的確な説明を「すぐに思いつく」話し方の方程式
実況するのも、意見を述べるのも、説明と同じこと



何を説明するか?
説明の対象物の違いによって、
その説明の呼び方が変わってくるものです。
どういうことかというと、
例えば、目の前にあるものの状態や変化を説明するのは、
「実況」と呼ばれます。
また、
実体のあるものではなく、
観念的なことの説明も、私達はごく日常的に行っています。
「自分の頭の中にある気持ちや考え方」を説明することは、
おそらく「意見や感想を述べる」ということになるのでしょう。
つまり私たちは
さまざまなシーンで「説明」することを求められていて
なすべきことや方法はほとんど同じなのに、
説明する対象や相手などによって、その呼び名が違う、というわけです。
角度を変えて言うと、
「意見や感想を述べる」ということは
「自分の頭の中を実況する」ことと同じと言えるでしょう。

説明の極意は大枠から固めること

そして、
説明の極意は、大枠から固めること。
「結局はこういうこと」という
結論と直結した、ざっくりした方向性を明らかにすることです。
例えば、道を教えるときであれば、
まず、その場所の方向を指さしてしまうこと。
物を説明するのであれば、
結局、それはどういうものなのかを、ひとことでまず言い表しちゃうこと。
それは、
自分の頭のなかを説明するとき、
自分の意見を述べるときも同じです。

説明の発想法「誰のための何のための説明か×対象物」

では、
説明の極意である「大枠から固める」とは、
どのように発想すればいいのでしょうか?
大枠から固める、とは、
話の方向性を指し示すことであり、
話の方向性とは、
その説明の本質=結論です。
それを話の最初に提示できるようになるためには、
「誰のために何のために説明するのか」を感じとること。
説明とは、
誰のために何のために説明するのか×対象物、によって、
無限に変化すべきものなのです。
例えば、
同じ「目の前のコップに入った水」を説明するにしても、
その水質を知りたい人に説明するのか、
その水を飲もうかなと思っている人に説明するのかで、
話は全然違いますよね。
水質を知りたい人に説明するなら、
「硬度20㎎/Lの軟水ですね。富士山の地下から汲み上げた天然水の特徴は・・」など、
飲んでみようかなと思っている人に説明するなら、
「まろやかで癖がないので飲みやすい水ですね。富士山の地下から汲み上げた天然水の特徴は・・」など・・・
後から同様の詳細説明が続くとしても、
話の方向性の指し示し方は、違うべきなのですね。

初めに枠を固めてしまえば、説明する自分が楽になる

説明のために準備の時間が与えられる状況ならともかく、
私達の日常会話のいたるところに、
説明が必要なシーンが存在します。
説明が求められた時に、
いきなり結論に直結した話ができるか、というと、
なかなか難しいことでもありますし、
それが瞬時にできる人が、
話し上手、説明上手、ということになるわけですが、まず、
誰のために何のために説明するのか×対象物
という考え方で、
自分が説明するその状況を分析して、枠から固めてしまうこと。
自分が話す枠が最初から決まっていると、
そのためだけに話せばいいわけですから、
ポイントが明確になるだけでなく、
心のプレッシャーからも解放されます。
このような、考え方のとっかかり、コツを掴めば、
誰でも、上手な説明ができるようになれると思います。
この考え方は、例えば、
1分で話して!と言われた時、
1分という枠が決まっているから、
それに伴って、話の構成が変わる、など、
話をしなくてはいけない、多くのシーンに応用可能になります。
枠を固めると、
話す自分が楽になる。
これは普遍的に使えるテクニックです。


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