「緊張感を与えることも大事」

 

気分が高揚し、
話すモチベーションが高まれば、

概して、
人は饒舌になるものです。

もちろん、
それぞれ、その度合いは違いますが。

人から話を聞く立場、
会話を仕切ったり、言葉を引き出す役割のある立場の人にとっては、

相手にたくさん言葉を発してもらえれば、
それでいいのか、

というと、
そうでもありません。

ほとんどの場合、

言葉の数が増えれば増えるほど、
話の内容が薄くなりますし、

テンションが上がると、
無駄口が多くなり、
楽しいことだけを追求しがちになります。
同時に、
自分の言葉への責任感も希薄になりがちです。

ポツリポツリ、
ゆっくり話す相手のほうが、

含蓄のある話を
語ってもらえたりするものです。

 

相手が自分と向き合う時間を設ける

相手から、
うまく話を聞き出す方法として、

まずリラックス状態を作り、
さらに、テンションを上げることで、
相手の話すモチベーションを高める、

という話を進めてきましたが、

最後の段階で必要になるのは、
相手が自分と向き合う時間を設けること。
そのためには、
実は、ちょっとした緊張感が必要なのです。

つまり、
相手が少しドキッとして、
自分を顧みたり、

その人が真の姿を垣間見せるきっかけを
提供する、ということです。

 

思い出させること

具体的には、
どういう言葉を使えばいいのでしょうか。

人は、
今、目の前にあるものごとの話になると、
条件反射的に、言葉を発してしまうものです。

テンションが上がっている時にはなおさらで、

威勢は良いが内容が薄い話になってしまうのは、
たいてい、そういうケースです。

ですから、
相手が自分を顧みるきっかけを提供するためには、

今、ここにない何ものかの話、
そして、
その人自身の内面、考えについて質問するのが、基本になります。

なかでも、
最も有効なのが、思い出させること、です。

 

心の深みから言葉を絞り出してもらう

多くの人が一度は見たことがあるわかりやすい例として、
プロ野球のヒーローインタビューを想定してみましょう。

Q、今日のヒーローは、
○○さんです!

A、「ありがとうございます~」

この段階は、
目の前のものごとについての、表面的な受け答えです。

Q、絶好調ですね。好調の原因は何ですか?

A、「いい練習ができているからです~」など・・

これは、少し、相手の見解に踏み込んではいますが、
現状の分析、解説ですから、
相手への負担は、少ない質問です。

Q、今日のホームランを振り返って下さい。

A、「外野フライが欲しい場面だったので、
内角に来たストレートを思い切り振りました・・」などなど。

これが、思い出させて、
相手が自分を顧みるきっかけを提供する質問です。

質問の仕方はさまざまで、
そこは腕の見せどころになります。

さらに、質問次第で、
相手を、自身の心の深いところまで到達させることだってあるでしょう。

Q、去年を思い出しますと、ちょうどこの時期は大変でしたね・・

A、「大きな怪我と手術があって試合に出られず、また、父が・・(涙)」

などなど。

相手がなかなか話し出さなければ、

「その時、お気持ちはどうだったんですか?」
などと、直接的な質問をしてしまう手もあります。

これが、

思い出させることで、相手に緊張感、負荷を与え、
心の深みから言葉を絞り出してもらう、
話の引き出し方の極意です。

 

あえて、劇薬的な技術も

さらに、

・まったく異なる事象やテーマを投げかけたり、
・自分の考えをぶつけてみる、反論してみる

という、
ちょっと高度な方法もあります。

これは、
時と場所を選ぶやり方ですね。

例えば、
上記のヒーローインタビューの場で、

政治問題への意見を求めたり、

あの判断は間違いで、こうすべきだったのでは?というような、
話の聞き手側の意見や批評を繰り出すのは、

さすがに無理があると思いますが、

状況次第で、
劇薬的な効果がある場合もあります。

ビデオカメラが回っている状況で、
わざと相手を怒らせるのも、実際に使われている記者のテクニックです。

 

緊張感の後の、弛緩も狙い目

また、そのあと弛緩させてみると、
思わぬ本音がでることもあります。

つまり、

真剣に自分に向き合って出てきた
カッコイイ答えが、

建前であったりするケースもあるのですね。

聞き手としては、
その建前と本音は、どちらも必要。

ですから、まず緊張を与えて、建前を話してもらったあと、

「まあ、とはいえ、本当は○○なんでしょ?」
などと、
冗談を交え、口調を変えて言った質問に対して、

帰ってきた答が、
実はその時、一番面白い話だったりすることもあります。

政治家のオフレコでの失言は、
こういう質問テクニックによることが多いと思われます。・・・

(この記事は、有料メルマガからの抜粋です)
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