「らりるれろ」の発音ができない時は、強く弾け!+母音を伸ばせ!
「早口言葉は、滑舌の筋トレである」
発音、滑舌について、
各論を進めています。
今回は、ラ行です。
まずは、
いつものように、正しい出し方を知ることから始めます。
ラ行の発音について、
ウィキペディアで検索してみますと、
「り」を除く「ら」行音の場合は一般的に、
語頭や、撥音(ん)の後では
歯茎側面はじき音、そり舌側面接近音または有声そり舌破裂音に発音され、
撥音(ん)の後を除く語中、語尾では
歯茎はじき音またはそり舌はじき音に発音される。
「り」の場合は他の「ら」行音に比較して頭子音が硬口蓋化するため、
語頭や、撥音(ん)の後では歯茎硬口蓋側面はじき音、硬口蓋側面接近音または有声硬口蓋破裂音に発音され、
撥音(ん)の後を除く語中、語尾では
歯茎硬口蓋はじき音または硬口蓋はじき音に発音される。
と書かれています。
このように説明が複雑になっているのは、
それに近い音ならだいたいOK、という証、
つまり、
そこまで意識して出し分けている人は少ないはずです。
ざっくり言うと、
そり舌はじき音は、
英語のRに近く、
それ以外にもラ行の音が現れる場所によって、
舌の側面から息がもれるLや、
Dに近い音もありうる、
また「り」は硬口蓋、
それ以外の「ら」「る」「れ」「ろ」は、ちょっと前方の歯茎付近での調音、
ということだと思います。
自分で確かめる方法としては、
「た」「な」「ら」の調音点の違いを
感じてみるといいと思います。
これまでの記事で解説したとおり、
「た」は歯茎破裂音、
「な」は歯茎鼻音で、
「た」は歯茎の裏を弾く感じ、
「な」は歯茎の裏に舌を押し当てて、鼻に響かせる感じであるのに対し、
「ら」は、
それらよりちょっと奥目で、
舌の先端をとても意識している感じ、
ではないでしょうか。
「そり舌」とか「英語のRのように舌をまるめる」などと考えすぎず、
舌の先端を意識するだけで、自然な「ら」が出るはずです。
「アンリルネルノルマンの流浪者の群れ」でラ行の発音を考える。
では、
早口言葉で確認してみましょう。
早口言葉で、
滑舌は良くならない、なんて表現をする人もいますが、
ものごとは何事も、
学ぶ姿勢と方向性さえ正しければ、
どこからでも何からでも、学ぶことはできます。
早口言葉で滑舌をよくする方法は、
まず自分の出しにくい音の並びを知ること、
そして、
その音の並びを、まずゆっくりと粒だてて発音し、
慣れてきたら速く続けてみる。
それを反復練習します。
早口言葉を速く言うのは、
筋トレだと思ってください。
ウェイトトレーニングを続けると、
今まで上がらなかった重さのバーベルが上がるようになりますよね。
早口言葉もそれと同じです。
では、
ラ行でオススメの早口言葉をふたつ、ご紹介します。
◆アンリ・ルネ・ルノルマンの流浪者の群れ
あんり・るね・るのるまんのるろうしゃのむれ
◆コロラドだぞコロラドだ
ころらどだぞころらどだ
この早口言葉を見てすぐに気付くのは、
ラ行の発音を難しくしているのは、
ラ行の音単独ではなく、
ラ行の音が連続したり、
ナ行、タ行(ダ行)が絡んできたりする時だ、
ということです。
「ライオン」と言うのは簡単だけど、
「ワールドカップ」と言う時に、「る」が「う」みたいになってしまったり、しませんか?
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ラ行の発音を綺麗にするコツ、できない時の対処法
では、
ラ行の発音を綺麗にするコツをまとめます。
1、舌の先を意識
2、調音点をやや奥目にしてみること
3、とりあえず全てのラ行の音を粒だててみること
この3点です。
1と2については、
前述のとおり。
ラ行が滑りやすい、曖昧になる傾向がある人は特に、
調音点をちょっと奥に意識してみると、
確実にラ行の音が出るようになります。
ラ行が滑るのは、
調音点が全体的に前方にある人の特徴で、
呼吸も浅い傾向があるのではないでしょうか。
(実は私もこのタイプです。)
いっぽう、
日頃から深いところから声を出している人は、
ラ行は滑りにくい傾向です。
ただ深いところで調音する人は、
音がこもったり、暗くなったりと、
また別の悩みを抱えたりするものです。
そして、3について。
ラ行が滑りやすい人は、
日常会話などでは、
滑ったままの曖昧な音を出しているのではないでしょうか。
そういう私のようなタイプの人は、
なにはともあれ、全てのラ行の音を、おもいっきり舌で弾くことを考えましょう。
前述の「ワールドカップ」にしても、
語尾の「~である。」にしても、です。
わーるッどッかっぷ、
~であるッ。
という感じです。
そうしているうちに、
自分なりのラ行の出し方がわかってくるはずです。
弾くというやり方がうまくいかない時は、
母音を意識して伸ばすようにする、
と子音がしっかり出るようになります。
例えば、
わーるうどかっぷ、
~であるう。
という感じです。
また、
日常会話などにおいても、
この音の後のラ行が出しにくい、
という言葉を発見した時は、
それを反復すると良いでしょう。
無意識のうちに、
そのパターンの発音が克服できているはずです。
ラ行は意識しすぎると、
緊張感が舌に影響を与えてしまうものです。
反復練習で口の動き、舌の動きを体に覚えさせたら、
いざという時は、
「えいやっ」と一気に言ってしまうのが良いと思いますよ。
