外郎売り「繻子緋繻子繻子繻珍」を上手く読むコツ
繻子緋繻子繻子繻珍
しゅすひじゅすしゅすしゅちん
早口言葉難易度★★★☆☆
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歌舞伎十八番、外郎売のなかで、
丸薬である外郎を口に含むと、
舌の廻りが良くなることの実演をする部分で登場する一節です。
繻子とは、繻子織のこと。
縦糸あるいは横糸だけが表に表れているように見える織物の技法で、
本繻子は、サテンと呼ばれます。
緋繻子は、赤い繻子織のこと、
繻珍は繻子織の一種で、
繻子織のなかに、文様を織り出したもの、だそうです。
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早口言葉としての、シュスヒジュスシュスシュチン
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では、早口言葉としての概要を見ていきましょう。
一連の言葉の中心は、「繻子」で、
繻子のあとに、「緋繻子」と「繻珍」がそれぞれ続いていますが、
繻珍でつっかえる人はあまりいないのではないでしょうか。
理由は、
「ちん」と言い放って終わることができるからです。
繻珍はおそらく、言葉の体裁を整えるために付けられており、
別に、繻子繻子と繰り返しても
早口言葉としては成立するはずです。
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繻子繻珍に仕けられた罠は?
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一番のポイントは、後半の繻子繻珍です。
「シュ」「シュ」、という拗音がパターン化した間に、
「ス」が現れます。
口が「シュ」の発音で慣れてしまっていますから、
「ス」が出にくくなる。
この早口言葉に仕掛けられた罠は、
「シュシュシュチン」へと陥れようとしているわけですね。
このような後半の罠をより効果的にしているのが、
前半の、繻子非繻子です。
「しゅすひじゅす」
これらの音の中で異質な存在は、
「ヒ」と「ジュ」ですよね。
ほとんど全部の音が「サ(ャ)行」で「ウ段」であるなかで、
そうではない「ヒ」が存在することで、
読み手はここでちょっと注意するわけです。
注意深く「ヒジュ」と発音することで、
意識が拗音の「シュ」「ジュ」に囚われていきます。
だからこそ、
「ヒジュシュ」になってしまったり、
あるいは後半で、
「シュシュシュチン」になってしまったりするんですね。
これが、繻子非繻子繻子繻珍に仕掛けられたひっかけです。
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「しっかり発音する」とは、感覚的に言うと・・
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では、
どうすれば上手く読むことができるのか?
コツは、「ス」をしっかり発音することです。
当サイトでは繰り返し記事にしていますが、
こういう時の「しっかり発音」とは、
感覚的に言うと、
・「ス」と発音した自分の声を聞くぐらいに、
・「ス」と次の音「シュ」のあいだに間(ま)をとったり、
・「スー」と引っ張るぐらいの気持ちで、
ということです。
これをやってみれば、
すぐにできるようになる早口言葉です。
ちなみに、
早口言葉=滑舌、というイメージが有ると思いますが、
繻子緋繻子繻子繻珍では、舌はほとんど動きませんよね・・
では、
どういう仕組みで音が出ているのか?
そのへんを追求していくと、発音練習に役に立つと思います。
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