「聞き手が眠くなる、退屈・マンネリを防ぐ」見せながら話すコツ
話のなかに、見せること・ものを、リンクさせておく



「話す場所のメリットを活かし、
デメリットを軽減する話し方」
を身につける為に、
話し手が置かれる環境を
4パターンに分類し、
まずは、
1、教室、ホールなど
外部からは閉ざされ、
演壇、教壇、ステージなどが設置されている環境
ではどうすべきか、
について解説しています。
このような環境で話ができる、
主なメリットは、
・声がよく届き、また注目が話し手に集中することで、
意味内容が正確に伝わること
・話し手自身が、
コンディションを良好に保て、全体を見渡すことができ、
話すことに集中しやすいこと
・聞き手にとっても、
気が散らず快適な状態で話を聞くことができ、聞く集中力が高いこと
いっぽうデメリットは、
・話を聞かせる対象者がそれ以上拡大しないこと
・動きが少なくなること
・話し手のプレッシャーになる可能性があること
・聞き手が限定されることで、
話し手との相性の影響が、相対的に大きくなること
などが挙げられます。
そんな環境のなかでは、
話し手は、
聞き手を個別に認識し、
言葉のプレゼントを贈るような気持ちで話すと良い、
という内容でした。

詳しくは、
前回記事を御覧ください。
今回は、
前回予告した通り、
「聞き手の視線を集め、注意を引きつけるための声掛け」
について、
解説します。
聞き手が限定され、
話し手と聞き手の関係が固定化された環境では、
自ずと、
聞き手の視線が動きにくくなったり、
聞き手の受ける新しい刺激が少なくなり、
聞く意欲が減退する恐れがあります。
最初は聞く気満々で来場した聴衆が、
やがて睡魔に襲われてしまうのも、
このマンネリ化が原因です。
これを防止するためには、
話す内容や構成を工夫したり、
話し方にメリハリをつけたりするという技術が有効で、
それらの方法については、
このメルマガでこれまでにも言及してきました。
今回ご紹介するのは、
もっと単純に、
「聞き手の目を動かすための言葉」
です。

話すときは「見せるもの」まで考えよう

人前で話す時、
同時に考えておきたいのが、
「聞き手に何を見せるか」
ということです。
事前に話の内容を考える時、
ついつい、
話の文言を考えることばかり、気にし過ぎてしまうものですが、
実は、
「話の内容の中に、見せるものをリンクさせておく」
ことが、
とても重要なのですね。
これを意識せず、無意識的に実践している人も、
存在します。
そういう人は、
話が上手、
などと呼ばれるのですが、
実は、
見せ方が上手い、のかも知れません。
いっぽう、
話が退屈な人は、
もしかしたら、
「話が視覚的でない」という原因が有るのかもしれませんよ・・

話の見せ方

プレゼンや講演などで、
紙資料を全員に配布しつつ、
その紙資料と同じ内容を、
パワーポイント×プロジェクターで舞台上に映し出す、
という「話の見せ方」が
よくありますよね。
もちろんこれは、
会場を立体的に演出でき、
話の内容が、
聞き手に伝わりやすいようにと考えられた結果だと思います。
また、
舞台上のプロジェクターに、
現在話しているテーマを表示させながら話せば、
どんなに話が脱線したり散漫になっても、
今、伝えていることはこういうこと、
という主旨は外しませんから、
内容の理解には、
役に立っているはずです。
ただ、
時間が経過し、
そういう仕掛けに慣れてしまうと、
聞き手に対する、
視覚的な刺激という意味では物足らなくなってきますし、
手元に紙資料があるのであれば、
聞き手はだんだん手元の資料ばかりを勝手に読むようになり、
舞台上のプロジェクターは、
うすぼんやりとしか見なくなったりしてきます。
そんな時に効果があるのが、
「話の内容の中に、見せるものをリンクさせておくこと」
そして、
「実際に見せるものを別に用意しておくこと」
なんですね。

プロジェクターに映すものに「必要なこと」
例えば上記のような、
プロジェクターに何かを映しながら話す場合、
話している内容の文章や、
それをまとめた箇条書き、
相関図やグラフなどを映すことがほとんどだと思います。
でもそれでは、
プロジェクターに映像を映す効果を活かしきれていません。
プロジェクターには、
手元の紙資料には載っていない、
「その映像を見て初めてわかること」
を映し出すのが効果的なのですね。
それを映し出すためには、
何を見せようかということまで
あらかじめ考えて、仕込んでおく必要がありますから、
「話の内容の中に、見せるものをリンクさせておくこと」
というのは、
話の内容を考えるのと
同時に進行させなくてはできないことです。
ですから、
話の内容を考えるときに、
何を見せながら話すかを同時に考えることを、
習慣化すべきなのですね。

言葉づかいで、聞き手の目を動かせ!

そして、実際にそれを見せる時。
聞き手の目線が動くような、
言葉を使って欲しいんです。
「結果がこちら!」
「こんな状態・・見たことありますか?」
「うわー、これはすごいですね!」
「ここ、こんなになっちゃったんです。」
などなど、
言い方は無限大です。
ポイントは、
顔を上げて見ないと損、だと思ってもらえるような言葉を使うこと。
逆に言うと、
見てもらいたい物や映像は、
それを見た人に喜んだり驚いたりしてもらうために、
仕込んでおきました・・
というような気持ち、
まるで、
お料理を給仕する名物ウェイター、
ホテルのベテラン支配人のような気持ちが
話し手には必要だと思うんですね。
実は私も、
テレビのレポーターを務めていた時、
こういった話し方をよく使いました。
テレビは「一目瞭然のメディア」ですから、
見て効果的な映像は、
とにかく先に見て欲しいわけです。
しかも、
そろそろチャンネルを変えようかな、
と思われないためには、
映像に集中してもらいたい。
そこで、
映像を見ないと絶対にわからないから、
お手数ですが視線をこちらに下さい・・
というような気持ち、意味合いで、
「ここ!こんなふうになっちゃったんです!」
のような言葉を、あえて使うんですよね。


見せることを計算に入れた話し方のコツ、3ポイント
そしてそれは、
テレビのレポートや、
プロジェクターを使った講義でなくても、
ぜひやってほしい話し方なんです。
だって、
話すことによるコミュニケーションにおいて、
本当に音声だけで伝えるシーンって、
そんなにありますか?
むしろ、話って、
大抵の場合、
映像もコミコミで伝えていますよね?
だったら、
普段から、見せることを計算に入れた話し方を
習慣化すべきなのです。
コツは3つ。
・話す内容に、見せるものをリンクさせておくこと
・見ないとわからないというような言葉を使って、見せること
・説明は、見せた後にすればいい、ということ
この3点です。
わかりやすい例で、
新しい靴を買ったことを話すとしましょう。
話す内容に見せるものがリンクして、
既に目の前にありますよね。
そうしたら、
見せるときには、最初に説明しないこと。
「これ!」
「どう?」
「いいでしょ?」
など、
聞き手が、見て初めて認識できるような言い方をするわけですね。
「これ!」
と言って靴を見せられたら、
「お、新しいね!買ったの?」
「どう?」
と言って靴を見せられたら、
「今日の服装に合ってるね!」
「いいでしょ?」
と言って靴を見せられたら、
「いいね~買ったの?どこで?」
などなど、
そんな聞き手の反応を見てから、説明すればいいわけです。
このように、
見せながら話す、という話し方は、
話を立体的にし、
かつ、活き活きと動きのある話になりますから、
結果、
聞き手の注目を集め、
話のマンネリ化を防ぎ、
話し手を魅力的に見せるのです。

「見せる」を利用すれば、話すことがもっと簡単になる

最後に、
話し手の気持ちを楽にする、重要なポイントをひとつ。
話というのは、
「なんでもかんでも、言葉で言えばいいってものでもない」
ということ。
話は、
見せるものとリンクさせて考えておくのが、大切であり、
そうすることで、
つべこべ言わなくても、もっと伝わることだってあるわけです。
上手に見せながら話すことができれば、
話すという行為は、
もっと簡単になります。
話し方を学ぼうとしている、
このメルマガの読者の皆様にとっては、
少し意外に思われるかもしれませんが、
話すという負担を自分で減らす工夫も、
話し方のコツ。
そのためにも、
見せながら話すという意識を、
もっと取り入れてもいいのではないかと思います。


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