体験談を上手に語れる人になる方法
「話の引き出しが多い人は、話すことで体験談を練っている」


今回から数回にわたって、
「話し方」のなかでも、
「お話(ストーリー)を語る」ことについて、
具体的なテクニックに絞って、
掘り下げていきます。
これまでの「話し方」の記事においても、
「お話の語り方」の根幹に関わる部分については、
カバーしていますが、
ここでは、
表現力を高める具体的な方法について、
さらに追求してみたいと思います。
どういう状況を念頭に置いているか、
というと、
楽しかった話、
怖かった話、
腹がたった話、
その延長として、
怪談や感動秘話など・・
そういえば、
遊園地に遊びに行ったことを例にして、
話の構成の仕方を説明したことがありましたね。(一瞬で話を構成するコツ)
タレントや落語家などのプロでなくても、
自分の体験談を、
面白おかしく話して聞かせる機会って、
意外にあるものです。
先日もカフェの隣の席のOL風の若い女性たちが、
怖かった話をしているのを、聞いてしまったのですが、
自分が怖かった体験談って、
その人にとっては、もう、
怪談なんですよね。
そして、
楽しかったこと、感動したことも、然り。
一種の物語なんです。
そういう時に、
聴衆を引き込む語り方、ということです。

「体験談は財産だ」

まず、
自分の体験談は財産である、と認識しましょう。
自分のことなんて、
聞かせても仕方がない、
相手も喜ばないに違いない・・
ついそう思ってしまいがちなのですが、
「人が聞くに足る話」に
するもしないも、
自分の話し方次第なんですよね。
自分のことなんて、
話しても仕方がない、と思ってしまった時点で、
財産造りを放棄してしまっている、
ということになります。
もったいないことです。
人は誰しも、
自分だけの経験を持っています。
もちろん、
経験したこと自体も貴重なのですが、
それを、
「人に話せる形に練り上げておく」と、
日常会話やスピーチ、プレゼン、講演などで、
臨機応変に披露することができるようになります。
すると、
「話の引き出しの多い人」
=魅力的な人、
と評価されることになります。
これこそが、
あなたの財産なのですね。
そして
そういった、話の引き出しを持っている人というのは、
それを何度か人に話すことで、
話を熟成させていくものです。
面白い話は、
一日にしてならず、なのです。

「体験談は物語だ」

体験談というのは、
既に体験し終わった出来事ですよね。
つまり、
もう結果が出ている過去のこと。
その結果とは、
驚いた、とか、
感動した、とか、
ものすごい偶然だった、など、
自分しか経験していない、
あるいは、
同時体験者が他に何人かいるような、
そういう、
出来事の着地点です。
そして、
その結果に至るまでの経緯があり、
そういう結果を招いた、
原因があるかもしれませんし、無いかもしれません。
原因はわからないけど、
今、思い出すと、その日は不思議な事が続いていた・・
のかもしれません。
状況、原因、経緯、結果、
これら一連の流れを、
ここでは「話の顛末」と呼ぶことにしていきます。
そう考えますと、
私たちの体験談は、
書店に並んでいる小説になるような物語と、
「構成要素としては」何ら違いはないのです。
あとは、
それら各構成要素の規模の大きさと、
複数の話の組み合わせ、
ドラマチックな展開など構成の妙、
描写の巧拙、
その違いだけなのですね。
例えば、
私たちが地面の起伏につまづいて転ぶことは、たまにはあることで、
人に語れるようなストーリーではないかもしれませんが、
転んだ人が、
数千万人に一人と言われる、
絶対に怪我をしてはいけない難病を抱えた人、
という設定になれば、
ひとつの物語になったりしますよね。
これは、
構成要素をひとつだけ、大規模にしてみた例になります。
また同時進行で、
ある所に、
暴走族の恋人をバイク事故で失った、レディース所属の女性がいて、
ひょんなきっかけで、
その難病の男性と出会う・・
これが、
複数の話を組み合わせてみた例になります。
登場人物はそれぞれに生きていますから、
それぞれ固有のストーリーを持っているのは当たり前なのですが、
それが
ひとつのお話として語られることで、
話の深さや奥行きがまるで違ってきます。
昔のドラマみたいな、ありがちな例で恐縮ですが、
こんなふうにして、物語は作られるわけですね。
話を「盛りすぎて」嘘になってしまうと、
信用を失いかねませんから注意は必要ですが、
各要素を、
最大限、効果的に表現するのが、
体験談を面白く語る、
全てのコツに通ずる基本的な考え方です。
次回はこちら(話を効果的に聞かせるテクニック)

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