相手に満足してもらえる効果的な話し方、聞き手の求めに応じる方程式
「仕組み」として言語化したオリジナルコンテンツです。
応用すれば、あなたの話し方も変わります。
相手に満足してもらうために、より効果的な演出を考える


「話しながら、まとめる」
というテーマの話を続けています。
前回記事は、ここまでのまとめでした。
できるだけ簡潔にお答えしましたので、
例えば、
説明を求められた時に、
「どんなふうに話せばいいのか?」
と、
自分の頭の中の殻に閉じこもってしまうのではなく、
「何を話せば、
相手に満足してもらえるのだろう」
ということから考えたほうが、
結局、話し手にとっても簡単だし、
相手のためにもなる。
大筋では、
ということです。
では、
具体的にどういうことなのか?
その感覚をつかめるように、
今回は、例題で考えていきます。

「相手」×「質問」=「私が答えるべき話」の方程式

Q1,空港などに設置されているテレビで野球中継を見ていたら、
通りすがりの人が声をかけてきました。
「野球はどうなってますか?」
さあ
あなたならどう答えますか?
***
**
*
私ならおそらく、
こう答えるでしょう。
A1,「3対0で巨人がリードしてますよ。
今、8回の表で、
○○投手が完投ペースですね。
得点は、ヒットで一点ずつです。
(あるいは、4番バッターがソロホームランを打ってます、とか)」
Q2,では次に、
同様のシチュエーションで、
話しかけてきた人が
巨人のユニフォームを着ていたらどうでしょう?
質問は同じく、
「野球はどうなってますか?」です。
***
**
*
私の説明はこうなると思います。
A2,「巨人が勝ってますね。
3ゼロです。
打線はヒット8本で、1点ずつ、の3点です
○○投手が粘りの投球ですね。」
同じ状況なのに
ずいぶん変わりますよね!
巨人のユニフォームを着た人からの質問という、
都合のいい状況は、
そんなにはないかも知れませんが、
この例題の意図、
ここで理解していただきたいのは、
◎『説明は、相手次第で変わる』
◎『「相手」×「質問」=「私が答えるべき話」
という方程式のようなものによって、
話はある程度、自然と決まってしまう』
ということです。
前回までの記事のように、
説明をするときにはまず、
この状況では、
どういう説明が必要なのか、
という現状、
「枠」の分析から始め、
相手がどういう言葉を求めているのか?
察知しようとすること。
そうすることで、
自分の頭の中をシンプル化することができ、
どういう結論にすればいいか?
などという邪念に惑わされることなく、
効率的な説明に集中できる、というわけですね。
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決定打を先に示してしまう

では改めて、
私がなぜあのように答えたのか、
細かく見てみましょう。
さきほど挙げた方程式では、
「相手」×「質問」=「自分の答え」ですが、
ひとつめの「野球はどうなってますか?」のケースでは、
その「相手」の素性がわかりにくい状況ですから、
答えも客観的になっています。
どういう嗜好の人でも、
聞いて違和感のない、フラットな表現です。
まず
「3対0で巨人がリードしてます」
と、
試合そのものズバリを表しています。
これが決定打ですから、
相手によってはこの一言でも満足してしまう可能性があるでしょう。
そのような決定打を、
先に示してしまうわけです。
次に相手が知りたいのはおそらく、
そのリードは決定的なものなのか、
それともこのあと、
勝敗に影響があるような波乱の可能性はあるのか?
という、
「状況のニュアンス」でしょう。
そこで、
「8回の表で」
と、現在の進行状況を付け加えています。
そして、
ここから先は追加情報になります。
見ず知らずの人に野球の結果を聞くぐらいの相手ですから、
きっと野球が好きなのでしょう。
野球好きが知りたがることはおそらく、
誰の活躍なのか?
チームの状況はどういう具合なのか?
ということでしょう。
そこで、
「○○投手が完投ペースですね」
「点はヒットで一点ずつです
(とか、
4番打者がソロホームランを打ってます、とか)」
などと答えています。
これによって、
投打の活躍や
打線の調子を知ることができるはずです。
この程度の答えであれば、
巨人ファンではない人に聞かせても、腹を立てることはないでしょうし、
具体名を含ませることで、
その相手は、どのチーム応援のスタンスなのかを、
能動的に、
知ろうとしているわけですね。
この時、相手が、
チッ、と舌打ちでもしようものなら、
アンチ巨人というスタンス確定ですから、
その後の話し方も、変わってきます。
これが、
相手のことを「察知」しようとする、ということ。
「何を話せば、
相手に満足してもらえるのだろう」と考える、
ということです。

相手のスタンス、志向がわかれば、話も変わってくる

これに対して
二つ目のケースでは、
「相手」が知りたがっているのは
「巨人の活躍」ではないでしょうか。
同じ「野球はどうなってますか?」でも
こちらは、
「巨人、どう?」
という質問になっているわけですよね。
そこでまず、
勝ち負けについて答えます。
「巨人が勝ってますよ?」
相手はホッとするでしょう。
次にどのぐらい勝っているかを答えます。
「3ゼロです」
さらに
誰が活躍しているかを説明するのですが、
「○○投手が粘りの投球ですね?」
と、
「どんなふうに活躍しているか」
を付け加えることができるでしょう。
粘りの投球というだけで、
ランナーは出しながらも要所を締めるという、
スイスイとは言いがたい試合進行を表しています。
また
「打線はヒット8本で、1点ずつ、の3点です」
と、
単発のホームランではなく、
打線がつながって点を取ったことを伝えています。

聞き手の求めに応じる方程式

いかがですか?
話をまとめるというのは、
相手に満足してもらうために
より効果的な演出を考えるということと、
同じこと、なんですよね。
話は、
自分ひとりで作りあげて聞かせるものではなく、
実は、
「相手の求めに応じること」なのです。
では、落語の話は、
話し手が作るじゃないかって思いますよね。
でも、
それだって結局、
「聞き手をどう喜ばせるか」×「設定」=「話」
という方程式なのです。
そういうシンプルなことを、
難しく捉えすぎて、
話をしなくちゃいけない!
というプレッシャーが、
人を話し下手にしています。
でもどうでしょう、
聞かれていることに答えるだけなら、
簡単ではありませんか?
話をすることが重荷に感じたとき、
「聞き手の求めに応じる」だけなんだ、
と、気持ちを切り替えてみてください。
その瞬間、
自ずと方程式が生まれ、
頭の中がシンプル化し。
自動的に話が流れ始めます。
そうなって初めて、
話すことが楽しいと思えたり、
それまでのプレッシャーから解き放たれたりするはずです。
そして、
その積み重ねが、
コツを掴む、
会得する、
ということだと思います。


© 話し方のコツ|心技体
著者:くまちゃんアナウンサー
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