言いたかったことが言えないまま終了、という現象が起きる原因
言いたいことが言えないと、後悔が残る


話をしようという意気込みとは裏腹に
自分が言いたいことの多くを言えないまま、
チャンスを失ってしまうケースがありませんか?
考えておいた内容が言えなかったことに、
話が終わった瞬間に気がついたり、
会話の中で話したいと思っても
流れのなかで言えないまま、機会が過ぎ去ってしまったり・・
なぜ、こういう現象が起きるのでしょうか?

後になって思うのは「後からだから」思いつくのだ

(言いたかったことが言えなかった・・)
これを屈辱に感じることもあるでしょうが、
いつでも、言いたいことを完全に言い切っている人など、この世に存在しません。
「言いたいことの7割言えて、合格」と
心得ましょう。
なぜなら、まず第一に、
「『後から』だから思いつくこと」だからです。
ああ言えば良かった、とか
この手があったか、とか、
人は後になって思います。
しかし、アイデアは、いつも、
思考の積み重ねと共に考えつくもの。
後から思いついたことを、時間軸を逆転させて、
本番中に考えつけば良かったなどと考えるのは
自虐的になりすぎなのではないでしょうか?
それよりも、
自己採点70点のクオリティーを確実に出し続けることこそ
大事だと思います。

会話は変化するものだから、事前に考えた話をするのが難しいのは当然

事前に想定した話を
生の話、会話の中で実現するのは、
それだけ難しいことなのです。
なぜならそれは「生」「ライブ」だからであり
その時々で状況が変化しているなかで、
話のニュアンスや優先順位、話し手の気持ちやテンションなども
刻々と変化しているからです。
例えば、
テレビ番組などの生のトークでも、
話を、同じ順番で、予定した内容を、確実に展開して欲しい場合には、
事前のリハーサルがあったり、
あるいは、フロアディレクターがカンペでトーク内容を指示したりするものです。
生のトークなのに、
予定調和のような絡みになってしまったりするのは、それが原因なのですが、
この場合、その予定調和は、
確実に必要な話を展開させるための「必要悪」なのかもしれません。

発言のタイミングを見計らって、話に飛び込むには

まず発言のタイミングなのですが、
思い通りのドンピシャのタイミングを待っていては、いつまでたっても発言できませんから、
流れのどこかで踏ん切りをつけて、
話題に飛び込むしかありません。
会話の流れが途切れた瞬間、
近い話題になったあと、離れていきそうなポイントなど、
考えられるタイミングはいくつかありますが、
話題に飛び込んで自分の話を展開しようとする場合、
大事になるのが、
現在の話題と自分の持っている話との関係、関連性を考え、
それを受け、繋ぐことです。
例えば、
「先ほど話題になっていた〇〇について、もう一点大事なポイントがあるんですが・・」
「先ほど話題になっていた〇〇と並んで、重要テーマになり得る話なんですが・・」
など、
話題の流れの中のどの話のどの部分と、自分の話は、
並立なのか、
それともそのなかの追加ポイントなのか、などの関連性を明示する言葉から入ること。
欲を言えば、例えば、
「先ほど話題になっていた〇〇について、私はこれこれ、こう考えます。
そしてもう一点大事なポイントがあるんですが・・」のように、
今までの話題に対する見解を述べて話を受けた後で、
自分の持っている話題に移行させるような話し方ができるのが理想だと思います。

「言えずに後悔するなら、紙に書いて読め。」

そして、そんな「生、ライブ」の状況に左右されずに
絶対逃さずに話したいことがあるのであれば、
紙に書いて読んだほうがいいでしょう。
書いたものを読むことを、
恐れてはいけません。
言いたいことを紙に書いておけば、
論点が明確になりますし、
話題に飛び込むタイミングも意識できます。
なにより、
発言する勇気を後押ししてくれます。
さらに、「紙に書いたものを読んでいるという姿」は、
聞き手に対して、
確実な情報を提供しているという安心感を与えます。
むしろ、演出として、利用すべきなのです。
ただ、それはあくまで、
確実な情報を提供していますよ、という姿勢を見せるため。
自分の意見、考え方、体験談など、
自分の言葉を「ひねり出す」ことのほうが大事なときには、
主語~ですます、まで全部書いたものを読むのは、
イメージダウン。
聞き手をがっかりさせます。
言いたいことの項目を
箇条書きにしておき、
それを
「話の持ち駒」として携えておくことを、おすすめします。
とはいえ、
言いたいことを忘れてしまうという現象を
極力、防止するために、
自分のネタを覚えておく「コツ」もありますので、
それは次回、お話しすることにしましょう。

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