ざわつく環境、私語の多い相手を黙らせる話し方
「私語の多いざわつく環境は、聞く集中力を低下させる」


話す環境の特性に合わせた話し方について、
シリーズで考えています。
まずは、
閉じた空間で、限定された対象者に対して、
話し手としての定位置をもらって話をする時、
の話を続けています。
今回は、
そんな環境の中で話し始めたものの、
残念ながら、
ザワザワと、散漫な雰囲気になってしまった場合。
あるいは、
そうなることが常態化している時に、
打つべき対策、
についてです。
閉じた空間で、限定された参加者に対して、
話し手としての定位置をもらって話す、ということは、
話を聞いてもらうための環境としては、
最高だった、はずです。
しかも、
話を聞くことに飽きてウトウトしてしまうだけなら、
今までのこのメルマガで書いてきた話し方の技術で対処できるのですが、
ザワザワしてしまうのは、
そうなってしまった理由が、
話の巧拙以外に、
明確に存在しますから、
まずはそれを封じることが必要になってきます。

ざわつく環境の原因となるのはどういう人なのか?

では、
環境がざわついてしまう原因から、考えていきます。
「人の問題」という側面から、
分析してみましょう。
話し手が目の前で話しているのに、
勝手に誰かと話をしてしまう人は、
どういう人なのでしょうか?
幾つかの要素が考えられます。
・能動的に話を聞こうとする意識が低い
・緊張感がない
・横を向いている
大きく分けると、
こんな要素になると思います。

話を聞く意欲のない人を、根本から変えるのは難しい

まず、
能動的に話を聞く意欲の問題。
これは様々な心理が
複合的に絡み合っているのではないかと思います。
そもそも、その話を聞くこと自体に、
意義を感じておらず、
何らかの別の理由で参加している、
例えば、
授業だから、仕事だから、
話し手が気に入らない、敵対的、
友人が一緒だから、
暇だから、など。
こういう人に話を聞いてもらうのは、
とても難しく、改善するために時間を要する可能性があります。
また、
こういう人がざわつき始めることで、
その環境全体に、悪い影響が出ますし、
聞くモチベーションが下がることで、
その環境全体の緊張感が低くなります。
その結果、
隣の人とおしゃべりをするために、横を向く。
ですから、
要素1、2、3、は独立しているわけではなく、
聞く人の意欲と、
その場の緊張感、聞き手が横を向くことは、相関関係にあります。

まず、話を聞く意欲のない人の私語を封じること

こういう時の対処法は、
まず、私語をさせないようにすること。
そのためには、
ザワザワと話し始めてしまう、
1、「口を開くハードルを高くすること」、
さらに、
緊張感を与えて、
2、「聞く意欲を、半ば強制的に上げさせること」、
そして、
3、話の内容で注意を引き付けることです。
これら、
「私語をさせないための話し方」については、
次回に、その機会を設けたいと思います。
今回はまず、
聞き手がザワザワしてしまう、
物理的環境を
整備しなおすことから考えていきましょう。

聞き手をザワザワする集団にしてしまった、私の失敗例

厳格な立場を維持しながら話したい話し手、
例えば、
教師、講師などにとっては、
聞き手の私語は、屈辱とも言えるものです。
なにより、私語の多いざわつく環境は、
聞く集中力を低下させますから、
話す内容が、
相手のために必要なものであればあるほど、
静寂を保たなくてはなりません。
私も学生時代、
ひとクラス20人~30人の塾講師をしていましたが、
ある年は、
最初の緊張感を保てず、ざわつくクラスにしてしまいました。
そのざわつきは、
クラス替えがあるまで、改善できませんでした。
そのクラスは私語をしてもいい時間、
という習慣を付けてしまったこと、
そして、
そういう講師である、
という私への認識が定着してしまったことが、
敗因だったのだと思います。
こういう時は、
真面目に学びたい人ほど、去っていくものです。
そもそも誰のために、
自分の話す環境を整えるべきだったのか、
失敗を痛いほど、思い知りました。
その反省から、
翌年からは徹底的に、
「私語をしてはいけない状態の整備」につとめ、
完璧な静寂のなかで、勉強に集中できる環境を作りました。

物理的な環境から整備しよう

聴衆が勝手に話してしまう環境というのは、
話し始めることに
なんら抵抗を感じない、
むしろ、
聞き手同士で話すのに、快適な環境であるということです。
そして、
そういう時、聞き手同士は、
必ず、横を向いています。
当たり前ですね。
例えば小中学校で子供が騒ぐのは、
横を向けばすぐに友達がいるからです。
ひとりごとで大騒ぎにはなり得ません。
ですから物理的環境の整備、
という点においては、
まずは、
椅子の並べ方をすべてきっちり同一方向、前向きにすること、
ひとりひとりの座席位置を離してみることも、
対策法のひとつだと思います。
また、
ざわつく原因となる特定の人がいるなら、
横を向いても誰もいない席に座ってもらう、
という手もあると思います。
さらに、
聞き手が横を向かなければ、私語は起きませんから、
たとえ、同じメンバーに話をする場合であっても、
毎回、話の前に、
横を向かないことの徹底を図ること。
そして、
私語をしてもいい講師、というレッテルを貼られないように、
話してもいい時間と、そうでない時間を区切り、
それを事あるごとに、厳格に指示すること。
厳しい姿勢を印象づけ、
ほころびを見逃さないこと。
子供が複数人集まった場合は、
いうことを聞かない子や、だらしない子もいますから、
何らかの罰を考えて、
厳しさの象徴にするという手もあります。
罰は工夫のしどころで、
相手が子供なら、もしものことがあっても困りますし、
逆に、
嫌がられない罰は、罰にはなりません。
ポイントとしては、
こういうことをしたら、
こういう罰がある、というルールを設定して、
周知させること。
全員にそれを知らしめることで、
それがそのクラスの約束ごとになり、
罰を受けることが理不尽なことにはならないのですね。
聞き手に緊張感を与えることについては、
次回の話の中でも取り上げます。

言葉の使い方次第で、前を向かせることができる

そして、言葉で、前を向かせること。
聞き手の注目を集める、ということです。
この点については、
前回の記事でお話ししました。
別に、奇抜なことをやってみせる
という意味ではありません。
聞き手の目がこちらに集まっているときは
私語のない状態であるとも言えるわけですから、
話し手としては
何から何まで言葉で説明しようとせず、
「これを見るとわかるように・・」
「このように・・」
「こうなっているんですが・・」
など、
前を見ないとわからないような「話の見せ方」をしてみたり、
相手が子供などの場合なら、
もっと直接的に、
「前を向いて」
「これを見て!」
と、
きっかけのあるたびに、指示をすることです。
また、
こちらの話の内容が、私語のきっかけになるようなケースもあります。
なんらかの疑問を投げかけるために質問したのに、
それが「相談の始まり」になってしまうことも考えられますよね。
人と相談するのではなく、
「自分で考えて答を出す」という、
考え方自体も育んでいかなければ
ならないでしょう。
そういったことも含めて、
次回は「私語をさせない話し方」について、
かなり具体的にまとめていきたいと思います。

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