話す時の「首」「頭部」の動かし方が、味方を増やし、敵を作ることもある。


話す時の頭部の位置・動きが聞き手に与える影響

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
体全体の姿勢から、足、手の話を聞いてきて、各部位の位置や動きが、相手にどんなふうに受け止められるのか、だんだんわかってきました。
今回は、首、頭部の動きについて、お話ししますね。
くまちゃんアナウンサー
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「頷く動き」

同意や納得を表します。

これは、
相手への同意はもちろん、

自分自身が今、話していることを、
自分で納得している、という状態もあり得ることです。

人は、
相手が頷くことで、安心感を覚えます。

しかし、

頷きを安売りし過ぎると、
意味が軽くなってしまいますので、

その点は注意が必要です。

また、
頷き方が単調にならないように、

細かく頷いたり、
大きく頷いたり、
ゆっくり頷いたり、
あるいは頷きを止めたりと、

頷き方のバリエーションの引き出しを持っておくと良いと思います。

頷き方がチャーミングな人は、
それだけで好感度が高いものです。

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
相手の話を肯定したり受け入れたりするにしても、その時々で性質が違うわけですから、頷き方もその都度違わないと、むしろおかしいですよね。

「左右の動き」

素早く頭を左右に動かせば、
基本的には、ノー。

例外的に、

「信じられない」という時や、
「否定形を否定する」ことで肯定にもなる表現を

特に欧米人が使うこともありますが、

日本人が、
頭を左右に振って、肯定の意を表すことは、
あまりありませんから、

安易に使わないほうがいいかもしれません。

左右の動きは、
どちらかというと、マイナスイメージ。

振り方によって、軽度から重度の、
否定や絶望などを表す傾向があります。

「無言で首を左右に振っている人を見たら、
話しかけにくい」

ことを考えれば、わかると思います。

また、
謙遜の気持ちを表現する時や、

相手が否定的・悲観的な言動をしている時に、
「そんなことないですよ・・」という意味を込めて
そうするケースはありますが、
(これは前述の、否定形の否定に近い働きですね・・)

顔を横に振るという動き自体には、
多分にマイナスイメージが含まれていますから、

誤解を受けないように、
「いえいえ~」など
音や表情、ゼスチャーと一緒に表すのがいいでしょうね・・

とはいえ、首を横に振るケース自体が、そんなにないという人がほとんどでしょう。むしろ問題なのは、無意識に首をかしげることが癖になってしまっている場合です。
くまちゃんアナウンサー
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「首をかしげる」

故意の首かしげは、
「否定的な疑問」を表示します。

討論などで、
あえて、批判的な言動をアピールしたいときには、
有効だと思いますが、

これが癖になると、
相手に誤解を与えますから注意が必要です。

また、
首を傾けて上目遣い、は、

男性はあまりしないものですが、

女性がすると、
自分の可愛らしさのアピール、

あるいは、
甘える仕草と受け取られがちです。

また、首をかしげつつ、グラグラっと揺らす、
日本人の若い女性特有と言われるポーズも、同様と考えられます。

ただし首をかしげる動作を、
2回3回と繰り返していると、

上記の、
否定的な疑問の表示と勘違いされるかも?

顎の角度が、
首かしげに、違う意味を与える可能性がありますね。

否定的な疑問の時には、
顎が上がって首かしげ、であるのに対し、

可愛いアピールは、
顎をひいて首かしげになる傾向です。

可愛いアピールと同じ「顎をひいて首かしげ」でも、
顎をもっとひいて、鋭い目つきになると、
相手を見透かそうと様子をうかがう首かしげ、という場合も考えられます。

とても心配なのは、内心が反映されて知らず知らずに首をかしげてしまい、なおかつ、無言、あるいはその首かしげとは方向性の違う言葉を話してしまうケースです。これは相手の不信を買いますから、すぐにでも直す必要がありますね。
くまちゃんアナウンサー
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「見渡す動き」

ゆっくり全体を見渡すような、
頭の左右の動きは、

聴衆への配慮や、
俯瞰的、客観的な考え方が出来る人、

という印象を与えます。

専門的な職業の人が、
話す時にあまり全体を見渡さないのに対し、

経営者やリーダー職の人は、
全体を見ながら話すことが多いようです。

また、

全体を見渡しながら、
多くの人とアイコンタクトをとることで、

自分に賛同してくれる、
自分に良い印象を持ってくれる人を増やし、

その場の一体感を高めることができます。

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
全体を見渡しながら話をするには、話すほうにも心のゆとりが必要ですね。話す内容に一杯一杯だと、みんなの方を見る余裕もないし、みんなの方を見たら緊張したり、話すことを忘れて真っ白になってしまうかもしれないし・・

頭部の動きは、その人の考えていることを象徴する

でもね、誰に向けて、何のために、話をするか。これが明確であればあるほど、自ずとみんなを見てしまうものなんですよ。話すことに一杯一杯になってしまいがちなら、発想をそこから変えてみたらどうかな。
くまちゃんアナウンサー
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このように、頭部の動きは、
話し手の心理状態や考えていることを象徴します。

正しく表現されていれば、
自分の感情、ポジションを示すことができ、
相互理解に役立ちますが、

いっぽうで、
例えば、

わかりました、といいながら、
首をかしげてしまう、など、

言っていることと、頭部の動きから受ける印象が違うという状態は、

「ふてくされている」などと、
相手に不信感を与えることにもつながりかねません。

これはやってしまいがちな、要注意ポイントですね。

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
言っていることと態度が違う。これ、首かしげに限らず、注意しなくちゃいけませんね。もし自分が相手なら、わりと敏感にわかっちゃうもんなぁ~

体の動きを効果的に見せる話し方の極意

このように、
体の部位それぞれが、

優れた表現力を秘めているものです。

これも読んでみて!  コツを知るとグッと洗練された話し方になる3つのチェックポイントその3「ア段の音をハッキリさせる」

そして、
これまでも述べてきましたが、

観衆に自分の動きを見せるのであれば、
「動き始めをしっかり見せること」。

しかも、
終始、同じ動きをするのではなく、

メリハリを持って、
要所要所で動くこと。

それが、
体の動きで伝える極意だと思います。

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
ここまでお話を伺ってきて、やっぱりまずは良い姿勢をキープできることが大事かなって思います。あと、首は縦に動かしていれば、横には振れない(笑)

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相手の言うことを、まずは何でも受け止める気持ちがあれば、首をかしげたりすることもないですよね。これはコミュニケーション全般に共通する真理かもしれません。
くまちゃんアナウンサー
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