大勢の人に、
話をわかってもらおうとする時、
大きな声で話すのと同じように、
言葉の意味内容にも、
強いエネルギーが含まれているかどうかで、
聞き手への届き方も変わってきます。
説得力のある話し方ができる人は、
そのような、「強い言葉」を使うのがうまいんですね。
では、
強い言葉とは、どういうもので、
どうやったら使えるようになるのか?
次回、お話しすることにします。
お楽しみに。

