意識的に「目の動きを見せてあげる」話し方の演出

ここしばらく、
物語、ストーリーを効果的に聴かせる、

というテーマで
お話を続けてきました。

言葉の選択、声の使い分けと演技、間のとり方、
などによって、

物語の世界を聞き手に追体験してもらい、魅了する、

主にそんな内容が
中心になりました。

(詳しくは過去記事を御覧ください)

説明力をアップさせる「繊細な描写力」

「声の出し方」で話し方の表現力を高める方法

「語るのが楽しくなる」話し方の技術(前編)

今回は、
お話を語る時の、話し手の見た目、

特に目線についてです。

話をする時の自分の外見、見た目など、
一所懸命に話していれば、問題ない、

とも思うのですが、

そこは、
物語を披露するケースですので、

多少は、演出が入った方が効果的であることは、
間違いないと思います。

まず、

表情やゼスチャーなど、
話し手の見た目に関する基本的な心得としては、

以前にこのメルマガでお伝えしました。
話す時の体の動き、ゼスチャー、身振り手振りの見せ方のコツ

ひとことで言うならば、

「動きが変わる瞬間を見せる」気持ちが大事、
ということ。

どういう佇まいで居るか、
ということよりも、

例えば、

無表情から笑顔になる、その時、
うつむきから、グッと前を向く、その時、
前で組んでいた手を、高く上へと挙げる、その時・・

など、

話しながらの表情、身振り手振りにおいては、
動きが変わるその時こそに、意味があり、

その瞬間を見てもらうこと、
見てもらおうとする気持ちこそが、重要なのですね。

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「伝え方の性質の違い」で目線を使い分ける

そういった基本的な心得を踏まえたうえで、
表情、特に今回は目線をどうしたらいいのか、考えていきます。

ストーリーを語る時に、
その内容となるのは、

説明と再現ドラマだ、

という話は、
このシリーズの最初のほうでお伝えしてきました。

そして表情も、
説明部分と再現パートでは、変わるべきだと思います。

それは、
伝え方の性質が、全く異なるからです。

まず状況説明で、
聞き手との情報の共有を図っている時には、

それこそ、
ストレートニュースを読んでいる時のような、カメラ目線、

つまり、

聞き手と正対し、
目を合わせたり、たまに外したり、

というぐらいのスタンスが、
ちょうど良いと思います。

そうすることで、
今、お伝えしている情報が、嘘じゃなくて、
信じるに足るものだ、という姿勢を示すとともに、

聞き手がそれをきちんと理解しながら聞いているかを、
その雰囲気で知ることもできます。

それに対して、
再現ドラマでは、

カメラ目線ではなく、
視線を少し外す感じで。

これは、
テレビや映画の登場人物が、カメラを見ないのと、
同じことです。

何故かと言うと、

「目線は、現実」
だからです。

リアルな、
あなたと私の関係になってしまうのですね。

なるほど!

お話を語るときの再現ドラマパートの目的は、
聞き手に物語を追体験してもらうことですから、

できれば、
そのリアルな関係を、忘れてしまうぐらいに、

引き込みたいわけですよね。

だからこそ、
目線を外すのですね。

どうしても相手の目を見てしまう場合は、
ピンポイントで目を見るのではなく、

ざっくり顔全体、
おでこや鼻を見るような気持ちで。

眼の焦点がピンポイントなのか、
ざっくりなのかは、

相手も察知できますから、

全体をざっくり見ている目であれば、
聞き手も現実に引き戻されることも少ないかもしれません。


「動きが変わる瞬間を見せる」意識で

そして、
さきほどお話しした、基本の心得。

動きが変わる、その瞬間を見せること。

視線であれば、
説明パートから、再現ドラマパートに移行する時に、

目線をパッと外す瞬間を見せる。

体全体が動かなくても、
目が動くだけで、

聞き手は何かを察知するはずです。

・虚空を見上げる、
・あるいは、目線を落とす。
・カッと見開く。
・焦点を変える
・目を閉じる。
・ギュッときつく目を閉じる
・キョロっと目玉を左右に動かす
・目が飛び出すぐらいに力を込める
・目玉を震わす(ぐらいの気持ちを込める)
・目を充血させる(ぐらいの気持ちを込める)

それだけで、

「あ、ちょっと物語に入ったな。」
と感づくわけですね。

そして、
ストーリーを語るのであれば、

再現ドラマと説明パートの機会が、
交互に訪れるわけですが、

ドラマから説明に変われば、
また、相手と目を合わせる・・

こういうメリハリが、
目の動きにもあると、効果的、ということです。


聞き手の感度、コミュニケーション能力を利用する

コミュニケーションに敏感な人であれば、

このぐらい僅かな目の動きひとつでも、

相手の心理状態の変化など、
そこに意味を見出してしまうものです。

改めて考えてみますと、
それはちょっと恐ろしいことでもありますね。

でもそれは、
言葉を換えると、

相手のコミュニケーション能力をうまく利用すると、
お話を、より効果的に演出できる、

ということ。

これは聞き手の「感度」にもよりますから、
その度合によって使い分ける必要があります。

役者さんの
テレビでの演技と舞台での演技が違うのと同じです。

舞台上で目だけ動かしても、
伝わりませんから、

舞台の役者さんなら、
目を動かしたぞ、という演技を、

体を使って表現するわけですよね。

そういう使い分けが、
語り手にも、あるといいな、ということです。

そして今回の記事では、
ストーリーを語る時、というテーマではありましたが、

目線を合わせる、合わせない
という原則的な話は、

コミュニケーションにおける
ほとんどの状況にあてはまることで、

人間関係の構築という意味でも、
大いに関係してくるところです。

相手の目をどのぐらい見ればいいのか?
困っている人もいらっしゃると思います。

【関連記事】

話す時、どの程度「相手の目を見たら」良いか?

話す時の「目の合わせ方、切り方」のコツ

この原則にのっとって、
相手の目を見ることの意味を考えてみると、

少し応用ができるのではないかと思います。

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