「話さないままでいると、最悪、敵認定されてしまう」

話すという行為には、
実は、とても大きな労力を要しています。

伝えたいという何かがあって、

あるいは、
伝えたい事は特に無くても、
何らかの関係性を維持するために、

伝えるべきことを言葉にして、
時には、効果的な構成・演出を考え、
相手の状態を考慮し、
できれば喜んでもらったり、ためになったりする内容で、
相手に届く声を出して、
時には、身振り手振り表情を駆使して、

情報の正確さや、発音やアクセント、話す時の容姿に
注意が必要なときは、それを意識しながら、

そして、
そこからやり取りが継続するのであれば、

相手の言うことも聞き、
その内容を理解して、何かを思い、考え、
適切に言葉を返す、

それが、
話すという一連の行為になっています。

もちろん、
それを負担に感じる人もいれば、
全く負担に感じない人もいるでしょう。

また、
負担に感じる時もあれば、
全く負担に感じない時もあると思います。

話すモチベーションが高ければ、
話すこと自体は、
苦もなくできることでしょうし、

その逆もあるでしょう。

「話すモチベーション(動機と意欲)」は、
人それぞれだったり、
ケースバイケースだったりするわけですね。

 

話す動機や意欲はどこからやってくるのか?

では、

話す動機と意欲は、
どこから生まれるのでしょうか?

自己表現できる快感、
他人に認められたい欲求、
会話の楽しさ、
良好な人間関係の構築、
感情や情報を共有できる喜び、
相手を楽しませたいというサービス精神、
スピーチや講義など仕事や義務をやり遂げたい気持ち、

などが挙げられます。

いっぽうで、
それらを阻害する要因としては、

前回列挙したように、

口を開くのが、
面倒だったり、億劫だったり、

肉体的にだるい、
相手がいない、

他の人の話に圧倒された、
他の事で頭が一杯、
自分が話すまでもない、という他人への依存心、
いい言葉を思いつかなかったから、不完全な話をしたくないという完璧主義、
物事への無知、無関心、
人への無知、無関心、
自分の抱える話し方のコンプレックス、
言って失敗するのが嫌だという自己保身、
人間関係への恐怖心、

・・など、

心理的な要素が、
とても複雑に絡み合っているものと考えられます。

つまり、

話すことを阻害する要因を、
話す意欲が上回るから、

自然に、
話ができるわけですが、

話したい意欲がなくても、
話さなくてはいけない局面もあれば、

話す意欲があるのに、
話せないシーンもありますから、

それぞれに、
その状況を突破する話し方が必要になるのですね。

 

話す意欲はあるのに、話せない時

さて今回は、

話す意欲はあるのに、
なかなか話せない時について、

考えてみましょう。

会議での発言や、
会話への参加など、

話す機会はあり、

その場で話をしてみたい、
という気持ちはある。

でも、
なかなか発言まではすることができないケースです。

発言を阻害する要因は、
上記のような、何か、でしょう。

しかし、
意欲はあるものの、
阻害する要因を突破できずにいるわけですね。

そういう状況を打破するには、
どうすればいいのでしょうか。

考え方としては、

重い口を開くために、
助走期間を作ってみる、ということです。

会話に飛び込めないのは、
ほとんど3人以上の場面だと思います。

その中で、
まずは、自分と話が合いそうな人を意識しましょう。

そして
その相手の目を見ながら話を聞き、

うなずく。
にっこりする。

そしてそのうなずきを、

「ええ」とか「はい」など、
音にして、相槌をうってみる。

また、笑いが起こるような発言に対しては、

「ハハッ」とか「ウフフ」などと、
音を出して笑ってみる。

すると、
その相手が、

こちらに話を振ってくれるようになるかもしれません。

これは他力本願的なやり方ですが、

話を振られるというのは、
いい意味で、発言が強制されることですから、

これによって瞬時に、
話す動機が発生するわけですね。

 

まずは会話の参加者として認識されること

もちろん、
話を振ってくれない場合も考えられます。

むしろ、
そのほうが多いと思います。

上に挙げました、

無言のうなずき→声を出した相槌
無言の微笑み→声を出した笑い、

これをちょっと発展させていきます。

賛同なら→「そうですね!」
驚きなら→「へえ~!」
嫌なら→「えぇ~!?」

など、

少しずつでもいいですから、
今の話の流れに、
声で参加していくわけですね。

ポイントは、

心が動いたことに対して、
素直に、
すぐに、
リアクションすること。

こうすることで、
発言をしていない人でも、

少なくとも、
その一連の会話への参加者として、カウントされるのですね。

それが重要なのです。

会話の参加者として認知されれば、
発言を求められるのも時間の問題でしょうし、

なにより、
その会話の場面が、

自分にとって快適なものになってきます。

「受け入れられている雰囲気」が感じられるのは、
話しやすい環境の条件ですからね。

阻害する要因の壁を
低くすることにつながるわけです。

発言しやすい環境を、自分で作る

あとは、
自分が声にした相槌などを、

自分なりに、
自分らしく、

発展させていくこと。

驚きで「へぇ~!」が言えたら、

「びっくり!」とか「驚きです」「初耳です」とかも
言えるはずですよね。

そうやって、
その環境の中での存在感を高めていけばいいのです。

面白い発言や受け答えの仕方については、
また別の機会に譲りますが、

なにはともあれ、

この、
自分の心が動いた発言へのリアクションが重要なのです。

それはなぜか?
と言いますと、

賛同を、そうですね!と言ってみるとか、
驚きを、へぇ~!!と声に出してみるなどの行為は、

自分の意見を述べているのと、
同じことなのです。

複数人グループにおける話し合いにおいて、
最も不審に思われるのは、

何を考えているのか?
賛成か反対か?
敵か味方か?

わからない人なんですね。

そんなときに、
もしあなたが、

話したいけど話せないモードのまま、
無表情で黙っていたとしたら、

周りの人達は、
どう思うでしょう?

本当は、
自分の中の心理的な要因で話せないでいるだけなのに、

「この人は、今ここで話し合っていることが不快に違いない」
と、

不本意な誤解を与えてしまい、

最悪の場合、
「敵認定」されてしまうわけですね。

ですから、
今回のテーマのような、

「話したいけど話せないモードを突破して、
会話に参加できるようになる」のは、

自分の為になる、
とてつもなく、有意義なこと、

だと思います。

もともと
話すのが苦手な人はもちろん、

環境やメンバー構成などによって、
どうしても打ち解けるのが難しい状況を抱えている人は、

すぐに試してみることを
オススメします。