「ヤ行」と母音の発音ってどこが違う?違いを意識するだけで発音がわかってくる。

「曖昧な発音でも、綺麗に聞こえるコツ」

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
前回のマ行のお話、音にも性格のようなものがあって、人間の個性も発音に表れやすいんですね。
マ行は特に甘くなりやすいですね。そういう視点で他の音についても考えてみるといいですね。
くまちゃんアナウンサー
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発音、滑舌について、
各論を進めています。

前回のマ行はこちら

今回は、ヤ行です。

まずは、
ヤ行の正しい出し方を知ることから始めます。

ヤ行の頭子音は、
母音の「い」の音を短くした半母音「y」で、

上顎の前方、硬口蓋付近を、
狭めながら響かせるように音を出しています。

しかし、イ段とエ段、
つまり「い」と「え」は、

頭子音がなく、
母音だけの音、ということになっています。

昔は「y」が付いた音もあったそうですが、

ずいぶん古い年代から、
音韻的には混同され始め、

戦後の仮名文字の整理によって、
姿を消しました。

ただ実際には、

外来語を発音する時に、
「ぃい」「ぃえ」という音を出すことはありますよね。

旧仮名遣いはなくなっても、
音がなくなったわけではないんですよね。

では、
音の出し方はどうでしょうか。

頭子音「y」付きの「ぃい」や「ぃえ」が、
母音の「い」「え」と混同してしまうぐらいだから、

音の出し方も、
ほとんど同じなのかというと、

近いところはありつつも、
やはり別物だと思います。

ヤ行の特徴を知るためには、
ア行とヤ行を繰り返してみるとよくわかります。

あッあッあッあッあッ、
やッやッやッやッやッ、

いッいッいッいッいッ、
ぃいッ、ぃいッ、ぃいッ、ぃいッ、ぃいッ・・・

これらの音の連続を、
一音ずつ粒だてて出してみると、

ア行の場合は、
口の中の形は動かさずに、
横隔膜の動きで、一音一音を区切っていることがわかります。

それに対してヤ行の場合は、
頭子音を出すために、いちいち仕切り直して発音していますよね。

これが、
ヤ行の難しさであり、
綺麗に発音するポイントでもあります。

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大西祐輔(アナウンサー志望)
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母音だけとヤ行の出し方を比べると、どこが違うかが分かりますね。

早口言葉で「ヤ行」の難しい点を考える

発音に限らず何事も、比較することで見えてくることってありますね。
くまちゃんアナウンサー
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ではそのあたりを、
早口言葉で確認してみましょう。

◆お綾や母親にお謝り、
お綾や八百屋にお謝りとお言い

おあややははおやにおあやまり、
おあやややおやにおあやまりとおいい

◆やいやい言われ、いやいやお湯屋に行けば、
いやはや、よもや、湯が湯でないとは

やいやいいわれ、いやいやおゆやにいけば、
いやはや、よもや、ゆがゆでないとは

きっちり発音しようと思うと、
ヤ行って意外に難しいですよね。

それは、意識していない時は、
結構、流しちゃっていることの裏返しでもあります。

例えば、
「お綾や」

おあや・や、と、
「y」の頭子音を建て直しつつ、
母音までしっかり音を出すのって、

労力が要りませんか?

「お湯屋」では、
「お・ゆ」の「ゆ」があいまいになっていませんか?

「おいや」とか「おうや」みたいになりますよね?

ヤ行のポイントは、
こういった、曖昧になりがちな頭子音を粒立てるために、

・調音をしっかり仕切り直すこと
・横隔膜を動かして音を粒立てること、
・それでいて、ゴツゴツしないように、柔らかく

だと思います。

横隔膜を使って粒立てる、とは、
前述の母音の部分と同様です。

3番目の「柔らかく」というのは、

同じ「や」でも、
ちょっと音を出し分けてみる、ということです。

例えば、
上記の早口言葉の「お綾や」ですと、

「おあやや」のうち、
ひとつ目の「や」と2番目の「や」では、
ちょっと違うわけですね。

おあやッやッ、と、
2番めの「や」まで勢い良く発音すると、

ちょっとやり過ぎ。
違和感があります。

感覚的な表現になってしまいますが、

2番めの「や」は、
初めの「や」に比べると、

音程が少し低く、
横隔膜の動きも少なめ、

頭子音「y」を出す硬口蓋も、
狭まりが広めで、
調音点がちょっと奥になるような感覚です。

同じ音でも画一的ではなく、
ケースバイケースで出し分けるのが、

自然な発音につながると思います。

この自然な発音には、
あいまいさを含むこともあるのですが、

あいまいでも綺麗に聞こえるコツは、
いつも言及していますが、

しっかり、
一音分の音の長さを確保すること。

これも読んでみて!  鼻濁音のコツと注意点

あいまいな音は、
長さが中途半端になってしまうと美しくありませんが、

長さが揃っていれば、
ごく自然に聞こえるものです。

滑舌の練習ということで、
音を出すことばかりに躍起になりがちですが、

音の長さを揃えるという観点で、
話し方を綺麗にする努力もしてみると良いと思います。

【当サイトの記事内容を参考に二次利用される方は、必ず出典元としてサイト名とURL「話し方のコツ、心技体 https://kumagaiakihiro.com」とご明記くださいますようお願いいたします。】
 
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大西祐輔(アナウンサー志望)
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発音というと、とにかく音を綺麗に出すことばかりにとらわれてしまいますが、音の長さに注意するだけで、弱点もカバーできるかもしれないんですね。
発音が少し甘くなっても、音の長さがしっかりあれば違和感なく聞こえますし、音の長さが揃うと、話し方にも余裕が出るんですよね。
くまちゃんアナウンサー
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