体験談など、
ストーリーを語って聴かせる時、

聞き手に、

そのお話を追体験してもらって、
お話の世界に引き込むために、

考えるべきこと、
やるべきことを、

ここ数回にわたって、
追求してきました。

特に前回は、
話す情報や言葉の「選択のセンス」についての話をしました。

(詳しくは過去記事を御覧ください)

「自分らしい切り口」の話をするためには

「自分らしい切り口」の話をするために、情報や言葉の選択眼を磨く

説明力をアップさせる「繊細な描写力」

今回から、
その最終章となります。

具体的に、
どういう声や表情、身振りなどで、

表現したらよいか、
というテーマです。

◆この記事の著者がメールとスカイプで個別指導します◆

意識的に話にメリハリを付ける

過去にご紹介したことがありますが、

話し方において、
究極の技術とは、

あらゆる要素における、
メリハリ、ギャップの駆使、活用です。

声の強弱、高低はもちろん、

表情の変化や
体の動き、

そして、
内容、構成に至るまで、

考えうるすべての要素において、です。

もちろんそれは、
物語を語る時にも当てはまります。

例えば、内容や構成におけるメリハリで言えば、

楽しい話があった後には、
怖い話がより恐ろしく感じますし、

不幸な話が続いた後には、

小さな幸せや希望が、
より輝いて見えるものですよね。

簡単にいうと、
これが内容のメリハリです。

 

話を意図的に演出する気持ちが、話し方を向上させる唯一の方法

メリハリ・ギャップを活用する話し方が、
なぜ究極なのかというと、

その効果が大きいこと、

そして、
意識しないとできないこと、だからです。

話す、というのは、

基本的に、
自分が思いついた話題を、
自分の選んだ言葉で言い表すことですから、

自分が意識すれば、
いかようにも変化させられるもの、ですが、

逆に言うと、
意識しなければ、ただそれだけのもの、

になってしまいます。

その「意識」とは、
話を意図的に演出する、という気持ちです。

なにも考えずにおしゃべりしているだけでは、
到底、突破することができない壁がそこにあります。

しかも、
可能性は、無限で、深淵。

だからこそ、
メリハリは、究極のテーマなのですね。

 

まずは声に変化をつけてみよう

そして、
ストーリーを語る時、

声で変化をつけようと思うなら、

まず、
声の大小・強弱と、無音、

を意識するのがいいと思います。

声の高低の変化も、
もちろん、あるに越したことはないのですが、

高低の変化は、
普段から練習していないと、
自分が思うほど、大きく変化しないものです。

だからこそ、
高低の変化を付けるのがうまいと、
ものすごく話し上手に聞こえるのですが、

それよりも、
手っ取り早く、効果が大きいのが、

声の大小と、
無音、つまり間である、

ということです。

なぜ最初に、
声の大小を取り上げたか、というと、

その効果の大きさに加えて、

意識的に、
そのテクニックを使ってみようと思わなければ、

なかなか普段のおしゃべりのレベルでは、
声の大小を駆使することは少ないですから、

大小を意識してみるのが、

いつもの話し方に彩りを与える良いきっかけになる、
という側面もあります。

声の大小を使い分ける

普段の会話などで、
声を小さくするのは、

どんな時でしょうか?

ナイショ話、うわさ話、
あるいは、親密な話・・

それはつまり、

他人に聞かれたくない、
あなただけに、

という性質があります。

これを、
語りのなかで使うと、

聞き手が耳をそばだてて、
聞くことに集中し、

それがあたかも、
自分だけに語られていることのように感じ、

まさに、
そのお話を追体験したようになるのですね。

お話を語って、
聞き手を引き込む時に重要なのが、

この、聞き手の追体験ですから、

語りの中で、
声の大小を使い分けるというのは、

とても理にかなっています。

なるほど!

 

声を小さくする表現

では、
どういう場面で、声の大小を使い分けるか。

まず、
ひっそりとしたシーンを語る時には、

声を小さくしたほうが、
リアルな再現性がありますよね。

本当に静かな場面はもちろん、
静かな印象を与えたい時に有効です。

また、
内面の心理を描くとき、

例えば、
自問自答や、
穏やかな心理状態にも、
声は小さくするといいと思います。

声は小さくても、
力強いトーンで発音する、

なんていう、
一見、矛盾するような表現の仕方も、

私たちは声で、
実現することができますから、不思議ですね。

そして、
すぐ後に、大きな声を使う時。

その前に、
小さな声にしておくと、

驚きや感動など気持ちの昂ぶりを
大きな声での表現するときに、

メリハリが生じて、効果的です。

 

声を大きくする表現

いっぽう、
意図的に大きな声で表現すべき時。

もちろん、
大きな音を再現する時は必要ですね。

あるいは、
内面的な衝撃、

驚きや怒り、
悲しみと慟哭・・

感情の昂ぶりと同時に大きな声は出しやすい、
という人のほうが多いのではないでしょうか。

ですから、
意図的に小さな声、のほうが、やや難しいと思います。

語るお話が決まっているのであれば、

どのパートは小声で、
どこで大声でと、

あらかじめ考えておくと、
よりスムーズに表現できると思います。

声の使い分けが上手になるには?

声の大小の使い分け、
コツは、ただひとつ、

自分の話の中に、
声の大小を取り入れてみようという、

意識を持つこと。

このメルマガでは、
なにかにつけ、

意識を持ってやることの重要性を
述べているのですが、

意識的にやる、というのは、

・そういう表現法があるのか!という「認識」がまずあって、
・自分の話し方に取り入れてみようという「意識」を持ち、
・それを自分の体が「実行」し、
・いつでも「再現」できるようになる、

ということです。
するとその後に、

・意識しなくてもできるようになり、
・それが、自分の得意技、持ち味になっていくのですね。

ですから、
話し方を磨こうと努力し始めると、

自分が抱えるテーマが多くなってきて、
越えられないハードルに悩むこともあるかもしれません。

意識しすぎて、
不自然になってしまうこともあります。

でも、
それを乗り越えないと、
本当の自分のものにならないものです。

私はアナウンサーですから、
日々の仕事の中で、
そういうことを繰り返してきました。

時には、
テーマを設定しすぎて、

アナウンサー生命も
これで終わりか!!?

と思うほど、
失敗することもありました。

でもやはり、
ハードルを意識的に設定して、乗り越える経験を積むことだけが、

技術を高める唯一の方法だと、
確信しています。

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◆アナウンサー熊谷章洋のプライベートブログ