早口言葉で練習して「タ行」を綺麗に発音できるようになる方法

「新しい音の出し方を、新しい癖にする」

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
前回のサ行は、音を作るポイントと、息の抜け方で、綺麗さが全然変わりますよね!
そう!大事なのは、どうすればどう変わるか?に気づくこと。後はそれを意識して発音し続ければいいわけですからね。
くまちゃんアナウンサー
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滑舌、発音を綺麗にすることについて、
各論を進めています。

子音にせよ、母音にせよ、
滑舌克服のためにやるべきことの基本原則は、

・正しい音の出し方を理解すること
・一音一音を強く正確に出すこと

これに尽きると思います。

そして、正しい出し方を理解すると、
今の自分のやり方とのギャップを感じるはずであり、

そのギャップが解消できるように、
何度も何度も日常的に、練習すること。

オススメの練習方法としては、

自分が音を出しにくい「言い回し」を見つけて、
それを繰り返すことです。

そのとき大事なのは、

その言い回しが苦手なのは、
どういう子音や母音の変化があるからなのか、

原因を知ることです。

それを考えていく中で、
おそらく初めに、

その子音が強く正確に発音できていない、
というポイントに気付くでしょう。

さらに、
母音の変化が明確でない、という点にも、
思い当たるはずだと思います。

そしてそれを突き詰めていくと、
もしかしたら、

気になっている子音だけではなく、
他の音の出し方が影響していたことに気付くかもしれません。

例えば私の場合、
苦手な発音は、

タ、ナ、ラ、
という、

ア段の大きな口で、
舌で硬口蓋を強く弾く音だと思っていたのですが、

実は、
ニ、ノがはっきり発音できていないことがわかり、

さらにそのあと、
無声子音のカ行やツがしっかり一音分の長さで、

出せていなかったことを理解しました。

そして、
息の吐き方が中途半端だと、
それに続く音が出しにくくなることもわかり、

単なる口を大きく動かすだけの練習から、
脱却することができました。

滑舌の得手不得手は人それぞれだとは思いますが、
ひとつの発音が苦手だと思っても、

実は他の音の出し方が関与している可能性が高いことを
知っておくといいと思います。

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大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
確かに、苦手な音も、それ単独では出せるのに・・っていうこと、多いですよね。

「タ行」の発音の仕組みを知る

どういう音の組み合わせで発音しにくくなるか?に気づくことですね。
くまちゃんアナウンサー
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では、
滑舌を良くする各論を進めます。

今回は、
タ行です。

まずは、
正確なタ行の出し方を知ることから始めましょう。

同じタ行でも、
若干、音の出し方は違います。

タ、テ、トの子音は、
無声歯茎破裂音、

つまり、上顎の前方、歯茎の裏あたりを、
舌で軽やかに弾いて出る音です。

いっぽうチの子音は、
無声後部歯茎破擦音、

ツの子音は、
無声歯茎破擦音で、

舌の弾きではなく、

息を強く吐いて、
こすれる音であり、

ツよりもチのほうが、
やや奥のほうで出す音である、というわけですね。

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大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
発音の仕組みを理解することの重要性、だんだんわかってきました。

早口言葉で「タ行」の発音を考えてみる

発音って多くの場合、生まれて成長してきた間に、無意識にやっちゃってることですから、それを変えようと思ったら、根本的なことからわかることが必要なんですよね。
くまちゃんアナウンサー
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では早口言葉をやってみましょう。

「竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけたのだ」

あるいは、とにかく、
「じゅつ」を綺麗に読むために、

「美術室技術室手術室美術準備室技術準備室手術準備室」
「魔術師手術中、手術中集中術著述」

こんなのもありますね。

タ、テ、ト、と
チ、ツでは、やや趣きは異なりますが、

タ行全体に言えることは、

・調音点が前歯の裏辺りで、口腔内の「前方」に位置すること
・強い呼気を必要とすること

この2点です。

特にタ、テ、トが苦手という人は、
音を出すポイント=調音点が奥まっている、もしくは前過ぎるのではないでしょうか?

そして、
大きく口を開けるのが発音の基本だから、と、
必要以上に口を大きく開けて発音することに、囚われすぎていないでしょうか?

口が大きく動けば、
歯切れのよい綺麗な音が出るのは間違いないのですが、

それによって、
回転が悪くなるのも事実です。

口を大きく動かすことに限界を感じたら、

逆に、口の中の空間を、
コンパクトにすることを心がけるといいと思います。

口腔内を小さく保つようにすると、

この早口言葉のような、
「たけたて」など、

歯茎の裏あたりを舌で軽やかに弾く音を続けるのが、
比較的簡単にできるようになります。

また、
タ行で調音点が奥まってしまうのを防ぐために、

舌の先を歯茎の裏ぐらいに固定したら、
口を閉じて口中の空気を抜いて、

そのタ、テ、トの舌の形を、
強く意識してみるのもいいと思います。

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
口を大きく開けるだけの練習ではダメっていう意味が、わかってきました。

「タ行」のなかでも「チ」「ツ」が違うところ

発音の癖はひとそれぞれですが、「タ」「テ」「ト」の弾く音が出しにくいなら、むしろ口の中を小さくした方が合理的ですよね。
くまちゃんアナウンサー
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また、
チ、ツについては、

とにかく、
一音ずつ、強く粒立てて、息を吐くこと。

上の例の、
魔術師手術中、手術中集中術著述
であれば、

マ・ジュ・ツッ・シ・シュ・ジュ・ツッ・チュー
シュ・ジュ・ツッ・チュー・シュー・チュー・ジュ・ツッ・チョ・ジュ・ツッ

のように、
ツッとしっかり息を吐き出して、

クリーンに音を出すような練習をするといいと思います。

こういった息の吐き方は、
それまで生きてきた、癖に左右されていますから、

新しい音の出し方を
新しい癖にしない限り、

発音が改善できないことは、
ご理解いただけると思います。

大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
最初は早口言葉でもゆっくり強く発音した方が良い感じです!

竹垣に‥の早口言葉は、「カ行」との組み合わせで難しくなっている

「チ」「ツ」は息の音ですから、中途半端になりやすいです。練習の段階ではきちんと一音分の長さで発音することを意識しましょう。
くまちゃんアナウンサー
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最後に、
「竹垣に・・」の早口言葉について付け加えますと、

上記のような、
他の発音に影響されて、その音が出しにくくなっているという要素も、

多分にあると思います。

ここでは、タ行は、
カ行の影響を大いに受ける音の並びになっています。

竹の「ケ」は、

吐く息が
口内の上奥の部分(軟口蓋)に擦れて出る音です。

しっかり強い息を使って、
一音分の長さで発音すべきなのですが、

きれいに摩擦音がでない点が難しいところです。

その「ケ」の直後に
「タ」「テ」という、口腔内の上手前(硬口蓋)で舌をはじく音が続くため、

しっかりと「タ」「テ」の音が出せない場合が考えられますね。

これも読んでみて!  サ行を綺麗に発音するために。サ行はどこから音が出るのでしょう?前歯の間から?

また、
ケが、口腔内の奥の方を使うのに対し、
タ、テが口腔内の前方、歯茎の裏あたりを弾く音ですから、

上下左右だけでなく、
前後の口の使い方にも関わってきます。

そのあたりも、
この早口言葉を難しくしているポイントであると思います。

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大西祐輔(アナウンサー志望)
大西祐輔(アナウンサー志望)
音の組み合わせによって出しにくくなる音があるっていう最初のお話、それが早口言葉なんですね!
遊びのように見えて、実は奥が深い。早口言葉を利用しない手はないですね。
くまちゃんアナウンサー
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