「大事な言葉を注意深く言う習慣」

早口になる心理状態は、

「頭の中のイメージを、早く言葉にして、言い切ってしまいたい」

という、
焦りの気持ちであることは、

前回お伝えしました。

早口はなぜ起きるのか。

そういう心理状態になるのは、
大きく分けて3つのケースが考えられます。

・それを伝えること自体を、
大して重要だと思っていない時、

・嬉しい、怒り、悲しみなど、
感情が高ぶっている時、

・それを伝えることに、
プレッシャーを感じている時、

以上の3つです。

 

伝える内容の重要度が低いと認識している時

ひとつめの、

それを伝えること自体を、
大して重要だと思っていない時。

例えばこんなことはないでしょうか。

自分にとって重要な相手に対してお礼を言う時は、
きちんと、

「ありがとうございます」

としっかり時間をかけて発音するのに、

ほんの掛け声ぐらいの軽い気持ちで
お礼を言うと、

「あざーす」

になってしまったり。

これは、
伝える内容の重要度が低いと認識していることで、

その言葉にかける時間が
意識的あるいは無意識的に短くなっていることが考えれられます。

ただ、
これにもメリットはあって、

時間をかけずに短く言うことは、
「軽くて親しいニュアンス」を表現することができます。

知り合って随分経つのに、
いつまでも丁寧すぎると、

相手に
壁を感じさせてしまうこともあるかもしれません。

そこは使い分けですね。

 

感情が高ぶっている時

ふたつめの、

嬉しい、怒り、悲しみなど、
感情が高ぶっている時。

つまり、
言葉にしたい欲求が強いために、
早口になってしまうケースです。

これは同時に、

笑い顔や泣き顔などで、
口の形が変わって、

正確に発音できなくなっていたり、

笑い声や嗚咽などが混じることで、
更に聞き取りにくくなることもあるでしょう。

また、
面白いことを考えて、
早くそれを言いたい時も、

このカテゴリーに含まれます。

口が早くなるだけでなく、
話の段取りまで忘れて、

せっかくの面白さが半減してしまったりすること、
ありますよね。

人を笑わせたい時、

肝心の言葉が聞き取りにくかったり、
話の段取りを間違えたりするのは、

最悪の失敗です。

話の面白い人、
よく人を笑わせる人は、

そういう大事な言葉を発するときは、
むしろ、
「高まる話したい欲求」を抑えているもので、

笑いのプロは、
人を笑わせたいときは、自分では笑わないのですね。

そしてそれは、
笑いだけでなく、

しっかり話を伝えるということ全般において、
共通して言えることだと思います。

 

プレッシャーを感じている時

みっつめの、

それを伝えることに、
プレッシャーを感じている時。

話す内容や自分の存在自体に自信が無かったり、
聞き手、聴衆の目が気になったりする時に、

早口になったりしますよね。

こういうケースでは、
程度の差はありますが、

話すことが義務的になっていて、

それを早く終わらせたい、
というような気持ちが働いているようです。

このように、早口は、

話をしようとする自分の心に、
なんらかのストレスがかかることで、

冷静さを欠き、コントロール不能になったり、

あるいは、
相手への配慮を欠いた心理状態の結果であると考えられます。

ですから、
それを改善するのであれば、

話している最中の自分自身の意識をしっかり保つことが、
なにより必要になってきます。

 

話している最中の意識をしっかり保つために

まずは
気持ちで割り切ってしまいましょう。

そのためのポイントを、3点。

・相手をきちんと意識すること。
そして、せめて重要な言葉だけは、はっきり伝えようと思うこと。

・自分の話は相手にとって「聞くに足る内容である」と、
自信を持つこと。

・話すということは、
その言葉分の時間がかかって当然のことだと割り切ること。

これが、

早口にならずに、
きちんと伝える心構えです。

全部の言葉をしっかり伝えようとしなくていいんです。

話は文脈で、
わかるものです。

しかし、
重要な言葉は、聞き逃されないようにしなくてはいけませんし、

これは重要な言葉だ、という意識が、
「相手に伝わることを大事にする気持ち」に直結します。

ですから、
大事なことは、注意深く言う習慣をつけることが、

早口を治したり、
よく伝わる話し手になるうえで、

一番の近道だと思います。
ものすごく、当り前のことなんですけどね・・