伝わらないのはタイミングが悪いからかも?確実に言葉を伝える、丁寧な話し方
「仕組み」として言語化したオリジナルコンテンツです。
応用すれば、あなたの話し方も変わります。
「言葉を発するタイミングを工夫しよう」


話すと、時々聞き返されてしまうことがある、
という悩みについて、
お答えしています。
これまでの記事では、
単に不明瞭な発音という原因だけでなく、
ひとつひとつの音の長さによって、
言葉の意味が変わる、という点について、
また、声の小ささを改善し、
良い声になる「姿勢の作り方」について、
解説してきました。
今回は、
これまでとは、やや性質が違う問題点、
言葉を発するタイミングの悪さについてです。

相手を思って話す。心構え、思いやり、察し

これまでも絶えず指摘してきている重要テーマのひとつは、
そもそも、話すということは、
とても自己中心的な行為であること。
だからこそ、
伝わることに意味がある話であれば、
相手のためを思って話すこと、です。
自分の頭に思い浮かんだ言葉を、
勝手に音にして相手に投げかけるのが、
話し手の側から見た、
話すという行為ですよね。
そして、
話し手と聞き手の間をつなぐのは、
「察し」。
つまり、お互いの
とてもぼんやりした思いやりの気持ちが、
会話を成立させているものです。
例えば、
友達同志ふたりの会話では、
お互いに言葉のキャッチボールをしますよ、
という共通認識がありますし、
あるいは、
おしゃべりな人と寡黙な人のコンビなら、
寡黙な人のほうが、
ほとんど話を聞きますよ、という配分も決まるでしょう。
また、授業中の先生と生徒の立場なら、
主に話すのは先生であり、
聞き手である生徒は、
私語は慎むべき、
という認識があるでしょう。
話す、聞く、という
一連の行為のなかには、
「話しますよ」
「聞きますよ」
という、
心構えや、
思いやり、
察し、
が、必ず介在すべきものなのです。
今回、
この記事で言わんとしてる、
「言葉を発するタイミングの悪さ」
というのは、
そういったものが無い状態で、
言葉を発してしまう、
ということです。
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今から話しますよというタイミングを提示する

ところで、話し方の指導などでは、
「えー」
「あのー」
などの口癖をやめよう、
と指摘されることがあると思います。
ここで言う
「えー」「あのー」は、
いったい何故、
発せられている音なのでしょうか?
おそらくそれは多くの場合、
考えながら話している話し手が、
言葉を探している時の間を持たせるために始めたことが、
癖になってしまっている状態だと思います。
しかし、すべての「えー」「あのー」が、悪、
というわけではありません。
実は私は、
あえて「あのー」と言うことがあります。
それが、
今回のテーマ、
相手が言葉を聞き逃さないよう、
今から話しますよ、というタイミングを提示する、
「あのー」なのです。
つまり、
こちらが「あのー」という音出している間に、
聞き手は、
「聞きますよ」という姿勢を整えてくれますから、
その姿勢が整ったのを確認してから、
伝えるべき言葉を発するわけですね。
これに対して、
言葉を発するタイミングが悪いケースでは、
相手の聞く姿勢にお構いなしに、
聞き逃されたくない言葉を発してしまっているから、
必然的に、
「え?何?」と
聞き返されてしまう、というわけですね。

話の主導権を握るためのちょっとした小技

また、
この「あのー」は、
相手から、
話の主導権を奪うという効果もあります。
相手の話が長くて途切れないとき、
なかなか本題に入れなくて困ったとき、など、
そろそろこちらが、
話の主導権を握らなくてはいけない、と思うことがありますよね。
そういう時は、
その話の長い相手が「息継ぎ」をした瞬間を見計らって、
「あのー」とか、
「なるほど、そうですよね」
など、
その時の状況に応じた、
あまり意味のない音を発してみるわけです。
「あのー」であれば、
明らかに、こちらがしゃべりますよ、というサインになりますから、
相手が息継ぎを終わって、
新たな言葉を発したのと、こちらの「あのー」の声が重なったときは、
「失礼しました、その件についてですね・・」
などと、
ちょっと非礼を詫びつつ話を進めるのが、
スマートなやり方だと思います。
それに対して、
「なるほど、そうですよね」では、
単に相槌をうっただけ、とも受け取られかねませんから、
「なるほど、そうですよね、まさにその件についてなんですが・・」
などと、
間髪を入れずにこちらの要件につなげていく必要があります。
このような、
一見、意味のない音を発するというだけでも、
相手を聞く態勢にして、
聞き逃されたくない言葉を確実に伝える効果があるのですね。
もちろん、
相手が聞く態勢にあるかどうかを、
きちんと相手を見て、
目で確認することも大切なことです。

「口の動きという視覚情報」まで提供する気持ちで

このようにして、
聞く態勢が整った相手に言葉を伝えるのは、
そうでない相手に話すのとは、
伝わり方に格段に差が出ます。
そのためのテクニック、話術については、
過去にも記事にしていますので、
ぜひ過去記事もチェックしてみてください。
そのうえで、
もうひとつ、重要なポイントは、
大事な言葉を伝える時は、
きちんと口を見せることです。
たとえば、マスクを着けている人の話が、
何を言っているのか、さっぱりわからないとき、ありませんか?
もちろん、
マスクで音が封じられて、
聞き取りにくくなっていることもあるでしょうが、
それより大きな原因は、
口が見えないことなんですよね。
読唇術のように、
口の動きという視覚情報だけで、
その話の内容を察知できる人もいるわけですから、
口の動きが見える、ということが、
どれだけの情報量を含んでいるのか、
理解できると思います。
相手に向かって、
いつもいつも口を見せつけている必要はありませんが、
これは伝わらなくてはいけない言葉だ、
というときには、
音と一緒に、
口の動きという視覚情報まで提供する、
そんな気持ちが大事になります。
確実に相手に言葉を届ける、というのは、
このぐらいの丁寧さが必要な行為なのですから、
逆に、そういう意識が乏しいときに、
「え?何?」
と聞き返されてしまうのは、
当然と言えば当然かもしれませんね・・


© 話し方のコツ|心技体
著者:くまちゃんアナウンサー
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