台本は「ネタもと」。台本の用意の仕方、台本を読みながら活き活き話す方法
「仕組み」として言語化したオリジナルコンテンツです。
応用すれば、あなたの話し方も変わります。
「台本をネタもとにしてトークする感覚で」


先日、とある会議に出席した時のこと。
総務関係の職員と思われる男性が案内役として、
今後の日程や活動内容などの説明をしていました。
こういうケースでよくあることなのですが、
その話の内容は配布されている資料にすべて書いてあって、
案内役はそれを読み上げながら進めなくてはならない、
という状態です。
これは話し手にも聞き手にも、
ちょっとつらいシチュエーションではないでしょうか?
聞き手としてこういう場に居合わせると、
なんとも退屈さを感じてしまうものです。
また、話し手にとっても、
ちょっとした(あるいはかなりの)窮屈さ、居心地の悪さ感じながら、
聴衆の前に立っているのではないかと、推測できます。
誰でもこのように、
人前に出て話をしなくてはいけない状況に立たされることがありますよね。
そんなときにまず用意する(される)のが、
「台本」だと思います。
また講師であれば、
「テキスト」を読みながら進める、という形でしょう。
そんなときの話し手になったとき
どうすればうまくこなせるのか?
今回はその点にテーマを絞って解説します。

人は無意識に要点だけを聞こうとする習性がある

私たちは、
たとえそれが、ごくささやかな会議だったとしても
話し手として「うまくやり終えたい」と思うでしょう。
少なくとも、恥ずかしくないレベルで。
この自意識が自分の体を縛ると、
悪い緊張につながってしまうものですが、
それもまた人間。
人情というものです。
今回の話では、
そういうものだ、という前提として先を進めます。
この「うまくやる」というのは、
より「効果的に」
できれば「イキイキと」「印象的に」伝えることだと思います。
そのために何をすべきか、ということです。
まず、いままでもたびたびお話ししてきましたが、
聞き手の集中力は、長く続きません。
そのため、人は無意識のうちに、
「要点だけ」聞き取るようにしているものです。
これを聞き手の立場で意識してみると、
「ここが大切だよ」とか、
「ここからよく聞いてね」とか、
「間違えないでね」とか、
あるいは
「○○なところが、面白いねえ」というような
感想が含まれているフレーズなど、
要点を示す「サイン」が出現すると、
とたんに集中して話に耳を傾けていることが解ります。
ですから逆に「話し手」としては
こうした聞き手の習性を利用するのです。
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書いてあるものが自分の全て、という状態にならない

具体的にどうするかというと、
まず、
「台本」や「テキスト」などの存在と自分の人格を切り離して、
適度に距離をおくことを意識してみましょう。
「書いてあるものが自分の全て」という状態にならない!!
ということです。
例えば、手元にある台本が
自分、もしくは同僚やライターの書いた台詞のようなものなのか、
それとも、まったく第三者の書いたテキストなのかによっても、
台本と自分との関係性は違います。
第三者の書いたものであれば、
それは自分とは全く切り離して、まるで他人事のように思ってみましょう。
「ここにはそう書いてありますね・・」
ぐらいの感覚です。
次に、
ポイントだと思うところに
アンダーラインを引いてみましょう。
赤ペンよりは、
行全体を色付けできる蛍光ペンの方がいいかもしれません。
なぜそんなことをするのかというと、
たとえ自分で書いた台本でも、一言一句書かれていると
話をする際に、結局、それを読むことに縛られてしまうからなのです。
自分自身の言葉を力強くする為には、
一言一句読むことから自らを解放しなければいけません。
そのために、
できれば書いてあるとおりに伝えたい重要ポイントと、
そうでない、細かい言い回しのような部分とは、
分けてしまったほうがいいのです。
これらの行動が、なにを意味しているのかというと、
「自分の『コメントしろ』を作っておこう」
ということです。
『しろ』というのは「のりしろ」などの『しろ』で
コメントを入れる為の余地のようなものです。
ラインを入れることで要点を自分の中で明確化し、
それを「どういう」話にするのか考えるきっかけになるのです。

要点のサインを出す

では、
ラインを入れた要点にどんな話を付けるのか、考えてみましょう。
「ここが大事」とか
「間違えないで」とか、
「ここはいい所ですよ~」とか
「ちなみに紅葉の間に麻雀セットが用意されています」とか、
なんでもいいんです。
そしてそのラインの前、もしくは後に
記入しておきます。
こういった話し手からの生き生きとした情報を、
聞き手は「要点のサイン」と捉え、
自然とそれに関連する話を心に刻むわけです。
本屋さんに数多く並んでいる新刊書のなかで
「店員お薦め」のポップになぜか釣られてしまうのも、
似たところがあるかもしれませんね。
あれも、
手書きのほうが伝わりますよね。
それと同じことです。
作っておいた「コメントしろ」に対してつける、話し手のコメントは、
手書きのポップみたいなものなのです。
そして
実際に話すとき、
読んで伝えるところは
堂々と読んじゃいましょう。
書いてあるものをそのまま読むことに
引け目を感じることはありません。
人が書いたものであればなおさらです。
棒読みだって全く問題ありません。
ここで私たちのすべき仕事は、
それにどんな味付けをして
そこを要点だと思ってもらうか、
というところなのです。
そしてその部分には、
既に線がひいてあるわけですから、安心です。
あなたが注力すべきことは、
「コメントしろ」に対して自分が思ったことを、
しっかり前を向いて語りかければ良いわけです。

台本を「ネタもと」と考える

結局、今回のテーマ、
台本を読みながら話すケースにおいて大事なのは、
「うまく読むことじゃない」ということを
理解していただけたでしょうか。
書いてあるものにコメントを付けながら話を進めるという
このコツを覚えてしまえば、
ほどんどのトークに応用ができます。
上で説明した
アンダーラインを引くという作業をせず、
読みながら、要点に気づいて、話題を広げるという流れを
即興的に同時進行させることができるようになると、
手元に何か「ネタもと」があれば、
1時間でも10時間でもフリートークが可能です。
そう考えると今回のテーマは、
ラジオパーソナリティーの独りしゃべりと全く同じことなのですね!
ぜひ意識してみてください。


© 話し方のコツ|心技体
著者:くまちゃんアナウンサー
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