「相手にとって聞く意味がある話かどうか?」

今回は、

話を充実させて
聞き手を満足させる方法について、掘り下げていきます。

言葉数が少なく、
話の内容が薄いために、

聞き手が、

「え、それだけ?」

と思ってしまうケースがありますよね。

この場合、

聞き手は何故、
その話に満足できないのでしょうか。

それを探るために、

例えば、
ニュース原稿だったら、

どこまで聞けば、
そこそこ満足できて、

満足できないのは何が足らないからか、

考えてみましょう。

1、
「どこどこで、○○祭りが行われました。」

2、
「今日、どこどこで、○○祭りが行われました。」

3、
「どこどこで、○○祭りが行われました。
10万人の観光客で賑わいました。」

4、
「東京丸の内のビジネス街で、
戦国時代の鎧兜を着た兵士が練り歩く祭りが行われました。」

5、
「どこどこで、○○祭りが行われました。
私も行ってきましたが、とても楽しかったです。」

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1、どこで何があったという事実だけを伝える文章の場合

ニュースで言えば、
ただの表題、リードのような部分です。

これを聞き手が聞いた時、
どういう感想を持つでしょうか。

「へえ、行われたんだ。」

ぐらいでしょうか。

ただし、

どこどこという場所や、
○○祭りというお祭りに、ものすごくシンパシーを感じる人なら、

「あのお祭りかぁ~」
と、

これを聞いただけで、
とても感激する可能性は考えられます。

 

2、1に加えて、「いつ」「when」の情報が入った場合

ニュースが放送されるのは、
たいてい、今日の話題ですから、

この原稿に今日という情報が
加わろうが加わるまいが、

そこに「ほう!今日か!」
と思う人は少ないでしょう。

ただし、
同じ「いつ」という情報でも、

「今日午前零時ぴったりに」
だったらどうでしょうか。

聞き手はこれを聞いたら、

「午前零時に始まることに、なんか意味があるんだな。」
と感じるでしょう。

 

3、〇万人の観光客が来た、という事実だけを加えてみた場合

10万人という数が、
多いのか、少ないのか、微妙ですね。

ただ、

お祭りがあって、
観光客が来た、

という文脈は
とても「座り」が良く、

ニュースとして、
これだけで満足する人も、現れる可能性はあります。

それは、

お祭りがあって、
その結果として、何人来た、

という
情報の因果関係が完結しているからだと考えられます。

そしてもう一点、

例えば、
このお祭りが、

住民がたった50人の山村で行われたとしたら、
10万人の観光客が来たという情報の意味が、

まったく別物になりますよね。

「へぇ!人口の2000倍の人が来ちゃったんだ!
トイレとか、大丈夫かな?」

などなど。

聞き手が何らかの感想を持ったり、
想像を膨らませたりするのは、

聞き手の心が動いたということです。

 

4、「情報の意味」を聞かせるための文言を加えた場合

どこどこで、
○○祭りが行われた、

という事実を言っていることには
変わりはありませんが、

それぞれに、
それがどういうものなのかという情報を追加したことで、

「ビジネス街に、戦国歴史絵巻!」

のような、
特筆すべき出来事を伝える文章になりました。

「特筆すべき出来事を伝える、
すなわちそれがニュース」

なんですね。

そして、特筆すべき情報は、
人の心を動かすのです。

 

5、情報番組の「VTR振り」のような言い方にしてみると

「私も行って、楽しかった!」
と言われたら、

「え~、いいな~。で、どんなふうだったの?」
と、

話の続きが聞きたくなりますよね。

5の文章は、
情報としてはスカスカなのに、

とても力強く感じませんか?

楽しかった、なんて、
ありふれた感情表現なのに、

これがあるとないとでは、
話の充実感がまったく違うことに気付きます。

この項目でのポイントは、

「私の話をした途端に、

一般的なニュースが、
わたしとあなたの話になった。」

ということです。

「わたしとあなたの話になったことで、
聞き手には聞く意味が発生した」

ということです。

ここに、
話し方を魅力的にする、大きなヒントが隠れていると思いませんか?

1、の文章で、
「あのお祭りか~」と感じた人の感情と同じです。

例えば、
1、の文章を、

「私が住んでいる人形町で、
○○祭りが行われました。」

にしたらどうでしょう。

「へぇ!人形町って人気があるよね。」
「下町っぽいところが良いよね!」
「どんなお祭りなの?」

と、
急に話が膨らみますよね。

わたしとあなたの話になる、
とは、

こういうことです。

聞き手が魅力を感じる話とは

ニュースなどの情報を
正確に伝えるには、

5W1Hが必要、
などと言われますが、

私たちが日常行う話を魅力的にするには、

そういった情報を揃えることが問題ではないことが、
なんとなく見えてきましたね。

1~5までに挙げてきたポイントをまとめると
こうなります。

聞き手が満足する話というのは、

・聞き手の心が動く話
・情報が、ある程度、完結していること

であり、

聞き手の心が動く話というのは、

・特筆すべき情報
・わたしとあなたの話

のような、
聞き手にとって「聞く意味」があること、

なのだと思います。

そしてそれこそが、
「話す意味」でもあるのですね。

(もちろん無意味を楽しむ話も存在しますけどね・・)

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