「方言」を活用する


自分を大きく見せようとする人より、弱みを見せられる人が結局強い。

伊藤朱美(事務職)
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方言にコンプレックスがあるせいか、話すことに消極的になってしまうんです。
方言は、郷土がくれた宝物。自分の個性を魅力的にする武器になる、ぐらいに考えていきましょう。
くまちゃんアナウンサー
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今回は、

「方言を活用する」

というテーマでお話しします。

方言は、
「訛り」などとも言われるように、

どちらかと言うと、
ネガティブな印象があるかも知れません。

確かに、

人前でつい方言を発してしまって、
恥ずかしい思いをした、

とか、

自分の言葉が方言だとは知らず、
後から気づいて愕然とした、

というような経験は、
多くの人が、一度はしているのではないでしょうか。

方言をコンプレックスに感じ、
一刻も早く消し去りたい、

という人もいるかもしれません。

しかし、
方言には、

デメリットだけではなく、
メリットもあるのです。

伊藤朱美(事務職)
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方言のメリットって、何だろう・・
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方言のメリット・デメリット

デメリットの方が、すぐに思いつきますけどね。
くまちゃんアナウンサー
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方言のデメリットは、

・正確に伝わらない
・相手に違和感を与える、それが嫌いな人もいる
・自分が恥ずかしい

一方、方言のメリットは、

・仲間の結束を強める
・くだけた会話で親密感を演出できる
・発言しやすく、自分をさらけ出せる

つまり方言のメリットによって、
その話し手が魅力的に映ることもあるんですね。

ですから、
時と場合によっては、

方言も使わない手はないのです。

結論から言うと、

標準語と方言の違いを知り、身に付け、
状況に応じて、使い分けられるようになろう、

ということです。

伊藤朱美(事務職)
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方言が出ないように気を付けることばかり、考えていたかもしれません・・

そもそも方言とは?

今回の方言の話もそうですが、話し方を変えるには、いつもの話し方と理想の話し方、両者の違いを明確に認識すること、ですよ。
くまちゃんアナウンサー
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さてそもそも、方言とは
いったいなんなのでしょうか?

ひとことで言うと、

全体(全国規模)から見れば
小規模で閉じた地域社会のなかだけで通用する言葉遣い、

だと思います。

言葉の広がりというのは、
人の交流によって起こるもので、

時とともに、
均一化する傾向があるのですが、

そのなかで方言は、

さまざまな要因で、
人の交流が限定された条件下で成立し、
維持されてきたものと考えられます。

それは、

山や川などの地理的要因や、
昔の国境や関所など、人間自身が作った境界線、

そして人間ひとりが歩ける距離の限界という
人間の肉体に起因することもあるでしょう。

いずれにしても、

その土地固有の風土とともに
言葉も熟成されてきたわけです。

方言は
それが話されている地域の文化そのものなのですね。

もっとも、
放送や交通の進歩によって

人と言葉の交流に制限が無くなり、
方言の存在感は、薄くなりつつあるのが現状です。

伊藤朱美(事務職)
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同じ県内でも、藩が違うと方言が違ったりしますしね。

方言が有効なシチュエーション

方言が違うと、すぐによそ者がわかったりして、昔は便利だったんでしょうね。
くまちゃんアナウンサー
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では、
具体的に、方言を使うと有効なシーンを挙げてみます。

まず、
相手が方言の時。

私は以前、
仕事で街頭インタビューをすることが多かったのですが、

相手がくだけた話し方をしていて、
しかも、その人のお国訛りを隠さず話してくる場合、

こちらも、
方言にしてしまうことがありました。

これは別に、
相手の方言を真似するわけではなく、

自分の方言でいいのです。

例えば、
相手が大阪弁でも、

こちらは名古屋弁でいいのです。

人と親しくなりたい時や、
良い言葉を引き出したい時、

話を合わせるだけでなく、
テンションを合わせること。

「思わず方言がでちゃう気持ちの度合い」を共有することが大切です。

特に、
つい「かしこまった話し方」をしてしまいがちな人。
話し方が堅い人。

方言になった途端に、
親しく話せたりするものですよ。

伊藤朱美(事務職)
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方言にすると、キャラ変しやすい、ということですね!

ちょっとカッコ悪い自分を見てもらう

方言だと、急にしゃべりやすくなったりしますよね。そういう利点を利用しない手はありませんね。
くまちゃんアナウンサー
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また、
人間関係で結果的に強いのは、

自分を大きく見せようとする人ではなく、
弱いところを見せられる人だと思います。

方言、訛りが出てしまうのは、
気にしている人にとっては欠点なのですが、

多くの日常生活においては、
それはその人の魅力のひとつです。

例えば、
タレントのダニエル・カールさんは、

外国語訛りと東北訛りがあり、
なんとなく「憎めない」キャラクターを形成していますよね。

方言は、
それを使わない人にとっては、
ちょっと可笑しな言葉ですから、

時に、
笑いの対象になることもあります。

それが辛く感じるのは、
方言がその人にとってまだ治すべきもの=コンプレックスだから。

でも、
考えようによっては、

特に面白いことを言わなくても、
方言のイントネーションだけで人が笑ってくれるわけですから、

方言は、
故郷が与えてくれた財産であるともいえますよね。

ただし、

頑なに、方言を直さない態度が
気に入らないという人もいるので、注意が必要。

一生懸命標準語を話そうとしたけど、
つい出ちゃう、

ぐらいの方言のほうが、
好感が持てるのも事実です。

伊藤朱美(事務職)
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笑われると、笑わせるの意識の違いと同じですね・・

方言のカジュアル感が、会話のハードルを下げる

方言をうまく使えれば、ギャグを言わなくても、愉快な人になれますよ。
くまちゃんアナウンサー
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そして現代では、
この感覚で、

自分は本来、方言を話さないのに、
あえて方言っぽい言葉を取り入れる人も増えてきています。

方言のもつカジュアル感が、
会話のハードルを下げるからです。

とっつきにくいと思われることを嫌う若者を中心に生まれた、
とても繊細な心情の表れだと思います。

方言を取り入れることで、
話しにくい性質の内容が話しやすくなったりすることもあります。

ポイントは、
「その方言の持つ印象」を上手く利用すること。

調子の良さを大阪弁で表したり、
「~じゃけん」と広島弁で、剛毅、朴訥な男っぽい言い回しにしてみたり。

親しい間柄で、
それを理解してくれる相手との会話では、

可愛げのある話し方だと思います。

伊藤朱美(事務職)
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自分の出身地の方言が恥ずかしくても、他の方言なら言えちゃったりして。

方言は、仲間になる、味方であることを示す

方言って、仲間内でしか使わない、挨拶やニックネーム、隠語、符牒にも似ていますね。
くまちゃんアナウンサー
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そしてもちろん、

方言は、
同郷の人同士のつながりを結びます。

地元の人が、普段通りに方言を使っても、
同じ地域の人は何も気付きません。

逆に、
同郷の人同士の会話なのに片方が標準語ですと、

かっこつけている、
壁を作っている、

ように受け取られるものです。

以前、
宮崎県知事だった、そのまんま東こと、東国原氏。

東京でテレビに出ている時は、
特に地方出身だと感じることはありませんでした。

テレビに出演している時と同じように、
標準語で選挙演説をしていたら、

きっと当選しなかったのではないでしょうか。

「どげんかせんといかん」と、

巧みに、
標準語の合間に方言を混ぜることによって、

自分がこの地域の仲間であることを強調しただけでなく、

東京で成功したその人となりを
宮崎県の明るい将来に重ね合わせる、

イメージ作りに成功したわけです。

また、
人気政治家の小泉進次郎氏は、

演説に行ったその地の方言をまず言うことを、
いわゆる「つかみ」にしているようですね。

その土地の言葉を一緒に使うことは、
仲間になる、味方であることを示す、ことでもあります。

言葉はその人自身であり、その人柄を表し、
時として、自分自身を演出する手段になり得ます。

方言を意識的に使える言語感覚があると
それだけで「身を助ける」こともあるわけですね。

そして何より、
もっと単純に、

普段、標準語を話している人が、
たまに方言で話せたりすると、

なんだか「スカッと」する。

しかも、
ものすごく、体の深いところで感じる爽快感。

三つ子の魂百まで、
と言われますが、

子供の頃に染み付いた言葉は、

抑制されて
眠っているだけなんですね。

この爽快感は、
地方出身で、方言を抑えてきた人に与えられた、特権かもしれません。

これも読んでみて!  会話に入れない、話せない時の打開策

と、
ここまでは、

意識的に方言を活用してみることについて、
考えてきましたが、

それでもなお、

人前で話す時は、
標準語で綺麗に話したい、ものです。

次回は、
方言を矯正することについて、考えます。

伊藤朱美(事務職)
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なんだか、方言が素敵なことのように思えてきました。
標準語との違いを認識して、上手に使いこなしてみましょう。
くまちゃんアナウンサー
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