滑舌が悪いと思っている人が、滑舌よりも直すべきこと


言葉が伝わらない主な原因、3点

太田多絵(経理部)
太田多絵(経理部)
発音や滑舌のシリーズ、陰ながら拝見していました。私は声も変わっているというか・・全体的に聞き取りにくいらしいんです。
聞き取りにくい=滑舌って、まず思いますけど、その前にチェックしてもらいたいポイントがあるんですよ。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

聞き手にきちんと言葉が伝わらず、
「え?」と聞き返されてしまったり、

カフェでコーヒーLサイズを注文した時、
「エムですか?」などと聞き直されてしまうことは、ありませんか?

言葉が相手に伝わらない原因は、
いくつか考えられますが、
大きく分けると、以下の3点に集約されると思います。

・文脈が唐突
・声が小さい
・不明瞭

文脈が唐突、というのは、
聞き手が思いもしない言葉だということです。
なんとなく、わかりますよね。

2番目と3番目、
声が小さいのと不明瞭なのは、極めて近い関係なのですが、

その違いは、
声が小さいのに、聞き取りやすい人と、
声が大きいのに、聞き取りにくい人の違いを考えれば、
わかることだと思います。

ここでは、
不明瞭の原因と対処法に的を絞って考えていきます。

太田多絵(経理部)
太田多絵(経理部)
聞き取りにくい3項目、全部当てはまります!文脈が唐突も思い当たりますし・・

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発音が不明瞭な時のチェックポイント3点

今回は、不明瞭にも原因はいろいろあるっていうお話ですよ。
くまちゃんアナウンサー
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これまで当メルマガでお伝えしてきたように、

日本語は、
子音を使わずに、母音を発するだけで、
なんとなく言葉の意味が伝わるものです。

例えばカフェで
「オーイー」と言えば、

なんとなく、コーヒーのことだな、
と理解できるでしょう。

チェックポイントはまず、
母音がきちんと変化しているか。

次に、
子音が強く明確か。

ですから、
よく、自分は滑舌が悪いから、と、

発音練習として早口言葉を一生懸命に取り組んでいる、
という人を見かけます。

もちろんそれもいいことなのですが、

まず、自分の母音はきちんと変化しているのか?
というポイントをチェックしなおして欲しいのです。

例えば、
冒頭に書いた、「Lサイズを、エムですか?と聞き直されてしまう」原因。

誰でも分かることは、

ルとム、このふたつ、母音は同じウ段ですので
どちらも母音エからウへの口の動きの変化があり、

同じ口の動きで聞き取りにくいのは
すなわち子音がしっかり出ていないということ。

子音の「ル」がきちんと出ておらず、
ラ行とマ行の違いがはっきりしてなかったんだな、

ということでしょう。

そこで、発音練習を
マミムメモ~ラリルレロ~
とやればいいのだと、まずは思うことでしょう。

もちろんそれもそうなのですが、
どんなにそれを練習し続けても、

なぜか、
聞き間違えられることが減らない、無くならない・・

実はそこには、
思わぬ原因が潜んでいるからです。

第3のチェックポイントは、
一音の長さ。

太田多絵(経理部)
太田多絵(経理部)
え?音のひとつひとつはほとんど同じ長さだと思っていましたが・・どういうことでしょう・・

音の長さを意識したことが有りますか?

いつも同じ長さで発音できていればいいんですけど、実際には中途半端になってしまう時も多いんですよ。
くまちゃんアナウンサー
くまちゃんアナウンサー

音が正確に出ないという現象の根本には、

「ひとつの音をきちんと1音節分の長さの息で
出していない」という要因もあるのです。

コーヒーなら「コ・オ・ヒ・イ」
という4音節分の音が出ているべきなのですが、

これを「コヒ」と言ってしまう傾向はありませんか?

そして例えば、エルサイズとエムサイズ。

ルとムの子音の違いがきちんと伝わらない背景には、
聞き間違えられた「ル」が、
きちんと1音節分の長さで出ていなかった可能性があります。

口内の上の部分、硬口蓋を舌で弾く「ラ行のル」に比べて、

一瞬、唇を合わせることで発せられる「マ行のム」は、
一般的に、音が短くインパクトが小さくなります。

そこで、
1音節分の長さに満たずに短くなってしまったルを、
ムと聞き間違えてしまったということは、充分に考えられます。

言葉が聞き取りやすい人と
聞き取りにくい人、

それは滑舌=子音の出し方!と決めつける前に、
音の長さを改善してみることをオススメします。

太田多絵(経理部)
太田多絵(経理部)
コーヒーが、コヒ・・あぁ、音の長さが中途半端になるってそういうことですね。確かにそれでは意味が変わってきてしまいますね。

音の長さを揃えるための練習法

音の長さが中途半端になると、発音しにくくなり、滑舌が悪くなります。ということは逆に、一音一音の長さが揃えば滑舌まで良くなる、というわけですね。
くまちゃんアナウンサー
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では、
一音の長さを揃えるための発音練習のやり方をご紹介します。

発声練習などでよく使われる、

アイウエオイウエオアウエオアイエオアイウオアイウエ
カキクケコキクケコカクケコカキケコカキクコカキクケ
サシスセソ・・
これは
同じ段の音を、違う順番で出してみるという発声発音練習なのですが、

これらの音を、
声を出さず、無声化状態で出してみましょう。

同じ段をひとつのくくりにして、
ひとくくりを一息で言い切ること。

息が苦しくなっても、
むしろ最後のほうこそ、音を長めに出す気持ちで、
息を吐き切るようにしてみてください。

ポイントは、

「子音と一緒に、強く長い息を吐くこと」。

これも読んでみて!  「早口で話が伝わらない」人が直すべきこと

そして不思議なことに、

音が長く出るようになると、
滑舌が良くなる、という結果も付いて来ます。

どんな発音練習をしても、滑舌が良くならない、と、
滑舌に行き詰まった方は、

ぜひ、
一音一音を長く、粒立てる練習をなさってみてください。

太田多絵(経理部)
太田多絵(経理部)
一音を長めに発音するのって、心に余裕も必要ですね。私は話し急ぐ傾向があるので、一音の長さも半分ぐらいしかなかったような気がします。

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話し急がずに、一音が長く出せるようになると、声も深い所から出て、良い声になったりしますよ。
くまちゃんアナウンサー
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